「子犬がトイレを失敗する原因は?」
「トイレトレーニングを始めるのはいつから?」
「トイレトレーニングを成功するコツは?」
初めて子犬を飼育してみて、トイレトレーニングに苦労している方は多いのではないでしょうか。トイレを成功させるためには、トイレを失敗する原因を知り、正しい手順でトレーニングすることが大切です。
今回は、子犬のトイレトレーニングの方法を紹介します。トイレを失敗する理由やトイレトレーニングを始める時期についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹
子犬がトイレを失敗する原因とは?
子犬がトイレを失敗する場合には、以下のような5つの原因が考えられます。
それぞれの原因について詳しく解説していきます。
トイレの場所を認識していない・間違えて覚えている
犬はトイレの場所を目ではなく、ニオイで覚えています。
そのため、何度も排泄した場所でないと、トイレと認識できません。飼い主さんがトイレで排泄することを繰り返し教えれば、子犬はトイレの場所を理解するようになるでしょう。
また、トイレ以外の場所での失敗を繰り返すと、トイレの場所を勘違いしたまま覚えることがあります。
とくに子犬が過ごすスペースに、カーペットなどの敷物を敷いている場合は注意が必要です。敷物はトイレシーツの感触と似ているため、トイレと勘違いして失敗する可能性が高くなります。
飼い主に怒られないように隠れてしている
子犬がトイレ以外の場所で排泄をしたときに、怒った経験はありませんか?犬は「排泄をしたら怒られた」と思い込み、飼い主から隠れて排泄をする可能性があります。
犬は、トイレ以外の場所で排泄をしたことを怒られても理解できません。失敗しても怒らずに、淡々と片付けることが大切です。
トイレの環境が悪い
トイレが汚いまたは落ち着かない場所にあるときには、トイレ以外の場所で排泄するケースが多くあります。
犬はきれい好きな性格なので、汚いトイレでは排泄を避けることがほとんどです。とくに柴犬などの日本原産の犬は、汚い場所で排泄をしない傾向が強く、排泄後に必ずトイレシーツを交換しないと、トイレを使わない犬もいます。
また、周りからよくみえる騒がしい場所にトイレを設置している場合、落ち着いて排泄ができず、失敗につながりやすいでしょう。
トイレが小さい
トイレが小さすぎると、犬はできたつもりでも、排泄物がはみ出てしまうことがあります。犬の前足はトイレトレーにのっていても、後ろ足がのっておらず、失敗してしまうケースが多いでしょう。
また、犬には排泄前にニオイを嗅ぎながら周辺を回る習性があります。くるくる回っているうちにトイレから出てしまうことはよくあります。
トイレを促すタイミングが悪い
飼い主が子犬の排泄のタイミングを把握できていないと、失敗につながります。
子犬はトイレの場所を理解していないため、飼い主が連れて行く必要があります。そのため、トイレに連れて行くタイミングが悪いと、排泄を失敗してしまうでしょう。
トイレを覚えてもらうには、成功を増やすことが重要です。成功よりも失敗が多くならないように、トイレのタイミングをしっかり管理しましょう。
子犬のトイレトレーニングを始める時期
子犬のトイレトレーニングは、自宅に迎えたその日から始めます。
子犬が家に慣れてきてからと考えている飼い主さんもいますが、時間が経つほどトイレトレーニングに苦労することになるので、あまりおすすめできません。
子犬が間違った場所をトイレと覚えてしまうと、正しい場所に修正するのに多くの時間がかかります。一度身についた習性を変えることは難しく、トイレトレーニングが長引く結果となるでしょう。
トイレの失敗を習慣化させないためには、子犬が家にきた日からトイレトレーニングをはじめることをおすすめします。
子犬のトイレトレーニングの手順
トイレトレーニングの手順は、以下のとおりです。
- 子犬が排泄しやすいトイレを用意する
- 排泄をするタイミングを把握する
- 子犬をトイレに誘導する
- 成功したらよく褒める
