愛犬の非常食しっかり用意できていますか？
直近の大きな災害では2011年に起きた東日本大震災で多くのペットが犠牲となってしまいました。
被害が大きかったことも要因の1つですが、ペットと一緒に避難することがあまり周知されておらず、家に置いて避難する人が多かったこともあるでしょう。
2013年に環境省は「災害時におけるペット救護対策ガイドライン」を策定して、飼い主の責任によるペットとの「同行避難」を原則とすることを定めており”ペットの避難に必要な物資の備蓄を行い、避難が必要な場合は一緒に持ち出せるようにしておきましょう”と言っています。
なかでも犬の非常食は、災害時に愛犬が生きてくうえで欠かせない備蓄品の1つです。
この機会にいつくるかわからない災害に備えて、しっかりと準備をしていきましょう。
この記事を書いた人
保有資格：小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業：第225818003号 保管 動物取扱責任者：山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬：トイプードル2匹
目次
災害がおきたら犬は何日分の非常食が必要になる？
災害時の救援物資は人優先になるため、犬の非常食は必ず飼い主さんが用意する必要があります！
犬の非常食が何日分必要になるかは災害の大きさによって異なりますが、最低でも5日分、余裕をもつのであれば7日以上あると安心でしょう。
いつくるかわからない大きな災害に備えて、愛犬の非常食を日頃から常備しておくことが大切です。
特に療法食等の特別食を必要としているペットの場合は、長期間分の用意が必要になります！
非常食として最適なドッグフードの選び方
インターネットで「犬の非常食」「犬の防災食」と検索するとおすすめのドッグフードが紹介されます。
しかし飼い主さん自身が犬の非常食として最適なドッグフードの選び方を知っておくことで、さらに選択肢が増えるでしょう。
非常食として最適なドッグフードの選び方を詳しく説明していきますね。
※ここでの選び方は様々な犬の資格を持つ私が独自で判断した選び方を紹介しています。
嗜好性が高い
人間が被災すると大きなストレスがかかるように、犬も大きなストレスがかかります。
ストレスで食が細くなってしまうこともあるため、いつもと違う環境でも食べてくれるような嗜好性の高いフードがおすすめです。
基本的にドッグフードの”タンパク質や脂質が多いフード”や”香りの強いフード”は嗜好性が高くなると言われています。
ドライフードよりもウェットフードのほうが食いつきがよく非常食としては最適です。
また、冷凍した食材を真空状態で乾燥させたフリーズドライフードは、加熱調理をしないことから素材本来の旨味がギュッと詰まっており、食いつきがいいと言われています。
栄養価が高い
被災のストレスからご飯を既定の量食べてくれないこともあるため、少量でもしっかり栄養が摂れるフードを選びましょう。
ドッグフードに使われている肉や魚などの動物性たんぱく質は必須アミノ酸が豊富で、細胞の新陳代謝に必要なだけでなく、精神の安定につながる効果も期待できます。
そのため、肉や魚などの配合比率が多いフードがおすすめです！
消化に良い
腸内環境を整え免疫力を高めてあげましょう。
いつもと違う環境下に置かれた犬は不安から睡眠不足になったり、避難所では動きまわることがうまくできないため運動不足になったりと愛犬の免疫力が低下してしまう可能性があります。
そのため犬の胃腸の消化にいいフードを選んであげましょう。
- 犬が消化を得意とする肉や魚などの動物性タンパク源が主原料
- 胃腸サポート成分を配合している（乳酸菌、オリゴ糖など）
軽量かつ日持ちするフード
地震などの災害の場合は、家にいると倒壊の恐れがあり危険なため、すぐ避難しなければなりません。
そのため防災グッズはすぐに持ち出すことができることが大事です。
しかし自分自身の防災グッズと愛犬の防災グッズ2つ分を持ち、さらに愛犬も避難させなければいけないとなると、防災グッズはなるべく軽くする必要がありますよね。
なので、少しでも持ち出しの負担とならない軽量なフードを選びましょう。
- フリーズドライのような軽量のフード
- ウェットフードは缶よりも軽量のパウチ
常備しておくうえで日持ちが長く管理やすいフードを選ぶことも大切です！
犬の非常食にはウェットフードとフリーズドライの常備がおすすめ！
愛犬に毎日の食事として与えているドッグフードのタイプと言えば、ドライフードを選んでいる方がほとんどだと思います。
