犬の防災グッズはなにが必要?もしもに備えるアイテムと災害対策

犬と暮らしているなら必ず用意しておきたい、犬用の防災グッズ。

いざというときに愛犬の命を守るためには、普段からの備えがなにより大切です。

この記事では、災害に備えて用意したい防災グッズを「非常用持ち出し袋に入れるもの」と「避難所生活用」の2つに分けて解説します。

防災グッズセットを選ぶ際のポイント平常時に行うべき災害対策もあわせて紹介するので、最後までチェックしてくださいね。

非常用持ち出し袋に入れる犬の防災グッズリスト

非常用持ち出し袋は、犬の命や健康を守るためのグッズをまとめた防災セットです。

津波や火災、地震時にすばやく避難できるよう、必要最低限のものだけ入れ、重くなりすぎないように。

玄関脇や廊下、リビングなど、サッと持っていける場所に保管しましょう。

  • 食器
  • ドッグフード・水
  • 持ち運び用トイレ
  • ペットシーツ
  • 鑑札・ワクチン接種証明書
  • リード・首輪・ハーネス
  • 応急セット
  • 防災手帳

ガラスやがれきで怪我をしないよう、犬用の靴を用意しましょう。

抱っこでの移動が難しい大型犬はもちろん、小型犬・中型犬も用意しておくと安心です。

はじめは違和感から歩かなくなる犬も多いので、普段の散歩で履かせるなどして、慣らしておくようにしてください。

服用している薬がある場合は、必ず予備を入れておきましょう。

大規模な災害時は、しばらく動物病院への通院が難しい状況も予想されます。

かかりつけの動物病院が対応できない場合も考え、2週間分はあると良いですね。

食器

フードや水を入れる食器も忘れてはいけません。

折り畳み式のシリコン食器は軽くて持ち運びやすく、災害時に重宝します。

ペットボトルホルダー付きのものやカラビナ付きのものなど様々な商品があるので、気にいるものを探してみましょう。

ドッグフード・水

1週間分のドッグフードと水を用意しましょう。

重くて持ち運びが難しい場合は、非常用持ち出し袋に3日分残りの4日分は避難所生活用セットに入れてください。

災害時は犬も神経質になっているので、フードは普段食べ慣れているものがベストです。

犬の食欲に合わせて変えられるように、ドライと缶詰、2通りのフードを用意しておこう

また、水はペット用のものか軟水を用意すること。

水道水は犬の健康に害のないものですが、避難所で水不足が起こった場合、犬用に水を確保するのは難しいかもしれません。

常に十分な量の水をあげられるよう、愛犬用の水は用意しておいたほうが安心です。

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トイレ・ペットシーツ

持ち出しやすいポータブルトイレとペットシーツも必要です。

ペットシーツには洗って再利用できるタイプ使い捨てタイプがありますが、どちらも用意するのがベスト。

洗って使えるタイプはコンパクトで持ち出しやすいぶん、水が使えない状況には不向きですが、使い捨てタイプなら問題なく使用できます。

災害後しばらく水が使えない状況を想定し、使い捨てペットシーツは1週間分ほど用意しておこう

鑑札・ワクチン接種証明書

避難所に入る際、多くは犬の登録鑑札やワクチンの接種証明書の提示を求められます。

避難所には多くの人やペットが集まるので、感染症対策が不十分な犬は受け入れを断られることも珍しくありません。

「うちの犬は問題ない」と証明するためにも、ワクチン証明書は非常用持ち出し袋に入れておき、鑑札は常に首輪につけておきましょう。

リード・首輪・ハーネス

リード、首輪、ハーネスなどの装具は、犬の迷子や脱走防止に必要です。

移動時はもちろん、避難所に滞在する際も必ず必要になるので、忘れないようにしましょう。

普段使っているものをそのまま持ち出しても構いませんが、伸びるリードは避難所生活に不向きなので、伸びないものを選びましょう。

応急セット

慣れない場所や足元の悪い場所では、怪我のリスクが高まります。

万が一愛犬が怪我をしてしまった場合を考え、ペット用の応急セットがあると安心。

最低限のアイテムとして「包帯、ガーゼ、テープ、医療用ハサミ、消毒液、ピンセット」があると良いですね。

防災手帳

愛犬の年齢や病歴などを記載した防災手帳を作りましょう。

愛犬の特徴が分かる写真を貼っておくと、万が一はぐれてしまった場合の捜索がしやすくなります。

自分が愛犬の飼い主であることを証明するためにも、防災手帳と愛犬の写真は必ず用意しておいてくださいね。

財布にエマージェンシーカードを入れておけば、自分が動けなくなった際も愛犬の存在を周囲に知らせることができる

避難所生活用セットに入れる犬の防災グッズリスト

避難所生活用セットとは、車で移動できる場合や時間に余裕があるときに持ち出すものをまとめたものです。

避難所には人が使うものが優先して届くので、ペット用品は不足しがち。

愛犬にできるだけ負担がかからないよう、避難所生活用の防災グッズは過不足なく用意しておきましょう。

  • キャリー
  • 折り畳みケージ
  • マナーベルト・おむつ
  • ビニール袋・マナーカプセル
  • 音が出ないおもちゃ
  • 衛生用品
  • おやつ
  • タオル

