いざというときの備えとして、ペット保険に加入したいと思っている飼い主さんも多いですよね。
ペット保険にはさまざまな商品がありますが、愛するペットにとって最適な保険を選ぶためには「ペット保険の特徴」についてしっかり把握する必要があります。
この記事では、ペット保険の間違った選び方や加入後に後悔している方の口コミ、入ってはいけないペット保険の特徴を紹介します。
今注目されているペット保険2社も紹介するので、ペット保険選びに迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹
ペット保険の間違った選び方
ペット保険を販売している会社は数多くあるため、自分ですべてを比較検討するのは大変に感じるかもしれません。
しかし、「なんとなく良さそうだから」と直感だけで決めてしまうと、入ってはいけないペット保険に加入してしまう可能性もあるため、注意が必要です。
ここでは、ペット保険の間違った選び方として多い3パターンを紹介します。
認知度だけで決める
「大手だから」「よくCMで見かけるから」など、名前を聞いたことがあるという理由だけで、ペット保険に加入するのは良くありません。
知名度があるペット保険は安心感がありますが、よく調べてみたら他のペット保険の方が補償内容が良いということもありえます。
知名度があるペット保険が必ずしも人気というわけではないため、注意しましょう。
書類に目を通さない
ペット保険の加入を検討するときは、必ず保険内容が載った書類(重要事項説明書や約款、契約のしおりなど)に目を通しましょう。
ペット保険にはそれぞれ特徴があり、補償内容も異なります。
つまり、同じ病気・ケガであってもA社とB社では補償される・されないが変わってくるのです。
請求時に「保険が使えなかった!」と慌てずに済むよう、書類は加入前にしっかり読み込んでおきましょう。
保険料等を把握していない
加入時の保険料をはじめ、保険料の値上がりタイミングや頻度を把握しないままにペット保険に加入してしまうと、加入後に後悔する可能性が高くなります。
一般的にペット保険はペットが高齢になるほど保険料が高くなるため、目先の安さだけにつられてはいけません。
そもそもペット保険は、いざというときの金銭的な負担を和らげてくれるもの。
もちろん補償内容は大切ですが、保険料も同じくらい重要なチェックポイントです。
ペット保険は、必ず保険料に関する情報を把握したうえで比較・検討するようにしましょう。
入ってはいけないペット保険【9つの特徴と口コミ】
とはいえ、ペット保険のサイトやパンフレットには専門用語も多く、「読んでもいまいちよく分からない…」という方は多いでしょう。
そこでここからは、ペット保険を選ぶ際に注意したいポイントを9つ解説します。
必ず押さえておきたい部分だけまとめているので、ぜひペット保険を比較する際に役立ててみてくださいね。
特徴①特定の病気に対し保険が適用されない
ペット保険で保障される病気・ケガは商品によって異なりますが、ペットがかかりやすい病気が補償対象外のペット保険は避けたほうが良いでしょう。
個体差はありますが、犬や猫には品種・年齢などによってかかりやすい病気があります。
いざというときの備えにするなら、なるべく補償対象の病気が多く、使いやすいペット保険が理想的です。
なお、ペット保険の補償対象外になりやすい主な疾患は以下の通りです。
※歯周病については後述する「歯科治療もペット保険に含まれる?」で解説
※補償対象のペット保険であっても、すでに発症している病気は対象外
パテラ6、先日遊んでいる時に布団で転倒、一時的な脱臼と思っていました。多分ですがgrade2が2-3の移行期に進行しました。手術となると高額です。ペット保険に入っているんですが、パテラの手術は適応外とのこと。ペット保険に入るときはどんな疾患が適応か把握するのは必須です🐶
— ○ぷー@みろの助 (@mix_maru_dog) March 12, 2022
特徴②終身保険ではない
ほとんどのペット保険は1年契約で毎年更新できますが、保険会社やプランによっては一定の年齢に達すると更新ができないケースもあります。
その場合、病気のリスクが高まる高齢になってから無保険状態となり、治療にかかる費用は全額負担です。