もちろんドライフードを非常食として備蓄しておくのもいいでしょう。とくに好き嫌いが激しく、このフードでないと食べてくれない子にはいつも食べ慣れているフードのほうが安心です。
しかし私が非常食として備蓄をおすすめするフードは「ウェットフード」と「フリーズドライフード」の2種類になります。
フリーズドライフードは冷凍した食材を真空状態で乾燥させたフードのことです。
非常食として最適なドッグフード選び方で少し説明している部分もありますが、2つのフードはそれぞれ非常食として最適な役割を持っています。
- 嗜好性が高い
- フードから水分を多く摂取できる
- 軽量で持ち運びやすい
- 保存期間が長く、備蓄におすすめ
- 栄養価が高い
ウェットフードだけでは栄養が偏りがちになってしまいますが、栄養価の高いフリーズドライでサポートします。
嗜好性も高く水分も多めに摂取できるウェットフードは高齢なシニア犬におすすめです。
フリーズドライは水を加えてふやかす手間はありますが、軽量で保存期間が長く、犬の非常食としては最適のドッグフードでしょう。
なかなか2種類のフードを用意するのは難しいですが、どちらか1種類でも備蓄しておけると安心ですね。
【ウェットフード】おすすめの非常食ドッグフード3選！
| 商品名 | 1袋あたりの価格 | 特徴 | 内容量 | 主原料 | カロリー100gあたり/脂質 | グレインフリー / グルテンフリー | 危険な添加物 | 公式サイト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
 1位ココグルメレトルト | 415円 公式サイト | 国産食材使用 | 50g、100g | 国産鶏肉、国産豚肉 | 121kcal 5.4%以上 | グレインフリー | 不使用 | 公式サイト |
 2位POCHI ザ・ドッグフード ウェット 鶏むね肉とレバーのランチ | 330円 楽天 | 価格が安い | 80g | チキン(むね肉) | 100kcal 5.6%以上 | グレインフリー | 不使用 | 楽天 |
 3位イートデリ | 638円 Amazon | 魚メイン | 160g | 魚肉（アジ、タラ） | 103kcal 0.5%以上 | 小麦グルテンフリー | 不使用 | Amazon |
※犬にも個体差があり私が個人的に調査した内容なので完璧を保障するものではありません。
※ウェットフードは持ち運びが簡単なパウチタイプのパッケージを選んでいます。
1位 ココグルメレトルト ドッグフード
| 価格(税込) | 4,980円（50g×12袋） 6,230円（100g×8袋） |
| 内容量 | 50g×12袋 100g×8袋 |
| 対応年齢・犬種 | 全年齢・全犬種対応 |
| 原産国 | 国産 |
| タンパク質 | 13.1%以上 |
| カロリー・脂質 （100gあたり） | 121kcal・5.4%以上 |
| 公式サイト | ココグルメ公式サイト |
獣医師監修の手作り食ご飯「ココグルメ」から販売された常温タイプの「ココグルメレトルト」。
味はチキンとポークの2種類から選ぶことができます。
冷凍のココグルメと同じような原材料や製造過程なので、食いつきには期待できるでしょう。
厳選された国産食材は産地を公開おり、ヒューマングレードの工場で製造されるなど、安全性が高いことがわかります。
賞味期限は未開封であれば2年と設けられているので、備蓄におすすめです！
2位 POCHI ザ・ドッグフード ウェット 鶏むね肉とレバーのランチ
引用画像：Amazon
| 価格(税込) | 330円 |
| 内容量 | 80g |
| 対応年齢・犬種 | 成犬以上・全犬種対応 |
| 原産国 | 日本 |
| タンパク質 | 8.0%以上 |
| カロリー・脂質 （100gあたり） | 100kcal・5.6%以上 |
| 公式サイト | POCHI公式サイト |
POCHI ザ・ドッグフード ウェット（鶏むね肉とレバーのランチ ）はウェットフードの総合栄養食です。
なるべく素材の形を残しつつ柔らかく仕上げています。硬いものが食べにくいシニア犬にもおすすめです！
主原料にはヒューマングレードのチキン（むね肉）を使用しているなど安全性が高いフードですが、1袋330円ととてもリーズナブルな価格で買うことができます。
市販でも購入することができるので、すぐ準備できることもポイントの1つでしょう。
3位 イートデリ メイングルメ2アジ ドッグフード
引用画像：Amazon
| 価格(税込) | 〈通常購入〉 1袋：638円 12～48袋：7,284円～32,580円（まとめ割引きあり） 〈定期購入〉 3～48袋：1,723円～23,458円 |