- 子犬が自分でトイレに行って排泄する習慣を付ける
トイレトレーニングは手順をしっかり理解して、子犬がトイレを失敗してしまうのを防ぐことが大切です。
子犬がトイレの成功体験を積み重ねていけるように、今回紹介する手順を参考にしてみてください。
1.子犬が排泄しやすいトイレを用意する
まずは、子犬が排泄しやすいトイレを用意しましょう。
トイレトレーは、犬の体より1.5倍以上大きいものを選ぶことをおすすめします。大きめのトイレトレーを用意すると、排泄するときに後ろ足だけトイレに入っておらず、失敗する可能性が低くなります。
また、子犬を迎えたばかりの頃は、トイレにサークルなどで囲いを設置する必要があります。トイレの囲いは、犬がある程度動けるように、できるだけスペースを確保することもポイントです。
さらに、トイレを設置する場所にも注意が必要です。騒がしい場所や人目につく場所だとトイレを使用せず、失敗につながります。犬が落ち着いて排泄できる場所に設置しましょう。
2.排泄をするタイミングを把握する
トイレトレーニングを成功させるためには、子犬の排泄のタイミングを知っておきましょう。子犬が排泄しやすいタイミングは、以下のとおりです。
- 起床後
- 食事後
- 水を飲んだあと
- 運動中
上記のタイミングにトイレに誘導すると、成功する可能性が高くなります。
上記のタイミング以外にも、ニオイをかぎながら周辺を回り出したら、排泄する場合があります。子犬をしっかり観察して、排泄の仕草を見逃さないようにしましょう。
子犬は成犬よりも、排泄の回数が多いです。1日10回は排泄すると想定してトイレに連れて行くことをおすすめします。
3.子犬をトイレに誘導する
排泄しそうなタイミングで、飼い主が子犬をトイレに連れて行きます。排泄するまで囲いの扉は閉めておきましょう。はじめは子犬を抱っこして、囲いの中に入れる方法がスムーズです。
なかなか排泄をしないときには、10〜15分ほど様子をみましょう。
15分以上経っても排泄しない場合は、一度囲いの扉を開けてみてもよいでしょう。ふたたび排泄しそうな仕草がみられたら、もう一度トイレに連れて行き、様子をみるを繰り返します。
4.成功したらよく褒める
子犬がトイレで排泄できたら、すぐに大げさなくらいよく褒めることがトイレ成功のコツです。褒めるタイミングは、排泄してすぐであればより効果があります。
排泄後から褒めるまでの間が空いてしまうと、子犬は何のことで褒められたか理解できないため、注意しましょう。
子犬を褒めるときには、「いい子」や「グッド」など家族で共通の言葉にしておくことをおすすめします。短く聞き取りやすい言葉にすると、犬が褒められていると理解しやすくなります。
また、トイレの成功を褒めるときには、おやつなどのごほうびを与えるのも効果的です。
5.子犬が自分でトイレに行って排泄する習慣を付ける
最後に、トイレでの成功が増えてきたら、子犬が自発的にトイレに行けるように練習しましょう。始めは排泄をしそうなタイミングで、飼い主がおやつなどを使ってトイレまで誘導します。リードに抵抗がない場合は、リードを付けたまま室内で遊び、排泄のタイミングでリードで誘導することもおすすめします。
自発的にトイレに行けるようになれば、犬が自由に出入りできるように囲いを外します。囲いがない状態でトイレの失敗がなくなれば、トイレトレーニング成功と考えてよいでしょう。
トイレトレーニングを成功させるコツ
トイレトレーニングを成功させるコツは、以下のとおりです。
順番に解説します。
トイレ以外の場所で排泄しても叱らない
トイレ以外の場所で排泄をして叱ると、トレーニングに時間がかかる可能性があります。
犬はトイレの失敗を叱られても、なぜ叱られているのか理解できません。そのため、排泄したこと自体を叱られたと考え、飼い主にみられない場所で排泄するようになる犬もいます。
トイレに失敗したときは、犬に声をかけずに黙って片付けることが大切です。掃除をしている最中に、声をかけたり構ったりすると「失敗すると飼い主が構ってくれる」と勘違いする場合もあるので、注意しましょう。
