子猫の離乳食はいつから?選び方や与え方、注意点を知ろう

いざ、子猫の離乳食をはじめよう!と思ってもどうしたらいいのか悩みますよね。

「離乳食っていつからはじめるの?」

「何時間おきに与えたらいいの?」

「どんなことに注意したらいいの?」

など、さまざまな疑問が出てくると思います。

今回はそんな飼い主さんの疑問にお答えするため、離乳食をはじめる時期や選び方、与え方などについて詳しく解説します。

子猫の離乳食をはじめる時期

子猫の離乳食は乳歯が生えはじめたころからと言われています。

だいたい生後3〜4週齢ごろが目安です。歯茎に触ったときに硬いものに触れたら乳歯が生えてきたと判断してもよいでしょう。

母猫といっしょに飼育している場合は、離乳時期は母猫に任せます。

一般的には、生後3〜4週齢ごろになるとそれまで24時間べったりだった子猫から離れる時間が増え、授乳を嫌がるようになります。

同時に母猫の食事に興味を持つようになってくるでしょう。

離乳の準備が整った証拠です。

最初はドロドロにふやかしたドライフードや市販の離乳食からはじめて、少しずつ水分量を減らし固いままのドライフードを食べられるように慣らしていきましょう。

だいたい生後8〜9週齢くらいを目安に離乳を完了させます。

離乳期完了後は、子猫の栄養に合ったフードと水だけに移行していきましょう。

子猫の離乳食の選び方と種類

猫にとって離乳期は体をつくる大切な時期です。

必要な栄養をしっかりと摂取しながら離乳をすすめなければいけません。

生後4か月頃までの子猫は、体重あたりのエネルギー量が成猫の2倍ほど必要です。

そのため、高カロリーで消化吸収率の高い「成長期・離乳期用」または「全年齢対応」のキャットフードを与えてください。

また、手作りフードでは、成長期の子猫に必要な栄養素を満たすのが難しいため、市販の総合栄養食を与えるようにしましょう。

総合栄養食とは?

そのフードと水を与えることで、1日に必要な栄養素を摂取できる食事のことです。

猫にとっての主食となるキャットフードです。

市販の離乳食には段階に合わせて、固さや形状の違うものが販売されています。

子猫の食べ方などを見ながら無理なく食べられるものを選んでくださいね。

離乳食の種類
  • 粉末タイプ
  • ムース状・ペースト状
  • ウェットタイプ
  • ドライフードをふやかす

それでは、離乳食の種類について見ていきましょう。

固さを調節しやすい粉末の離乳食

粉末タイプの離乳食は、使うお湯の量で簡単に固さを調整できるのが特徴です。

子猫の成長に合わせて調整できるため、はじめての離乳食としてもおすすめのタイプです。

生後3〜6週齢の子猫に適しています。

ドライフードに移行する際にふりかけのようにまぶして与える、妊娠中または授乳期の母猫の栄養補給として与えるといった使い方もできます。

ムース状またはペースト状の離乳食

水分をたくさん含んだムース状またはペースト状のタイプもはじめての離乳食としておすすめです。

ムース状またはペースト状の離乳食は、まだ歯が生えそろっていない子猫にも食べやすいようにやわらかくなっています。

水分を足すなどの手間もなく、すぐに与えられるので便利です。

もちろん、ミルクなどで溶かして与えることもできますので、子猫の状況に合わせて調節することも可能です。

食いつき抜群のウェットフード

食事に興味を示さない子猫には、子猫用のウェットフードもおすすめです。

ウェットフードは、猫が好む肉や魚をふんだんに使用しており、嗜好性が高いので食べてくれる子猫も多いです。

ウェットフードには固まりが入っている場合もあるので、離乳食初期の子猫に与えるときは、しっかりとつぶしてから、お湯やミルクで伸ばしてドロドロの状態にして与えるとよいでしょう。

水分の量は、離乳食の段階に合わせて変えてくださいね。

ドライフードをふやかす

子猫用のドライフードをお湯やミルクでふやかして与える方法もあります。

ドライフードをふやかして与える場合は、歯や消化器官が未熟でも負担なく食べられるように芯がなくなるまでふやかすのがコツです。

離乳食の作り方
  1. ぬるま湯でフードをふやかす
  2. 粒がなくなるようにしっかりと潰す
  3. ぬるま湯を足してドロドロにする

ふやかすときは、熱湯ではなく人肌程度のぬるま湯を使用しましょう。

熱湯を使用すると熱に弱い栄養素を破壊してしまいます。

離乳食スタート時から与える場合は、ドライフードをふやかしたあとに、水分を足してミキサーでドロドロの状態にすると簡単です。

離乳食の進め方と与え方

離乳食で多い悩みのひとつが、離乳食の進め方についてです。

「子猫の離乳食は何時間おきに与えたらいいのか」「どういったものを与えたらいいのか」など悩みは尽きないでしょう。

以下は、週齢・月齢ごとの離乳食の与え方の一例です。

週齢・月齢食事回数/日与え方
3〜5週齢4〜6回離乳食+ミルク
5週齢までに離乳食のみにする
1か月半齢4〜5回離乳食+ふやかしたドライフードに慣らす
2〜3か月齢3〜4回離乳食+ドライフード
固いままのドライフードを食べられるようにする

