ワンちゃん達は人間の何倍も早く年齢を重ねていきます。
人間齢に換算してみると小型犬の1歳半は人間の約20歳とされ、それ以降は1年で4歳ずつ年を取ると言われています。(大型犬は更にハイスピードです)
赤ちゃんだった愛犬も、あっという間に飼い主さんの年齢を超えていってしまい少し寂しくなってしまいますね。
年齢を重ねると気になってくるのが病気とのお付き合いです。シニア期に入ったワンちゃんは様々な病気のリスクが高まってきます。
肝臓病もその一つで、発症すると長期間の治療が必要となります。
そこで今回はワンちゃんに多い肝臓病の種類やその治療方法についてまとめました!
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹
保有資格:動物看護師認定機構認定動物看護師/愛玩動物飼養管理士2級/全日本ハンドリング検定/全日本トリミング検定/販売士検定3級
日本動物専門学校を卒業後、苅谷動物病院に就職24時間365日診療の現場に身を置き、動物医療を学ぶ。その後地域密着型の個人院に転職し現在動物看護師歴は14年目。
犬の肝臓の役割とは?
肝臓は犬の体において非常に重要な役割を持っています。
心臓から送られた血液は肝臓によって毒素をろ過され、必要なものは全身へと供給されていきます。
不要となった毒素は体外へ排出し、体が毒素でいっぱいにならないよう調整されています。
この分解、運搬の他にも食事から得られる栄養素の分解やビタミン、血液凝固因子の生成など生きていく上で必要不可欠な仕事を担っているのが肝臓という臓器です。
そんな働き者の肝臓ですが、「沈黙の臓器」とも言われおり、よほどダメージを受けていない限り、症状として現れないという性質があります。
肝臓病は症状が現れ、飼い主さんが気付くころには、病気がかなり進行している、といったケースも少なくありません。
犬に特に多い肝臓病
肝臓病を発症し、肝臓が全く機能しなくなる状態を「肝不全」と呼びます。
肝不全まで進行してしまう前に病気に気が付き対処してあげましょう。
ここではワンちゃんに多い肝臓の病気をご紹介します。
肝炎
肝臓が何らかの理由で炎症を起こすことで引き起こされます。
中毒や感染、感電などで起こる急性肝炎。
遺伝的、または原因不明で起こる慢性肝炎の二つがあります。
急性肝炎は症状の原因となっているものを排除することで回復傾向に向かう事も。
慢性肝炎の場合は内服薬等で長期的な治療を行います。
肝硬変
慢性肝炎が進行し肝臓が硬くなってしまった状態です。
肝機能が正常に機能しなくなり体に代謝できなくなった毒素が溜まっていく非常に危険な状態です。
肝硬変まで進行しているとワンちゃんにも重い症状が出ていることがほとんどです。
まずは入院し、点滴や注射薬で治療を行います。
門脈シャント
本来毒素を肝臓に運ぶ役目をする門脈という血管。
そこに余計な血管(シャント血管)がつながっていることで毒素を無毒化する前に全身へ送り出してしまう病気です。
先天的なことが多く、他の肝臓疾患の中ではあまりない子犬期に発症する病気でもあります。
内服薬や療法食で治療を行うほか、シャント血管を無くす外科的な手術で治療を進めることもあります。
肝腫瘍
肝臓に腫瘍ができてしまう病気です。
良性であっても大きくなることで他の臓器を圧迫し、症状が出てくることがあります。
悪性、良性に関わらず手術で腫瘍を取り除くことが第一選択の治療になります。
悪性だった場合には手術後に抗がん剤治療などが行われます。
犬の肝臓が悪くなると見られる症状
肝臓を悪くすると以下のような症状が見られるようになります。
- 食欲、元気の低下
- 嘔吐下痢
- 黄疸(眼球や耳の中、歯茎など)
- 涎(門脈シャントの場合)
- 腹部の張り
上記でもご紹介したように、この症状が見られ始めている段階で既に病気が進行している可能性が高いでしょう。
特に肉眼で確認できるほどの黄疸は危険度が高く、早急な受診をお勧めします。
犬の肝臓をケアする方法は?
食事
できるだけ消化が良く、肝臓に負担がかからないフードを選びましょう。
肝臓病を発症した場合には療法食を勧められることもありますのでかかりつけの獣医師にご相談なさってくださいね。
食事から摂る栄養素も肝臓を通して分解、運搬されていきますので回数を増やし一回の食事量を減らしてあげることで肝臓への負担を減らしてあげることができます。
生活
食後は肝臓が働く時間帯になりますので激しい運動は避けてあげましょう。
お散歩時も息が上がるほどの運動は中止し、ゆっくり時間をかけて歩いてあげると安心です。
肥満は肝臓病の大敵となりますのでおやつは一日のカロリー許容範囲内であげてくださいね!
サプリメント
肝臓の保護やサポートを目的としたサプリメントを使用してもOKです。
成分は様々で、効能も違ってきます。
病状や年齢によって適したサプリメントは異なりますので獣医師と相談の上、無理なく飲めるものを服用しましょう。
定期健診
上記でご紹介した通り肝臓病は症状として現れるまでにどんどん進行してしまいます。
定期検診や春のフィラリア検査時に一緒に検査をして異常値が見つかることが多く、初期段階で見つけることが難しい病気とも言えます。
シニア期に入る7歳前後から1年に1回、10歳以降は半年に1回ペースで定期検診を受けると安心です。
まとめ
いかがでしたか?
肝臓の病気はワンちゃんには珍しくなく、病気とお付き合いしながら元気に生活をしている子もたくさんいらっしゃいます。
もし病気が見つかっても落ち込まず、愛犬にあったケア方法を模索してみてくださいね!
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