常に安心して治療に専念できるよう、ペット保険は一生涯継続して入れるものを選びましょう。
特徴③保険料が高くなる
新しい枕を買っても迷惑顔😂
— みかん星人╰(*´︶`*)╯♡ (@chiitan920) June 28, 2022
ペット保険からのお知らせきて、めっちゃ値上がりするらしいのだが、2匹ともなるときつい🐶💦
パテラもあるし、これから保険がどんどん必要になると思うし辞めるわけにはいかない。。。#チワワ #多頭飼い #ペット保険 #パテラ #値上がり pic.twitter.com/KEgvFdpb0U
多くのペット保険は、ペットが高齢になるほど更新後の保険料が高くなります。
保険料の変動幅は保険会社によってまちまちで、毎年数百円程度上がるものから、ある一定の年齢で急激に上がるものまでさまざま。
加入時の保険料が安くても、寿命までにかかる合計額を見ると思いのほか高い場合もあるため、高齢時の保険料は必ず確認しておくことが大切です。
特徴④年齢制限がある
CM見れない🥲
— にゃっち (@nyacchi244) August 15, 2022
入れるものならKinKiさん繋がりのこちらを契約したいけどうちの猫さまは18歳🐈年齢制限でもう申し込み出来ない😭
昨年はリンパ腫で抗がん剤治療、入院費や検査費にお薬代などなどすっごいことになったので、まだ保険に入ってない🐶🐱さんはペット保険に加入することをお勧めいたします‼️ https://t.co/qcwmJm8JHq
基本的に、ペット保険には新規加入時の年齢制限があります。
加入可能年齢の上限は保険会社によって異なりますが、8~12歳が多いでしょう。
もしすでにその年齢を超えているペットは、そのペット保険に加入することはできません。
保険会社同士比べてみると、5歳以上の差がついていることもあるため、高齢時はもちろん、初回のペット保険選びでも要チェックです。
特徴⑤待期期間と補償開始日が設定されている
ペット保険によっては、初年度契約に限り「30日程度の待期期間(免責期間)」や「補償開始日」を設定しているものがあります。
待期期間とは、保険に加入してから実際の補償が開始するまでの期間を指し、この間に通院しても保険金はおりません。
そのため、体調を崩しやすい子犬などでは、待期期間と補償開始日が長いペット保険は避けたほうが良いでしょう。
なお、待期期間は基本的に病気に対してのみ設定され、ケガに対する治療費は補償されるケースが一般的です。
特徴⑥免責金額の設定がされている
ペット保険のなかには、保険料を安くする代わりに「免責金額」を設定している場合もあります。
免責金額とは保険利用時に飼い主が自己負担する金額のことで、ペット保険の補償対象外の部分です。
免責金額付きのペット保険は付いていないものに比べて毎月の保険料が安くなるぶん、通院時の負担が増えるため注意が必要です。
■免責金額なしの保険
・受け取れる保険金
10000円×50%=5000円
・自己負担額
10000円-5000円(保険金)=5000円
■免責金額3000円の保険
・受け取れる保険金
(10000円-3000円)×50%=3500円
・自己負担額
3000円(免責金額)+3500=6500円
ペット保険再検討してます。楽○保険だったけど、よくよく見直したら、免責14000円。毎回の診療の度にあるの。まず、そんな高額にはケガ、事故をしない限りいかないわー。 免責あっても良いけど、もっとお値打ちなのを探してます‼️ pic.twitter.com/VKaJNIjmhh
— りりぃ (@lilympt) November 4, 2022
特徴⑦告知義務違反には注意する
告知義務違反とは、現在の健康状態や過去の傷病歴に関して保険会社に事実と異なる告知をしたり、事実を伝えずにいたりすることです。
ペット保険に申し込む際、場合によっては「うちのペットは病気が多いので正直に告知すると加入ができないかも」「今治療中の病気も補償してほしい」などと思ってしまうかもしれません。
しかし、保険会社に対して虚偽報告や隠ぺいを行った場合は契約が解除され、最悪の場合は詐欺罪として罰せられることもあるため、告知義務違反にならないようくれぐれも注意しましょう。
