事情があれば犬猫を捨てるのはあり?なし?アンケート調査の結果「殺処分を選ぶ」「命を甘くみて馬鹿にしている」などの声が・・・

近年、全国の動物愛護センターには多くの犬猫が持ち込まれています。2022年度のデータによると、センターが引き取った数は合計52,793頭。そのうち11,906頭が、残念ながら殺処分されてしまいました。

引っ越しや家族の事情、経済的な理由など、さまざまな背景があるにせよ、なぜこれほど多くの飼い主がペットを手放してしまうのでしょうか?

そこで今回、私たちは事情があれば犬や猫を手放す(捨てる)のは“あり”なのか、“なし”なのかをテーマに、飼い主200名を対象としたアンケート調査を実施しました。

アンケート概要
  • アンケート内容:犬や猫を手放す(捨てる)ことについてのアンケート
  • 調査方法:インターネット調査
  • アンケート対象:全国の犬や猫を飼っている男女 199人
  • 実施日:2025年2月27日から2025年3月5日
目次

事情があれば犬猫を手放す(捨てる)ことは仕方ない?それとも許せない? 衝撃のアンケート結果

Q.引っ越し・お金の問題・家族のアレルギーなどの理由があっても犬や猫を手放すのは・・・?

  • A派: 絶対に許されない
  • B派: そのような事情があれば仕方ない場合もある

以上のアンケートではこのような結果となりました。

この数値を見てあなたはどう感じますか?
  • A派: 絶対に許されない 54.8%
  • B派: そのような事情があれば仕方ない場合もある 45.2%

ややA派が多いですが、おおよそ半分に分かれた結果となりました!

今回のアンケートは、すでに犬や猫を飼っている人を対象にしているため、「手放すのは絶対に許されない」という意見が圧倒的に多いと予想していましたが、結果はなんと半数が「やむを得ない場合もある」と回答! 私の予想を大きく覆す結果となり、とても驚きました。

反対の意見を持つ人に一言伝えるとしたら、どんなことを言いたいですか?というアンケートではそれぞれの主張がぶつかり合う結果に

Q.もしあなたと反対の意見を持つ人に一言伝えるとしたら、どんなことを言いたいですか?

許せない派から仕方がない派へ、仕方がない派から許せない派へどんな意見があるのか、上記のアンケートを行った結果がこちらになります。

A派: 許せない派が怒り爆発!『そんな覚悟なら最初から飼うな』の声も

40代:じゃあどうして飼ったの?と聞きたい。小さくても人間と同じ命だから、一度迎え入れたら最後まで責任を持つ必要がある。

50代:生き物を飼ったのなら、最後まで責任を持ってほしい。責任を持てないならそもそも飼うな

30代:人間都合で手放すなんて絶対にあり得ない。命を甘くみて馬鹿にしているとしか思えません。

30代:動物たちにとって「家族と離れる」ことがどれほどの精神的打撃になるか考えてほしいです。多くの捨てられたペットは環境の変化によるストレスや悲しみを経験し、中には、二度と人間を信頼できなくなる子もいます。

50代:例えば自分が突然病死とかしたら、譲渡などの運びになるのでしょうが、飼う、と言っても一緒に生活をするわけで、家族なんですよ、あなたは家族、お金がないから、飼えないマンションに引っ越すから家族捨てますか?その覚悟がないならはじめから飼うな!と言いたい。

40代:自分勝手に扱えるおもちゃの様に聞こえる愛玩動物と考えるか、子供と同様に考えるかで大きな差が出ると思うけど、自分は子供と同様に考えているから最後まで面倒を見るから、愛玩動物と思って手放す人の考え方だ理解できない。

40代:同じ状況で、自分の子供を手放せるなら。どうぞ。

40代:アレルギーであれば、飼う前に調べることを怠った飼い主の責任、そんな理由で手放すのは無責任です。お金、引っ越しは犬を単なるペットとしか考えておらず無責任です

30代:どんな理由があっても許されないと思います。金銭的な問題やアレルギーなど健康面で問題があるなら最初から飼うべきでは無いと思います。どうしても飼いたいなら、それらを全て事前に解決してから飼うべきです。最初から飼わないという選択がありながらも、飼ってから手放すのは動物を命として扱っていないも同然ではないでしょうか。

40代:自分の子供にも同じ事ができますか。犬も猫も、あなたが受け入れた大切な命であり、あなたの家族です。家族を迎え入れた以上、極論「どんなことをしても」責任を持って最後まで面倒を見る必要がある。

A派: 絶対に許されない派の反対意見まとめ
  • 絶対に許されない
  • 手放す(捨てる)くらいなら最初から飼うな
  • 責任を持て
  • 命を軽く見てる
  • 自分勝手すぎる
  • 飼う前にしっかりと考えてほしい
  • 家族の一員ではないのか?

「引っ越し・お金の問題・家族のアレルギーなどの理由があっても捨てるなんて絶対に許せない」というA派の声からは、「動物を“家族”として迎え入れる以上、最後まで責任を負う覚悟が不可欠」だという強いメッセージが感じられます。

「アレルギーや経済的な問題も、飼う前に考えるべき」「子どもや家族同様に扱えないなら、そもそも飼う資格がない」という意見は非常に厳しいですが、それだけペットの命を軽く見ることに対する怒りが強いからでしょう。

