飼いやすい犬種ランキング|初心者や高齢者が確認すべきポイントとは?

トイプードルのメリアとチワワのシキ

「初めて犬を飼うなら飼いやすい犬がいい」と思う方は多いですよね。

せっかく迎えた犬を不幸にしてしまったり、飼育が困難になったりしてしまわないためには、飼いやすい犬の特徴を踏まえた犬選びが重要です。

この記事では、飼いやすい犬の選び方と注意点を解説します。

飼いやすい犬種TOP10も紹介しているので、ぜひ犬選びの参考にしてください。

飼いやすい犬の定義とは?

ひとくちに「飼いやすい犬」といっても、その基準は人によって違います。

そのため、すべての人にとって飼いやすい犬というのは存在しませんが、一般的には「小さい」「大人しい」「なつきやすい」「毛が抜けにくい」などの特徴を持った犬は飼いやすいといわれています。

これらの犬はしつけやお手入れの手間がかからず、飼育の難易度が低いといえるでしょう。

そこでこの記事では、「初心者や高齢者でも飼いやすい特徴を持った犬」を飼いやすい犬と定義しました。

同じ犬種であっても、生まれ持った気質や社会性、飼育環境などによって犬の性格は変わりますが、犬種選びの目安としてぜひ知っておいてくださいね。

飼いやすい犬の選び方

飼いやすい犬を選ぶときは、次のポイントを重視しましょう。

  • 友好的でなつきやすい
  • 吠えづらい
  • 毛が抜けにくく手入れが簡単
  • 賢くしつけもしやすい
  • 散歩をさせやすい

上記の項目に多く当てはまる犬種ほど、基本的には飼いやすい犬といえます。

特に飼いたい犬種が決まっていない場合は、犬種を検討するときの判断材料にすると良いでしょう。

それぞれ詳しく説明していきます。

友好的でなつきやすい

初めて犬を迎えるなら、穏やかで人懐っこい性格の犬がおすすめです。

温厚で我慢強い性格の犬を選べば、小さな子供がいる家庭でも安心でしょう。

友好的でなつきやすい犬種としては、主にトイプードルやパグ、キャバリア、ボストンテリアなどが挙げられます。

高齢者や赤ちゃんがいる家庭では、特におっとりした性格の犬を選ぶと良いでしょう。

吠えづらい

マンションなど集合住宅で犬を飼うなら、吠えづらいかどうかも重要なポイントです。

個体差はありますが、警戒心が低く温厚な性格の犬は吠えにくい傾向あり。

吠えづらい犬種としては、ボストンテリアやフレンチブルドッグ、パグ、ペキニーズなどが挙げられます。

近隣トラブルが心配な方は、なるべく吠え癖がつかない犬種を選びましょう。

毛が抜けにくく手入れが簡単

抜け毛が多い犬の場合、日々の掃除やお手入れの手間がかかります。

特にアレルギー体質の人にとって、犬の抜け毛対策は必須でしょう。

その点、トイプードルやマルチーズなどシングルコートの犬種は抜け毛が少なく、掃除の手間がほとんどかかりません。

そのぶんこまめに毛をカットしたり、毛玉ができないようブラッシングする必要はありますが、ダブルコートや大型犬に比べると、掃除やお手入れの手間は圧倒的に少ないといえます。

賢くしつけもしやすい

吠えや噛みつきの抑制、トイレトレーニングなど、犬に教えておきたいしつけはたくさんあります。

しかし、初めて犬を飼う場合は、きちんとしつけができるか不安に思う方も多いでしょう。

しつけに不安があるときは、トイプードルやボストンテリア、キャバリアなど、従順でしつけがしやすいといわれる犬種を選ぶのがおすすめです。

散歩をさせやすい

散歩は犬の気分転換や健康のために欠かせませんが、運動量が多い犬とそうでない犬とでは、必要な散歩時間に30分以上の差が出ることも。

シーズーやマルチーズ、ヨークシャーテリアなど、運動量が少ない小型犬であれば毎日の散歩も無理なく行えます。

運動量が少ない犬種
  • ペキニーズ
  • チワワ
  • マルチーズ
  • シーズー
  • パグなど
運動量が多い犬種
  • ボストンテリア
  • ジャックラッセルテリア
  • ダックスフントなど