成長のスピードは子猫によって異なります。

週齢や月齢にとらわれず、愛猫の様子を見ながら進めていきましょう。

それでは、もう少し詳しく説明します。

3〜5週齢:食べることに慣らそう

子猫はこれまで飲んでいたミルクから、ドロドロとはいえ、はじめて食べ物を口にします。

最初のうちは離乳食とミルクを併用し、栄養を摂取するよりも食べるという行為に慣らすことを優先しましょう。

1日の食事回数は4〜6回、3〜6時間おきに与えます。

生後3〜5週齢の子猫の離乳食では、以下のいずれかの離乳食を使用します。

3〜5週齢の離乳食
  • 粉タイプ
  • ムース状またはペースト状
  • ウェットフード
  • ふやかしたドライフード

これまで与えていたミルクを半分くらいに減らし、残りは粉ミルクを蜂蜜くらいの固さに練ったものを与えましょう。

食べてくれるようになったら少しずつ離乳食+ミルクに移行していきます。

最初は指につけた離乳食を舐めさせることからはじめます。

固さはドロドロの状態です。

ミルクの量を1〜2週間ほどかけて減らし、5週齢ごろを目安に離乳食のみにしましょう。

1か月半齢:ふやかしたドライフードを与えてみよう

離乳食のみの食事に慣れたら、少しずつふやかしたドライフードに移行していきます。

この時期は、ふやかしたドライフードを食べられるようになるのが目標です。

1日の食事回数は4〜5回を目安にしましょう。

1か月半齢の子猫には離乳食として、これまでに与えていた以下のいずれかの離乳食+ふやかしたドライフードを与えます。

1か月半齢の離乳食
  • ムース状またはペースト状
  • ウェットフード

離乳食とふやかしたドライフードを半々で与えます。

最初からドライフードを与えていた場合は、少しずつ水分量を減らしていきましょう。

離乳食+ふやかしたドライフードをしっかりと食べてくれるようになったらこの段階を卒業します。

2〜3か月齢:離乳食が終わってドライフードのみに

いよいよ離乳食も終わりが見えてきました。

2〜3か月齢を目処に硬いドライフードを食べられるように練習していきましょう。

1日の食事回数は3〜4回です。

最終的には3回を目指します。

2〜3か月齢の離乳食は、これまでに与えていた以下のいずれかの離乳食+ドライフードです。

2〜3か月齢の離乳食
  • ムース状またはペースト状
  • ウェットフード

離乳食にふやかさないドライフードをトッピングしたものを与えます。

硬いままのドライフードが食べられるようなら、少しずつ離乳食を減らしてドライフードの割合を増やしていきます。

離乳食の完了は遅くなっても大丈夫ですから、子猫のペースに合わせて焦らずに進めましょう。

子猫が離乳食を食べてくれない原因と対処法

離乳食をはじめてすぐは、思うように食べてくれないことも多いと思います。

飼い主さんとしては焦りを感じてしまうかもしれませんが、固形物ははじめてなのですから思うように食べてくれなくても当然でしょう。

ここでは子猫が離乳食を食べてくれない原因と対処法について紹介します。

子猫が離乳食を食べない原因

子猫によっては最初からたくさん食べてくれる場合もありますが、まったく食べようとしない子もいます。

子猫が離乳食を食べないときには、それなりの原因があります。

離乳食を食べない原因
  • お腹が空いていない
  • 食べ物として認識していない
  • 熱すぎ、冷たすぎ
  • 食感や味が好みではない
  • 健康上の問題