| 内容量 | 1袋160g |
| 対応年齢・犬種 | 1歳以上・全犬種対応 |
| 原産国 | 日本 |
| タンパク質 | 7.6%以上 |
| カロリー・脂質 （100gあたり） | 103kcal・0.5%以上 |
| 公式サイト | イートデリ公式 |
イートデリドッグフードのメイングルメ2アジは国産のアジをメインに使用したフードです。
北海道産甜菜繊維、フラクトオリゴ糖の配合を配合しており胃腸サポートとしても最適！水溶性食物繊維も豊富に使われているので、腸内環境を整え免疫力アップに期待できます。
成犬以上の総合栄養食なのでしっかり栄養を摂ることも！
魚好きの犬にとってはたまらない美味しさとなっているでしょう。
様々な健康維持サポートとして注目されているオメガ3脂肪酸が豊富なことも特徴です。
【フリーズドライ】おすすめの非常食ドッグフード3選！
| 商品名 | 価格 | 特徴 | 内容量 | 主原料 | カロリー100gあたり/脂質 | グレインフリー / グルテンフリー | 危険な添加物 | 公式サイト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
 1位生食フリーズドライ K9ナチュラル ビーフ・フィースト | 6,718円 Amazon | 肉類90％以上配合 独自のフリーズドライ製法で旨味や栄養を残している | 15g、142g、500g、1.8㎏、3.6kg | 牛肉 | 526.9kcal 37.0%以上 | グレインフリー | 不使用 | Amazon |
 2位モグキューブ | 5,852円 公式サイト | グラスフェッドラムを74.6％配合 | 425g | ラム肉 | 485kcal 26.0％ | グレインフリー | 不使用 | 公式サイト |
 3位WOOF フリーズドライ チキン | 5,000円 Amazon | 動物性原材料（肉・内臓肉・骨）を90％以上配合 | 50g、280g、1kg | 骨付きチキン | 590.4kcal 35％以上 | グレインフリー | 不使用 | Amazon |
※犬にも個体差があり私が個人的に調査した内容なので完璧を保障するものではありません。
1位 K9ナチュラル ビーフ・フィースト ドッグフード
引用画像：Amazon
| 価格(税込) | 303円（15g） 2,415円（142g） 6,718円（500g） 21,414円（1.8㎏） 37,956円（3.6㎏） |
| 内容量 | 15g、142g、500g、1.8㎏、3.6kg |
| 対応年齢・犬種 | 全年齢・全犬種対応 |
| 原産国 | ニュージーランド |
| タンパク質 | 35.0%以上 |
| カロリー・脂質 （100gあたり） | 526.9kcal・37.0%以上 |
| 公式サイト | K9ナチュラル公式サイト |
肉類を90％以上使用した美味しさ満点のドッグフードです。
K9ナチュラルは独自のフリーズドライ製法で加工・加熱を最小限に抑え、素材の栄養素や風味を最大限残しています。
とても食いつきがいいと評判が高く、トッピングとして使われることも多いフードです。
農業先進国のニュージーランドの農作物の品質の高さや信頼性は世界から評価されています。
未開封の場合、製造から約２年間は常温保存が可能なので常備しやすこともポイント！
2位 モグキューブ ドッグフード
引用画像：Amazon
| 価格(税込) | 通常価格：5,852円 定期価格：5,266円 |
| 内容量 | 425g |
| 対応年齢・犬種 | 全年齢・全犬種対応 |
| 原産国 | ニュージーランド |
| タンパク質 | 32.0％ |
| カロリー・脂質 （100gあたり） | 485kcal・26.0％ |
| 公式サイト | モグキューブ公式 |
ニュージーランド産のグラスフェッドラムをたっぷり74.6％も配合したドッグフードです。
ラム肉は高タンパクでビタミンが豊富な食材です。そんなラム肉を贅沢に使用したモグキューブの食いつきは期待できますね。
栄養価が高く少量でもしっかり栄養を摂ることができるため、犬の非常食としてぴったりでしょう。
原材料がシンプルなのでアレルギー対策としてもおすすめ！
3位 WOOF フリーズドライドッグフード チキン ドッグフード
| 価格(税込) | 1,430円（50g） 6,380円（280g） 21,450円（1kg） ※楽天参考価格 |
| 内容量 | 50g、280g、1kg |
| 対応年齢・犬種 | 全年齢・全犬種対応 |
| 原産国 | ニュージーランド |
| タンパク質 | 46％以上 |