犬種別犬籍登録頭数で確認

一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)では、毎年「犬種別犬籍登録頭数」を公表しています。

犬種別犬籍登録頭数はその年にJKCが発行した血統書の数をもとに集計しており、順位が高い犬種ほど人気があるといえます。

ここでは、最新版である2021年1~12月に上位10位までランクインした犬種と頭数を紹介します。

順位犬種頭数
1位プードル(トイ83,221・ミニチュア229・ミディアム172・スタンダード1,725)85,347
2位チワワ51,837
3位ダックスフンド(カニーンヘン7,094・ミニチュア21,310・スタンダード73)28,477
4位ポメラニアン19,832
5位フレンチ・ブルドッグ12,942
6位ミニチュア・シュナウザー11,930
7位柴犬9,958
8位ヨークシャー・テリア9,690
9位マルチーズ8,886
10位シー・ズー8,755
参照:一般社団法人ジャパンケネルクラブ|2021年(1月〜12月)犬種別犬籍登録頭数

【初心者向け】飼いやすい犬種ランキングTOP10

ここまで選び方について解説しましたが、「結局どんな犬種を選べばいいの?」と悩んでしまった方もいるかもしれません。

ここからは、犬種選びに迷っている方向けに、初心者におすすめの飼いやすい犬種TOP10を紹介します。

人懐こさや抜け毛の少なさなど、気になる情報を表でまとめているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位
犬種トイプードルボストンテリアキャバリアマルチーズペキニーズビションフリーゼパグシーズーミニチュアダックスフレンチブルドッグ
人懐こさ
(5.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
吠えづらさ
(3.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(2.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(3.0 / 5.0)
(2.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(2.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(5.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(5.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(5.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(4.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)
(3.0 / 5.0)

1位|トイプードル

犬種別犬籍登録頭数で13年間1位をキープしている、トイプードル。

フレンドリーな性格で飼い主によくなつくので、初心者にも飼いやすい犬種として知られています。

全犬種中トップクラスの賢さで、教えたことはすぐに覚えてくれるのも長所のひとつ。

定期的なトリミングは必須ですが、抜け毛はほとんどなく体臭が少ない点も初心者向きです。

人懐こさ
(4.5 / 5.0)
吠えづらさ
(3.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(3.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(5.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(5.0 / 5.0)

2位|ボストンテリア

ボストンテリアは明るく吠えづらい犬種で、誰に対してもフレンドリー。

運動量が多く遊び好きなので、元気いっぱいな子供との相性も良いでしょう。

飼い主に忠実で学習能力が高いぶん、しっかりしつけをすれば良きパートナーになってくれますよ。

ダブルコートの短毛なので抜け毛こそ多いですが、毛玉ができる心配はありません。

人懐こさ
(5.0 / 5.0)
吠えづらさ
(4.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(2.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(4.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(3.0 / 5.0)

3位|キャバリア

キャバリアはとても愛情豊かで、優しい犬種として知られています。

初対面の人や犬に対しても友好的にふるまうことができ、飼い主の生活スタイルに合わせて行動できる柔軟さがあります。

吠え癖や噛み癖がつきにくいのも、初心者向きのポイント。

トリミングは不要ですが、垂れ耳で耳孔内が蒸れやすいぶん耳の病気になりやすいので、日々の耳掃除は欠かせません。

人懐こさ
(5.0 / 5.0)
吠えづらさ
(3.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(4.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(4.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(3.0 / 5.0)

