人は1日当たり約350g摂取することを推奨されています。野菜を食べることは健康を維持する上で大切な行為です。
実は肉食と思われる犬も雑食で野菜などを食べることができます、必要に合わせて野菜をたべることによって必要な栄養素を摂取することができます。
結論から言いますと、犬はキャベツを食べることができます!
「キャベツをワンちゃんに食べさせようと思っているけど大丈夫かな?」そんな疑問を持っている方に、犬はキャベツの食べさせ方や注意点を説明いたします。
飼い主も愛犬も野菜を上手に摂取することが大事です。
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹
犬にキャベツを与えてはダメ?
結論を言えば犬にキャベツを食べさせることはできます。
ただしすべての犬にとってOKというわけではありません。良く知られているケースとして甲状腺に持病がある場合です。
その理由として、キャベツにはヨウ素の吸収を邪魔するゴイトロゲンが含まれています。
この物質は簡単に言うと甲状腺を腫れさせてしまう物質を総称したものです。このゴイトロゲンは、様々な食物に入っています。
キャベツの場合は以下の二つです。
- ゴイトリン(甲状腺ホルモンの合成自体を邪魔する物質)
- プロゴイトリン(ゴイトリンに変換され、甲状腺ホルモンの生産を抑制する物質)
そのため、甲状腺に問題がある犬の場合は、弱っている甲状腺を腫れさせてしまったり、腫瘍の原因になることがあるのです。
こう聞くと人も食べない方が良いと考えがちですが、非常に微量な量なので人の身体の大きさや甲状腺に問題のない犬の場合は、キャベツを常識の範囲(キャベツを毎日一玉食べるといった以外)であれば問題ないことがほとんどと言えます。
甲状腺に持病がある小型犬ほど、よりこのゴイトロゲンの影響を受けやすいので、こういった場合はキャベツを与えないようにするのが望ましいと言えます。
ちなみにゴイトロゲンを含む食物として、一般的に食べることが多い食物は、大豆、ピーナッツ、いちご、なし、もも、ほうれん草、たけのこ、さつまいもなどです。これらの食品も甲状腺に問題がある犬は獣医師と相談し、摂取を控えると言ったことが必要です。
また、甲状腺に問題がないからと言って多量に与えてしまうと下痢や嘔吐をしたり、逆に消化管内で詰まって便秘になることがあります。なので、愛犬への与えすぎには注意しましょう。
また、さきほどのゴイトロゲンが心配であれば、ヨウ素が多く入った海藻類などを工夫して食べさせると甲状腺のトラブル予防になるのでおすすめです。
本題に戻りますが、甲状腺に問題がない犬であればキャベツはとても栄養豊富な食材と言えます。
- ビタミンU(胃腸の粘膜を元気にして、消化を促進)
- ビタミンC(犬の疲労回復や発がん物質の抑制が期待できる)
- ビタミンK(犬の大腸内の最近バランスを整える)
- 食物繊維(適度な摂取で犬の便秘を解消
- また特徴的な栄養素としてフィトケミカル(免疫力向上、発がん抑制の作用が期待できる)
以上の栄養素が豊富に含まれているため、適度に食べさせると犬が元気になってくれることが期待できる食材です。
犬にキャベツを食べさせるとしたら?メリットや与え方の注意点を紹介!
愛犬にキャベツを食べさせるとしたら、生でも良いですし加熱するのもオススメです。特にフードプロセッサーで細かく刻んで食べさせることでよく食べてくれるうえに、しっかり消化してくれます。
生でも加熱でも食べてくれるのですが、両方に共通した注意点として芯の部分は少なめにしましょう。この部分は硫酸イオンが含まれており、多少の量であれば問題ないのですが、弱っている犬や老犬の場合はまれに中毒症状を起こすことがあるからです。
そのため部位も芯を少量と葉を多めと言った形で与えるのがオススメです。
そういった点を踏まえて生の場合と加熱した場合のメリットや与え方の注意点を紹介していきますね。
愛犬にキャベツを生で与えるメリット
生で与える場合のメリットは、増量効果、ビタミン類の効率的な摂取と言ったものが挙げられます。生キャベツは体積が大きいのでフードプロセッサーで刻んでも量がおおきくなるのが特徴です。
そのため大食いの犬の場合は、いつもの食事にプラスして与えることで、食事のかさ増しをすることができます。これで愛犬も食事量に満足しやすくなるというのがメリットです。
またビタミンCやビタミンUと言った加熱に弱い栄養素を効率よく摂取できるので、摂取が足りなくなることも多いビタミン類を摂取させることができるのもメリットと言えます。
注意点としては、ざく切りで食べさせると消化不良を起こしやすい事や刻みを細かくする手間があるということです。ある程度カットなどの調理に時間がかかってしまう点に気をつけましょう。
愛犬に加熱したキャベツを与えるメリット
加熱した場合は、柔らかく食べやすい事や実質的な食事量を増やせること、生よりもシュウ酸量を減らせることがメリットです。加熱するとキャベツの水分が抜けて、体積が減ります。
そのため少量食べさせているつもりでも、意外と多くのキャベツを摂取することができるのです。
一部の栄養素は分解されてしまいますが、食の細い愛犬にも栄養たっぷりのキャベツを多めに取らせることができるメリットがあります。
またキャベツに含まれるシュウ酸をゆで汁に出してしまうことができます。
このシュウ酸は結石などの原因になることもあるので、泌尿器が弱めの犬種であれば、加熱することで健康面において大きなメリットです。
注意点は、先ほども触れましたが水溶性のビタミン(ビタミンCやビタミンU)が分解されてしまうことです。どうしてもそれらを摂取させたい場合は他の食品で補うか、シュウ酸のリスクが出ますが、ゆで汁も食事に混ぜることで摂取が可能になります。
犬のためのキャベツのレシピを紹介!
キャベツはいくつかの点を注意すれば、愛犬に食べさせたい食材と言えます。そんなキャベツを愛犬が美味しく、しかも栄養をしっかり抑えた上で食べられるレシピを紹介しましょう。
今回紹介するのは、チャーハンとスープ、そしてロールキャベツです。
チャーハン
- まずキャベツを細かく切って電子レンジで加熱します。
- そしてオリーブオイルを温めたフライパンを温めます。
- そこにキャベツやささみ、炒り卵やご飯を入れて味付けなしで炒めて完成です。
キャベツが脂肪分を吸ってくれるので、効率よく脂質を摂取させることができるのがメリットのレシピと言えます。
スープ
- フードプロセッサーでキャベツやにんじんなどを細かく刻みます。
- 鍋に水とにんじんを入れてしっかり煮込みます。
- その後キャベツを入れて煮込んだら、トマトの水煮を入れてひと煮立ちさせたら完成です。
こちらも味付けはしません。水溶性のビタミンも効率よく摂取できるレシピです。
ロールキャベツ
- キャベツを包める大きさの範囲で小さめに切って下茹でします。
- ボールで鶏ひき肉をこねて片栗粉でつないでタネを作ります。
- キャベツでタネを包みましょう。
- 包んだからようじ(後で必ず抜く)かパスタで止めて水で15~20分煮込み終わると完成です。
こちらも基本的に味付けはしません。ロールキャベツは柔らかくシュウ酸も取り除けるので、老犬でも食べることができるレシピと言えるのではないでしょうか。
このように直接ペットフードなどに刻んだものを入れるのも良いですが、余裕があればこういった手段でキャベツを調理し愛犬に与えてみてはいかがでしょうか。
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