| カロリー・脂質 （100gあたり） | 590.4kcal・35％以上 |
| 公式サイト | － |
引用画像：Amazon
世界的にも安全性の高いといわれるニュージーランド産の動物性原材料（肉・内臓肉・骨）を90％以上配合したドッグフードです。
本来の犬の食事に近く、食欲をそそるような香りがします。
マヌカハニー・ホキ肝油・緑イ貝などのスーパーフードをたっぷり配合しており、被災時の犬の健康をサポートしてくれるでしょう。
フリーズドライフードの中でも柔らかくすぐに崩れてしまうため、ふりかけやトッピングとしても使いやすいです。
犬の非常食として最適！フリーズドライドッグフードの与え方を解説
長期間の保存が可能なため犬の非常食として最適なフリーズドライフードですが、初めて耳にしたという飼い主さんもいると思います。
フリーズドライフードの基本的な食べ方は水やぬるめ湯でふやかして与えますが、愛犬に合った様々な食べ方ができます。
- フリーズドライフードの与え方
- ・そのまま
・水かぬるま湯でふやかす
・粉状にしてトッピングにする
被災しているときはフリーズドライフードを主食として与えるのがおすすめです。水やぬるま湯でふやかして与えましょう。
画像のようにフリーズドライフードは水やぬるめ湯で簡単にふやかすことができます。
ご飯と一緒に水分も摂ることことができるため脱水予防としても最適ですね。
非常食以外に必要な犬の避難グッズとは？
災害が起きたときに犬が安全に避難するには「リード」や「キャリーバッグ」が必要になります。
リードやキャリーバッグの近くに愛犬の避難に必要な物資の備蓄を準備しておきましょう。すぐに家から避難できるようにまとめて置いておくといいですね。
犬の避難グッズは優先的に持っていくものがあるので、まずはそちらを紹介していきます。
- 療法食、薬
- フード、水（少なくとも５日分［できれば 7 日分以上が望ましい］）
- 予備の首輪、リード（伸びないもの）
- ガムテープ（ケージの補修など多用途に使用可能）
- 飼い主の連絡先とペットに関する飼い主以外の緊急連絡先・預かり先などの情報
- ペットの写真（携帯電話に画像を保存することも有効）
- ワクチン接種状況、既往症、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報
とくに薬は一番必要になります。避難グッズに薬を入れておけない場合は、いつでも持ち出せるような場所に保管して、避難する際に忘れずに持ち出しましょう。
余裕があれば以下の犬の避難グッズも用意しておきたいです。
- ペットシーツ
- 排泄物の処理用具
- トイレ用品
- タオル、ブラシ
- おもちゃ
ここで紹介した犬の避難グッズは環境省が作成した「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を参考に紹介しています。
災害時におけるペットの救護対策ガイドラインでは、実際の避難グッズ（ペット用備蓄品）の例を写真で載せていたり、避難所・仮設住宅におけるペットの飼育マナーと健康管理なども説明しているため、一度読んでおくだけでも、災害が起きた時でもスムーズに行動できるようになるでしょう。
避難所にペットを連れて行く際の注意事項も、あらかじめ管轄の自治体に確認しておくといいですね。
愛犬が同行避難できない場合はどうすればよい？
自分の住まいの避難所が犬の同行避難に対応してない場合は、在宅避難を選択できるようにお家の耐震や物資の保管を十分準備しておく必要があるでしょう。
愛犬の非常グッズはもちろん、飼い主さんが生きてくうえで欠かせない水や食料も確保しなければなりません。
在宅避難ができない場合は、友人や親戚家、車中泊避難も検討してみてください。
また、やむを得ず愛犬を自宅に置いてくる場合には、自治体の動物担当部署に相談しておくといいでしょう。
地震の被害が大きい場合、余震で建物が倒壊する恐れがあるので、そのような場合はお家に戻らず愛犬と車中泊避難をしておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
いつくるかわからない大きな災害に必要不可欠な「非常食」は、人間の私たちだけではなく家族である愛犬にも必要です。
すでに備蓄している飼い主さん、まだ準備していない飼い主さんも今一度災害時に必要な避難グッズを見直してみてはいかがでしょうか。
今回で紹介した犬の非常食に最適なドッグフードを参考に愛犬に合ったフードを見つけてみてくださいね。
ここでは犬の管理栄養士の資格を持つ私が犬の非常食として最適なドッグフードをランキング形式で紹介していきます！