4位|マルチーズ

マルチーズは素直な性格の犬種で、人とのふれあいを特に好みます。

やや神経質な面はありますが、子犬の頃からしっかりしつけておけば、他人や他の犬にも落ち着いて接することができるでしょう。

遊び好きな反面、運動量はそれほど多くないので、高齢者にもおすすめです。

毛が細く絡まりやすいのでブラッシングとトリミングは必須ですが、抜け毛はほとんどありません。

人懐こさ
(5.0 / 5.0)
吠えづらさ
(3.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(4.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(3.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(5.0 / 5.0)

5位|ペキニーズ

つぶれた鼻が愛らしいペキニーズは、物おじせずクールな性格の犬種です。

小型犬にしては珍しく独立心が強いので、落ち着いた家庭向き。

頑固でしつけにはやや時間がかかりますが、攻撃性は高くありません。

トリミングは必要ありませんが、ペキニーズは抜け毛が多めで毛玉もできやすいので、こまめにブラッシングしてあげましょう。

人懐こさ
(3.0 / 5.0)
吠えづらさ
(4.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(4.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(3.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(3.0 / 5.0)

6位|ビションフリーゼ

わたあめのような被毛が特徴的にビションフリーゼは、陽気で温厚な犬種です。

攻撃性が低く素直な性格なので、しつけの飲み込みは比較的早め。

家族とのスキンシップを大切にする傾向があるので、日頃からたくさん触れ合える人向きといえるでしょう。

トリミングとブラッシングは必須ですが、抜け毛や体臭はとても少ないです。

人懐こさ
(5.0 / 5.0)
吠えづらさ
(3.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(3.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(4.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(5.0 / 5.0)

7位|パグ

のんびりした性格で攻撃性が低いパグ。吠え癖や噛み癖もほとんどなく、飼い主を困らせることはほとんどありません。

運動量も少ないので、高齢者や初心者にも飼いやすいといえるでしょう。

短毛種のため、ブラッシングは週に1~2回でOK。

トリミングは必要ありませんが、顔のシワに汚れが溜まりやすいので、こまめなお手入れが必要です。

人懐こさ
(5.0 / 5.0)
吠えづらさ
(5.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(4.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(3.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(3.0 / 5.0)

8位|シーズー

シーズーは穏やかで優しく、のんびりした性格の犬種です。

一人遊びが上手で、留守番も得意。利口でしつけしやすく、運動量も少ないので、犬を飼うのが初めての方や高齢者にも人気があります。

ただし、シーズーは生まれつき脂性体質の犬が多く、こまめな皮膚ケアが必須です。

トリミングやブラッシング、保湿ケアなどは定期的に行いましょう。

人懐こさ
(4.0 / 5.0)
吠えづらさ
(5.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(5.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(3.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(4.0 / 5.0)

9位|ミニチュアダックス

ミニチュアダックスは、人気犬種TOP10の常連犬種です。

朗らかで飼い主によくなつくので、スキンシップを多く取りたい方におすすめです。

元狩猟犬のため吠えやすい傾向はありますが、利口で忠誠心が高いので、しつけの難易度はそれほど高くありません。

なお、ミニチュアダックスはダブルコートのため抜け毛は割と多いですが、トリミングは不要です。

人懐こさ
(5.0 / 5.0)
吠えづらさ
(2.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(2.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(4.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(3.0 / 5.0)

10位|フレンチブルドッグ

おおらかな性格で、誰にでも人懐こいフレンチブルドッグ。

多頭飼いでは相性が悪いケースもありますが、初めて会う人や他犬にはフレンドリーに接します。

特に家族には愛情深く接するので、スキンシップがたくさん取れる家庭向きといえるでしょう。

短毛種なのでトリミングは不要ですが、汚れが溜まりやすい顔のシワはこまめなお手入れが必要です。

人懐こさ
(4.0 / 5.0)
吠えづらさ
(4.0 / 5.0)
運動量の少なさ
(3.0 / 5.0)
しつけのしやすさ
(3.0 / 5.0)
抜け毛の少なさ
(3.0 / 5.0)

高齢者が選ぶべき犬種とは?