特徴⑧条件を追加される
ペット保険のなかには、病気やケガで保険を利用すると、更新のタイミングで「この病気は今度補償対象外」などの条件を追加されてしまうものもあります。
ペット保険の会社から電話かかって来た、、、このまま治らないようなら次の更新時に保証対象外としますってよ。
— くろねこのジルたそ (@kuronyan_jill) November 14, 2022
次の更新までまだ半年以上あるけど、保険なくなったらしんどすぎる😰
また、完治が難しい病気や継続的な治療が必要な病気の場合は、継続年齢が終身であっても更新自体を拒否するペット保険もあり、なんのために保険に入っているのか分からなくなるケースも。
約款や重要事項説明書は事前によく読みこんでおき、条件追加の可能性があるペット保険はなるべく避けたほうが良いでしょう。
特徴⑨業務停止になる
まれではありますが、ペット保険会社のなかには行政処分を受けて業務停止になるケースもあります。
イチャンソプと関係ないことで
— 토모창섭🍑 (@i_love_peach226) August 26, 2022
…(lll-ω-)チーン
このコロナ禍でペット保険会社がみんなにお金払えず業務停止命令受けて、改善に向けて頑張ります段階から、契約更新および新規契約業務停止命令も下ったそうで……
老犬で保険加入できるとこないぞ……
ちなみに今までの保険金も未払い……
行政処分を受ける理由としては、契約者に対する保険金の支払いが遅延・不可能、決算状況表など運営にかかわる情報の虚偽など。
思わぬ事態によって突然補償がなくならないように、ペット保険は信頼性が高い会社のものを選びましょう。
- 事業規模は大きいか
- 市場フェア率は高いか
- 支払いが滞っているなどの口コミがないか
ペット保険で保証されないものとは?
ペット保険に入っておけば、どんなものでも補償されるわけではありません。
ペット保険によっても異なりますが、一般的に以下のようなケースは保険の補償対象外です。
- ワクチン接種
- フィラリア・ノミダニなどの予防薬
- 美容・病気予防目的の歯科治療
- 健康診断
- 乳歯残存
- 妊娠・出産
- 去勢・避妊手術
- 爪切り・耳掃除・肛門腺絞り
- マイクロチップの挿入
- 先天性疾患
- 予防接種で防げる感染症
- 時間外診療費(夜間救急など)
- 薬用シャンプー・イヤークリーナー
- 保険期間前からかかっていた病気・ケガの治療費
- 故意や過失による傷病、海外、自然災害による傷病など
前提として、予防に関するものや健康体に施すものはペット保険の補償対象外です。
例え病気の診断がついていても、自宅に持ち帰って使う薬用シャンプーやイヤークリーナーなどの医薬品、療法食、サプリメントに保険金は支払われません。
また、診察を伴わず薬だけ処方してもらった場合も補償の対象外になるケースが多いため、よく理解しておきましょう。
注目されているペット保険を紹介
ここまで入ってはいけないペット保険の特徴を解説してきましたが、すべてのペット保険会社を比較・検討するのはかなり時間がかかります。
そこでここでは、上記の特徴に該当しないペット保険のうち、特に注目されているものを2つの保険を紹介します。
ペット&ファミリー
保険名 | ペットアンドファミリーげんきナンバーわんスリム |
保険料(月払い) | 1,360円 |
保険料(年払い) | 13,830円 |
免責金額 | 3,000円 |
更新制限 | なし |
継続可能年齢 | 終身 |
年間補償限度額 | 50万円 |
加入限度年齢 | 7歳11か月 |
特徴 | ・終身保証 ・10歳衣装の保険料変動なし ・0~10歳までの値上がりがゆるやか |
大手企業のT&Dホールディングスが販売するペット&ファミリーげんきナンバーわんスリムは、獣医師の88%が推奨する人気のペット保険です。
※2019年10月VET’SEYE調べ
1日の限度額や支払い回数のどんなときも病気にも対応することができます。
値上がりがとてもゆるやかで10歳以上の保険料が変動がなく、保険料自体も業界の中でとても安い金額に設定されています。
免責金額があるので、普段病院で軽く診てもらう程度のことで保険を使うのはできませんが、大きな病気などに価格を抑えた値段でしっかりと対応できるペット保険です。