B派: 仕方ない派の本音…『家族の都合 VS ペットの命』

一緒に暮らす前に確認しなかったことは許されませんが、大切な家族(ワンちゃんや猫ちゃん)を手放したくて手放す人はいません

経済的理由やアレルギーなどの理由ならば仕方がない

人それぞれ諸事情があり生活が優先される。捨てるのは別問題として。

もちろん命あるものだから責任を持って最後まで一緒にいるべきだけど手放すことで幸せになる選択肢もあるとは思う

犬も人間も、どちらも不幸な状況になってしまうのであれば手放すこともしょうがない

突然子供がアレルギーを発症、などの場合は仕方ないと思う。ペットより子供の健康をとります。飼ってくれる/引き取ってくれる人を必死に探すつもりだけど、どうしようもなくなったら安楽死を選ぶと思う。悪いのは解っている。

できれば手放すという選択はして欲しくないが、本気で対応策を考えても、どうにもならない事情もなかにはあると思う。(命に関わるようなアレルギーなど)ただその場合は、信頼できる知り合いや親戚に預けるなど、できる限りペットが不幸せにならない環境を整えて欲しいとは思う。

例えば夫婦2人暮らしの時に犬や猫を飼っていて、産まれた子どもがアレルギーを持っていた場合は、手放すことは仕方ないと思う。

家族の一員とみなす人もいるがペットは動物なので、やむを得ない場合がある

転勤で遠方へ引っ越す必要があり、連れていきたくても連れていくことができない

引越し先がどうしてもペットが不可だったらどうしようもないと思う。

B派: そのような事情があれば仕方ない場合もある派の意見まとめ
  • 手放すことでペットが幸せになることもある
  • 経済的な理由なら仕方がない
  • 子どもがアレルギーを発症してしまったら仕方がない
  • 引っ越し先がペット不可なら仕方がない
  • ペットより人が優先される
  • 保護団体などに預けるなど適切な方法であれば手放してもよい

「どんな理由であれ手放すのは無責任」とする意見とは対照的に、B派は“避けられない事情あること”を強調しています。子どもの重度アレルギーや経済破綻、ペット不可物件への転居などのケースです。

なかには「できる限り引き取り先を探す」「保護団体や親戚に預ける」など、犬や猫への負担を最小限にする方法を模索したうえで、それでも難しい場合には「殺処分もやむを得ない」と考える声もありました。

とはいえ、B派の多くも「本来は最後まで責任をもつべき」という大前提を否定しているわけではありません。

ペットと人間の両方が不幸にならないためにどんな選択肢があるのか考えたうえで、“仕方がない”と判断することも時には必要だと捉えているようです。

犬や猫を捨てる人を減らすには? 飼い主アンケートで見えた具体策

Q.犬や猫を手放す行為を防ぐためにどんな対策や制度が必要だと考えますか?

結果は下記のグラフの通りになりました。

犬猫を捨てさせないために…飼い主が考える対策案

飼う為の、審査や、免許が必要かなと思います。

罰則や罰金制度の拡充が手放す行為への対策になると思います。安易に手放そうとする人を少しでも減らして欲しいです。

ペットショップなどから犬や猫を購入する際に経済力や健康状態のチェックを行う必要があると思います。

まず飼い主の意識を高めることが重要だと考えます。具体的には、ペットの飼育に関する教育や啓発活動を強化し、動物を飼う責任についての理解を深めることが必要だと思う

最初から捨てることを考えて飼っている人はいないはずです。手放す行為を防ぐための対策や制度を設けるのではなく、犬や猫の受け入れ体制を強化すべきだと思います。「法律や制度が厳しいから捨てられずしょうがなく飼い続ける」という状態は、もはや動物に対する愛情で飼っているとは言えず、虐待を生む可能性もあるのではないでしょうか。

気軽な気持ちで、犬や猫を飼い始めないことが第一だと思います。そのために、ペットを飼うために、自治体の許可を必要にするなど、簡単に買いはじめられないようにする法整備が必要だと思います。ペット購入の許可を与える際には、安易に手放したりしないことはもちろん、放し飼いや鳴き声などの騒音問題、糞の放置問題など、しっかりと飼い主が責任をもって買えるかどうか判断し、問題ない時だけペットを飼えるようにすべきだと思います。

今回のアンケートでは、「購入前に審査を設ける」「手放す(捨てる)行為自体に罰則を科す」「保護施設の拡充」など、さまざまな対策案が挙がりました。

特に「事前のチェックや説明が重要だ」と感じる人が多く、「飼い主が本当にペットを飼う覚悟や、経済的・環境的な余裕を持っているか」を事前にしっかり確認する仕組みが必要だと考えられています。

結局のところ、犬や猫を手放す悲しい結末を防ぐには、飼い主個人の責任感だけでなく、社会全体で飼育環境を整える仕組みやフォロー体制が欠かせないのかもしれません。

まとめ:アンケート結果を見てあなたはどう思いますか?

ここまでご覧いただき、どうもありがとうございました。

私個人的には、「犬や猫を最後まで責任を持って育て、愛してほしい」と思います。

犬や猫を飼うことは、決して楽しいことばかりではありません。何十年も共に生きるというのはどういうことなのか、飼う前に、もう一度じっくりと考えていただけると嬉しいです。

ぜひ、SNSやコメント欄であなたのご意見やご経験をお聞かせください。あなたの「許せない派や仕方ない派に対する意見」は、多くの人の気づきにつながるかもしれません。

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この記事を書いた人

山本 直弥のアバター 山本 直弥 代表取締役

株式会社アドアニモ代表取締役の山本直弥は、2020年にペットの情報発信サービスを開始し、2022年に同サービスを法人化して株式会社アドアニモを設立。さらに2024年にはDog salon Star seaとの事業統合を果たし、ペット関連事業の領域を拡大している。犬の栄養管理士の資格を有し、Dog salon Star seaではドッグフードアドバイザーやカメラマンとして活躍。ペットの健康や飼い主との豊かな暮らしをサポートする専門家として、事業の発展とサービスの向上に尽力している。

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