定年後や子供が独立した後、「時間ができたので犬を飼いたい」と思う方は珍しくありません。

高齢者の方が犬を選ぶときは、以下のような条件に注目しましょう。

  • 小型犬
  • 運動量が少ない
  • 性格が落ち着いている
  • お手入れの手間がかからない

個人差はありますが、高齢期は若い頃より体力が落ちていたり、足腰が弱くなっていたりする方も多いもの。

運動量が少なく穏やかな性格の小型犬なら、高齢者の方でもコントロールしやすく、犬へのストレスもかかりません。

上記に該当する主な犬種としては、ヨークシャーテリア、チワワ、シーズー、マルチーズ、キャバリアなどが挙げられます。

特にシーズーとマルチーズは高齢者に人気があり、多くの家庭で飼われています。

犬と人間がお互い幸せに暮らせるよう、年配の方はなるべく飼育の手間がかからない犬種を選びましょう。

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飼いやすい犬種選び【Q&A】

Q&A

ここまで、初心者や高齢者におすすめの犬種を紹介しました。

最後に、飼いやすい犬種選びでよくある疑問について解説します。

どれも犬を迎えるうえで知っておきたいことなので、犬を飼う前にしっかり目を通しておいてくださいね。

オスとメスはどちらが飼いやすい?

個体差はありますが、一般的にオスよりもメスのほうが飼いやすいといわれています。

オス犬は男性ホルモンの影響で縄張り意識が強く、やんちゃな性格の犬が多め。

体が大きく力が強いぶん、噛み癖や引っ張り癖のしつけに手を焼くことも少なくないでしょう。

一方、メス犬は比較的落ち着いた性格で従順な傾向があるので、オスよりしつけやすいといえます。

子犬の頃に注意すべき社会性とは?

犬を人間社会で生活させるうえで、社会性を付けることはとても大切です。

特に子犬期は外界のあらゆる刺激に慣れる大切な時期。

生後3~13週齢までの期間は「社会化期」と呼ばれ、この時期になるべく多くのものや人に慣れさせておくことで、成長した後の柔軟性が高くなるといわれています。

一方、社会性が足りない犬では、飼い主以外の人や物に対してうまく順応できず、引っ込み思案な性格になる、散歩を嫌がる、他の人や犬に吠えかかるなどの問題行動がみられることも。

飼い主への依存度が高くなることで分離不安症になり、留守番ができなかったり、自傷行為に走ってしまう犬も珍しくありません。

せっかく迎えた犬を不幸にしないためにも、犬の社会性は子犬の頃から十分に養っておきましょう。

散歩が必要ない小型犬はいるのか?

散歩が必要ない犬は存在しません。

よく「小型犬に散歩はいらない」といわれることがありますが、すべての犬にとって散歩は心と体の健康維持に必要不可欠です。

外の匂いを嗅いだり、地面の感触を得たりすることで、犬の脳はしっかりと活性化し、精神的に落ち着いて生活できます。

日々の散歩は、運動不足解消・問題行動の抑制・飼い主との信頼関係向上にもつながるため、ぜひ積極的に行うようにしましょう。

あなたに合った理想の犬種を迎えよう

飼いやすい犬種の条件
  • 友好的でなつきやすい
  • 吠えづらい
  • 毛が抜けにくく手入れが簡単
  • 賢くしつけもしやすい
  • 散歩をさせやすい

ここまで「初心者や高齢者でも飼いやすい犬種」を紹介してきましたが、気になる犬種は見つかりましたか?

どの犬が飼いやすいかは、家族のライフスタイルや理想とする犬との接し方など、人によって異なるもの。

どの犬を迎えるか迷ったときは、犬との理想的な暮らしを十分にイメージすることが大切です。

散歩の時間はどれくらい取れるか、愛犬とどんなコミュニケーションが取りたいかを考慮したうえで、ぜひ理想に合った犬種を選びましょう。

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山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