ペット保険のFPC
保険名 | フリーペットほけん |
保険料(月払い) | 1590円 |
保険料(年払い) | 1万6950円 |
免責金額 | なし |
更新制限 | なし |
継続可能年齢 | 終身 |
年間補償限度額 | 85万円 |
加入限度年齢 | 8歳11か月 |
特徴 | ・日額と補償回数の制限なし ・0~8歳まで保険料の値上がりは1度だけ (小型犬と猫は保険料の上昇が2回のみ) ・12歳以降は保険料が上がらない |
FPCが販売するフリーペット保険は、入院補償が年3入院まで可能です。
多くのペット保険が「入院は年20日まで」など日数で制限をしているなか、入院回数で上限を決めているのはFPCのペット保険ならでは。
入院から退院まで日数制限がないため、1回の入院が長期化する場合はとても助かるシステムといえるでしょう。
高齢になっても保険料がほとんど変わらないのも、FPCの魅力です。
小型犬と猫は保険料の上昇が2回のみで、0~8歳であれば値上がりは1度だけ。
12歳以降は保険料の変動がないため、他のペット保険に比べて生涯保険料をグッと抑えることができます。
ペット保険に良くある【Q&A】
最後に、ペット保険を選ぶうえで気になる3つの疑問を解説します。
- 歯科治療もペット保険に含まれる?
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口腔内トラブルは比較的多くのペットにみられるため、発症リスクに備えて保険に入っておきたいと考える飼い主さんも多いでしょう。
しかし、歯周病や歯肉炎などの歯科治療を補償するかどうかはペット保険によって異なります。
FPCやPS保険のように「症状があり治療の一環で行うものは補償対象」としている保険会社もありますし、「歯科治療は全般的に補償対象外」としているところもあるため、ペット保険を検討する際は歯科治療がカバーされているか必ず確認しましょう。
なお、乳歯残存など傷病に当たらないものや美容、病気の予防目的で行われる歯石取りなどは「ペット保険で保証されないものとは?」で解説した通り、いずれも補償対象外です。
- エキゾチックアニマルにも適応される?
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多くはありませんが、ハムスターやうさぎ、フェレット、鳥類など犬猫以外の動物(エキゾチックアニマル)に対応できるペット保険もあります。
最近はエキゾチックアニマルの認知度も広がりつつあり、ペット保険のニーズも増えています。
ただし、ペットショップなどで購入するタイミングでしか加入できないものもあるため、加入を検討している場合はあらかじめ保険会社や代理店などに問い合わせておくと安心です。
エキゾチックアニマルの保険に対応している主な保険会社
- アニコム損害保険株式会社
- アイペット損害保険株式会社
- SBIプリズム少額短期保険株式会社
- なぜペット保険ごとに値段が違うのか?
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同じペット保険でも、補償内容や特約、サービス内容が違えば保険料も変わります。
ペット保険は加入者が支払った保険料をもとに運営しているため、手厚い補償を受けるにはそれだけ保険料も高くなります。
また、保険会社の人員や広告費用、オフィスの維持費用などもペット保険の値段に関わりますし、窓口清算できるペット保険はやや割高な保険料に設定されていることが多いでしょう。
上がり幅の差はあれど、年齢が上がるほどペット保険の保険料は高くなるため、加入時はシニア期以降の保険料もよく確認してくださいね。
まとめ
- かかりやすい病気が補償の対象外
- 継続可能年齢に上限がある(終身ではない)
- ペットが高齢になると保険料が急激に高くなる
- 更新時に条件を追加したり更新を拒否したりする
- 保険金の支払い状況に問題があり業務停止の可能性がある
ペット保険は大切な家族に万が一があったときのお守りです。
ぜひ今回紹介した内容を押さえたうえで、心から満足できるペット保険に加入してくださいね!