キャリー

ペット用のキャリーは、移動時や避難所での生活に役立ちます。

小型犬であればキャリーに入れて移動できるので、避難時の安全性も高まるでしょう。

なお、拡張機能があるキャリーなら、簡易的なケージとしても利用可能。

移動時はキャリーとして、避難所では犬のプライベート空間として利用できます。

スリングであれば、常に手が空くので災害時にとても役に立ちます。

ドッグスリング専門のお店などあるので、愛犬に合ったスリングを見つけられたら災害時だけではなく普段使いとしてもとても便利です。

ドッグスリング専門店erva

折り畳みケージ

大規模災害の場合、避難所での生活が長くなることも考えられます。

犬ができるだけ快適に過ごせるよう、広めの折り畳みケージ・サークルを用意しましょう。

素材はプラスチック製、金属製などさまざまですが、できるだけ軽いものを選べば持ち運びやすいですよ。

マナーベルト・おむつ

避難所では、マナーベルト・おむつの装着が理想です。

しっかりトイレトレーニングされた犬であっても、避難所など不特定多数の犬が集まる場所では、トイレ失敗しやすくなります

周囲にマーキングをしてしまったり、粗相を繰り返したりする可能性があるので、用意しておいたほうが安心です。

ビニール袋・マナーカプセル

ビニール袋は、便や使用済のペットシーツなど、主に排泄物の処理に使用します。

においがもれ出さないよう、防臭効果ができるだけ高いものを用意しましょう。

また、完全に臭いを遮断したいなら、完全に密封できるマナーカプセルがおすすめです。

音が出ないおもちゃ

お気に入りのおもちゃがあれば、犬の気を紛らわすことができます。

音が鳴るタイプのおもちゃは周囲に迷惑がかかるので、ロープやぬいぐるみなど音が出ないものがベスト。

犬にだけ聞こえる音が出るサイレントおもちゃも多く売られているので、普段から遊ばせておくと良いでしょう。

衛生用品

しばらくお風呂に入れることができない場合を想定して、清潔を保てるケアグッズを用意しましょう。

具体的には、洗い流さないシャンプー、ブラシ、ボディシート、ペット用ウェットティッシュ、消臭・除菌スプレーなど。

特に長毛の犬種はブラシがないとすぐに毛玉ができ、皮膚病を起こす可能性があるので、忘れずに用意しておきましょう。

おやつ

おやつは犬のストレス解消に役立ちます。

避難所での生活や災害時の混乱は、犬に大きなストレスがかかるもの。

少しでも愛犬の負担を軽くするため、美味しいおやつで気持ちを和らげてあげましょう。

タオル

愛犬自身や飼い主さんのにおいがついたタオルは、犬の安心感につながります。

また、寒い時期の避難所生活では「いかに寒さから身を守るか」が重要です。

特に小型犬や短毛種は寒さに弱いので、防寒用としてタオルや毛布などを用意しておくと安心ですよ。

忙しい人にもおすすめ!犬用防災グッズセットの選び方

「防災グッズを一から用意するのは大変…」という場合は、ペット用の防災グッズセットを活用するのがおすすめです。

中身は商品によって違いますが、応急セットやビニール袋、タオル、ポータブル食器などは、防災グッズセットに含まれていることが多いでしょう。

ペット用防災グッズセットを選ぶときのポイントは以下の3点です。

選ぶポイント
  • 持ち運びやすい形・重さか
  • 優先度が高いグッズが入っているか
  • 買い替えやすい価格か

持ち運びやすい形・重さか

非常用持ち出し袋として購入するなら、両手が自由になるリュックタイプが良いでしょう。

いざというときに走って逃げられるよう、パンパンに詰めても女性10kg、男性15kg以下になるサイズのものを選んでください。

避難所生活用セットは余裕があるときに持ち出すので、重量や形状は気にしなくて良い

優先度が高いグッズが入っているか

防災グッズといってもさまざまなので、なかには優先度が低いアイテムが多いセットもあります。