直前にミルクを飲ませればお腹が空いていないので食べないのは当然ですし、体調が悪いときにも食欲は落ちます。

子猫は体調を崩しやすく、急激に状況が悪化する可能性もありますので、様子を見て早め早めに獣医師に相談することをおすすめします。

元気があるのに離乳食を食べてくれないときには、以下の方法を試してみましょう。

離乳食を上あごに塗り付ける

これまでミルクしか飲んでいなかった子猫は、離乳食を食べ物だと認識しない場合があります。

そのようなときは、離乳食を指につけて舐めさせてみる、口のまわりに塗るという方法を試してみてください。

もし、それでも食べてくれないときは、固めに溶いた粉ミルクや離乳食を上あごに塗り付けて匂いと味を覚えさせます。

最初は嫌がるかもしれませんが、慣れれば食べてくれるようになります。

それでも吐き出して食べてくれない場合は、味や食感が気に入らないのかもしれません。

ふやかしただけのドライフードをあげるなどの工夫をしてみましょう。

ミルクを混ぜる

子猫の中にはミルクが好きすぎて離乳食を食べてくれない子もいます。

大好きなミルクの匂いや味がしないせいで食べないのであれば、離乳食をミルクで溶いたものを与えてみるとよいかもしれません。

最初は食べ物に慣れてもらうことが重要なので、ミルク入りでも食べてさえくれればOKです。

食べることに慣れてきたら少しずつミルクの量を減らして、ミルクなしでも食べられるように練習していきましょう。

熱くないか確認する

離乳食を溶くのに使ったお湯が熱すぎではありませんか?

子猫の食事は人肌より少し温かい37〜38度くらいが適温とされています。

熱すぎるとビタミンなどの熱に弱い栄養素が破壊される原因にもなりますので注意が必要です。

40〜42度くらいのお湯を使うと食べる際にはちょうどいいくらいの温度になります。

反対に、冷たいのも食べない原因になります。

冷めた離乳食は子猫の体温を奪うことにもなりかねません。

子猫が食べやすい温度になるように調整してあげましょう。

違うフードにしてみる

猫は思っているよりもグルメな動物です。

いろいろ試してみたけれども、離乳食を食べてくれないという場合は、味や食感などが気に入らないのかもしれません。

猫にも好みがあって、魚が好きな子もいれば、肉が好きな子もいます。

肉でも鶏はいいけど、牛は嫌いという猫もいます。

食感が気に入らないという場合は、ほかのタイプの離乳食に変える、固さを変えてみるといった方法を試してみましょう。

頻繁に食事を変えるのはおすすめしませんが、味や食感の違うものに変えるだけで、すんなり食べてくれることもあります。

どうしても食べてくれないときは、獣医師に相談することをおすすめします。

子猫に離乳食を与える際の注意点

子猫に離乳食を与える際には、いくつかの注意点があります。

とくに、離乳食を与えてから下痢をしている、食べなくなったというときは注意が必要です。

それでは、離乳食を与える際の注意点を詳しく見ていきましょう。

離乳食を与えたら下痢をしてしまった

離乳食をはじめた途端に下痢をしてしまうこともあります。

子猫はまだまだ消化器官が未熟なため、離乳食が胃腸の負担になってしまった可能性が考えられます。

離乳食の量を減らす、または一度ミルクに戻すことも検討しましょう。

ただし、以下のような場合はすぐにでも動物病院を受診することをおすすめします。

受診が必要な下痢の症状
  • 改善が見られない
  • 便に血が混じる
  • 水様便(水のような下痢)になる
  • それまで大丈夫だったのに突然下痢をした

まったく食べないときは低血糖症に注意

子猫は空腹の時間が長くなると簡単に低血糖状態になります。

何時間おきに食事を与えるかは月齢などによっても異なりますが、離乳期の子猫は半日ほどの絶食でも低血糖症を起こす可能性があります。

もし、以下のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。

低血糖症のおもな症状
  • 元気がない
  • ぐったりする
  • 体が冷たい
  • 痙攣
  • 意識がない

低血糖症は命にもかかわります。

子猫が離乳食に慣れるまでは、ミルクと併用するなどして空腹の時間が長くならないようにしましょう。

離乳期の子猫におやつは与えない

離乳期の子猫におやつは与えないようにしましょう。

離乳期は子猫にとって大きく成長する時期でもあります。

この時期に必要な栄養が摂取できずにいると、発育不全の原因にもなりかねません。

おやつはあくまでも楽しみであり、食事の代用にはならないことを知っておきましょう。

また、嗜好性の高いおやつを与えすぎたために、キャットフードを食べなくなってしまう可能性もあります。

子猫におやつを与えるのは、歯が生えそろい、いろんなものを食べられるようになる生後6か月以降が望ましいでしょう。

まとめ

子猫の離乳食についてお話ししてきましたが、今回紹介したのはあくまでも一例に過ぎません。

離乳食のすすめ方には個体差がありますので、愛猫のペースを尊重してあげるのがいちばんです。

飼い主さんが焦っても食べてくれるようになるわけではありません。

とはいえ、子猫の離乳食については「何時間おきに与えたらいいんだろう」「この与え方でいいんだろうか」など悩みや不安は尽きないと思います。

そんなときは、ひとりで抱え込まずに獣医師に相談しながら進めましょう。

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北村 まほ
保有資格:愛玩動物救命士|猫疾病予防管理士|猫健康管理士|犬猫行動アナリスト|ペット災害危機管理士3級|猫のシニア生活健康アドバイザー|ペットフード/ペットマナー検定 犬猫専門フリーライター。「犬猫のために書く」をモットーに多数のペットメディアで執筆中。