コマンドを教える
トイレのコマンドを教えると、トイレでの成功率が高くなります。トイレのコマンドとは、「シーシー」や「ワンツーワンツー」など犬にトイレを促す掛け声です。
コマンドを教えるときには、子犬がトイレで排泄している最中に、「ワンツーワンツー」などの声をかけましょう。このとき大きな声でコマンドをいうと、子犬が驚いてしまい、排泄をやめる可能性があります。驚かせないように、小さな声でコマンドをいいましょう。
排泄のタイミングで声がけを続けると、犬がコマンドを理解し「ワンツーしよう」と飼い主が声をかけるだけで、自分からトイレにいけるようになります。
トイレを清潔に保つ
犬はきれい好きなので、汚いトイレでは排泄をしません。そのため、トイレトレーニングを成功させるには、トイレを清潔に保つことが重要です。
犬によっては、トイレシーツが一か所汚れているだけで、排泄をしない場合もあります。トイレシーツの汚れている部分は、こまめに交換することをおすすめします。また、トイレトレーも週に1回程度水洗いすると、愛犬に使いやすいトイレになるでしょう。
失敗した場所は徹底的にそうじする
犬はニオイでトイレの場所を覚えています。そのため、失敗した場所にニオイが残っていると、その場所がトイレだと勘違いしてしまう可能性があります。
トイレ以外の場所で排泄をしたときには、ニオイが残らないように徹底的にそうじしましょう。洗濯できる敷物であれば、洗剤を使って丸洗いします。洗えない布製品に失敗したときには、ペット用の消臭スプレーを使用して掃除するのがポイントです。
排泄を失敗した箇所は、そのまま放置するとニオイがきつくなります。失敗をみつけたらすぐに掃除しましょう。
子犬のトイレトレーニングに関するよくある質問
ここでは、子犬のトイレトレーニングに関するよくある質問を3つ紹介します。
犬を飼育する環境は、家庭によって異なります。そのため、子犬と飼い主に合うトレーニング方法を探すことが大切です。よくある質問を参考に、ぜひ家庭に合ったトレーニング方法を探してみてください。
散歩や庭など外で排泄させる場合はトイレトレーニングの必要はない?
外で排泄させる場合でも、室内でのトイレトレーニングをすることをおすすめします。
散歩や庭などで排泄をさせると、外でトイレをする習慣がつきます。外でトイレをする習慣がある犬は、長時間の留守中でも、室内で排泄を我慢する場合がほとんどです。また、どんなに天気が悪くても外に出なければいけないので、飼い主にとっても負担となるでしょう。
室内で排泄させてから散歩や庭に出るようにすると、犬と飼い主の負担を軽減できます。
共働きの家庭では子犬のトイレトレーニングは難しい?
共働きだと、犬を1日中見守ることができないので、失敗が多くなる可能性があります。そのため、ほかの犬と比べて、トイレの場所を覚えるのに時間がかかります。
共働きでもトイレを成功させたい場合は、できる限り犬をみれる時間を確保してから子犬をお迎えしましょう。お盆休みや年末年始など、長期休みのタイミングがおすすめです。
どうしても時間を確保できない場合は、ペットシッターなどの利用を検討してみてください。
どのくらいの期間でトイレを完璧にマスターできる?
トイレをマスターする期間は、犬によって異なります。早い犬であれば約1週間、少し時間がかかる犬だと約3週間かかるとされています。
1ヶ月以上経つけれどトイレを覚えないときには、トレーニング方法やトイレの環境に問題がある場合がほとんどです。一度、トレーニング方法と環境を見直してみましょう。
まとめ
子犬のトイレトレーニングは、自宅にお迎えしたその日から始めることが大切です。トイレの場所を勘違いしたまま覚えてしまうと、トイレトレーニングに時間がかかるので注意しましょう。
子犬の飼育環境は家庭によって異なります。トイレトレーニングを成功させるには、子犬と飼い主さんに合ったトレーニング方法を探す必要があります。今回紹介したトイレトレーニングの手順を参考に、子犬と飼い主さんに合ったトレーニング方法を探してみてください。