デザイン性や知名度などを重視して選んでしまうと、追加で用意するものが多くなり、結局大変な思いをします。

ドッグフードや水、ペットシーツなどの消耗品は自分で用意するとして、その他はできるだけ必要性が高いものを集めたセットを選びましょう。

買い替えやすい価格か

フードや水などの食品は、定期的に新しいものと入れ替えなければいけません。

衛生グッズや応急セットにも使用期限があり、3年ほどで一式買い替えたほうが良いことも。

高い防災グッズはそれだけ高品質なものも多いかもしれませんが、安価な商品のほうが気軽に買い変えることができ、期限切れを防ぎやすいといえるでしょう。

普段から備えたい犬のための防災対策4つ

防災グッズの準備と並行して行ってほしいのが、しつけや迷子、安全などの対策です。

4つの防災対策
  • 安全対策
  • 避難対策
  • しつけ対策
  • 迷子・救助対策

災害時は犬にとっても人にとっても大きな負担がかかるので、平常時にできる対策はすべて行っておくべき。

以下では、具体的な対策方法について解説します。

安全対策

  • 食器や本などの落下対策
  • トイレやケージの設置場所の確認
  • 家具類の転倒防止、ガラスの飛散防止対策

まず実践してほしいのは、小物の落下対策と家具の転倒対策です。

家具の下には転倒防止マットを敷き、突っ張り棒やネジなどを使って固定しましょう。

また、本や食器の落下によって犬が怪我をする可能性も考えられます。

食器棚の取っ手は普段からヒモで結んで開かないようにし、本棚には落下抑制テープを設置しましょう。

避難対策

  • 同行避難可能な避難所の確認
  • 避難場所や防災グッズの位置確認
  • 預かってくれる人の確保・施設の確認

自宅周辺の避難場所・経路を確認しましょう。

実際に犬を連れて避難所までの道を歩いてみるのもおすすめです。

安全な避難経路は、国土交通省が発行しているハザードマップで確認できますよ。

また、地域の避難所がペット連れでも受け入れ可能なのか確認しておくこと。

やむを得ず一緒に避難できない場合に備えて、親せきや知人、動物病院やペットホテルなど、いざというときの預け先も検討しておきましょう。

しつけ対策

  • 基本的なしつけの習得
  • ケージやキャリーに慣らす

避難所では、他の人の迷惑にならないよう配慮して過ごす必要があります。

吠え癖や噛み癖、粗相や他のペットへの攻撃性などは、すべて良くないもの。

災害時など有事のときは犬も混乱し、思わぬ行動をしてしまうことがあるため、注意が必要です。

普段のしつけは徹底して行い、避難所でも犬が落ち着いて過ごせるようケージやキャリーに慣らしておきましょう。

迷子・救助対策

  • 迷子札やマイクロチップの装着
  • ペットレスキューステッカーを貼る

まずは、首輪にゆるみや劣化がないか確認しましょう。

首輪には登録内容を記した鑑札や狂犬病注射済票、連絡先を記載した迷子札を付けておいてください。

首輪が外れてしまう可能性を考えて、マイクロチップの装着も推奨されています。

なお、玄関やポストなど目立つところに「ペットレスキューステッカー」を貼っておけば、飼い主さんが不在の際に災害が発生した時や、やむを得ず愛犬を自宅に残さざるを得なかったときに、愛犬が救助してもらいやすくなりますよ。

まとめ

災害はいつ起こるか分かりません。

愛犬の命を守るためには、普段からの防災対策が必要不可欠。

一刻を争う避難時に「なにを用意したらいいだろう」「あれはどこにあったっけ」と焦ってしまわないよう、必要なグッズはしっかりとまとめておいてくださいね。

あらゆる不測の事態に備え、平穏な今だからこそできる対策も徹底しておきましょう。

ABOUT US
山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