人間でも骨折は大けがですよね。
ギブスや松葉杖など治療が長期間にわたることもあるかと思います。
これがワンちゃんとなると更に大変です。
人間のように安静にするということも難しくギブスを嫌がってしまう子も…。
また手術を受けた場合はその後の生活に注意しておかなければ再骨折してしまう事もあります。
そこで今回は犬が骨折してしまった時の対応方法や生活の注意点をまとめてみました!
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹
子犬は骨折に要注意!
ワンちゃんの骨折は子犬期が圧倒的に多く、お家に迎え入れた早々に骨折し大掛かりな手術や長期の通院生活が始まってしまう事も少なくありません。
子犬期は好奇心も旺盛でトレーニングも不十分なため自宅内の危険な場所、遊んではいけない場所を理解できていない子が多いかと思います。
それに加えまだ発育途中で骨が出来上がっておらず、少しの衝撃でも骨折しやすいため注意が必要です。
犬が骨折してしまうのはこんな時!
落下事故
抱っこやソファ、階段など30センチ前後の高さから落下しただけでも骨折する可能性は十分にあります。
元気いっぱいでよく動くワンちゃんは抱っこをすりぬけ腕から飛び出してしまう事も。
また着地できるだろうと少し高い場所から地面に降ろした時に骨折してしまうこともありますので注意しましょう。
転倒
ドッグランで思い切り走っている途中に転倒する、自宅内のフローリングで滑って転んでしまった時に骨折してしまう事もあります。
定期的な爪切りや足裏の被毛カットは転倒予防にもなります!
フローリングにはタイルカーペットを使用して対策を取っておくと安心ですね。
交通事故
車に限らず自転車やバイクと接触した時は骨折や内臓損傷など重篤なダメージを負ってしまいます。手や足はもちろん骨盤や肋骨が折れてしまう事もあり大変危険です。
外傷
他の犬に咬まれた、飼い主さんが踏んでしまった、など外傷による骨折も少なくありません。
体が小さいワンちゃんは特に注意してあげたいですね。
骨折しやすい犬種とは?
どのような犬種でも骨折する可能性はありますが筋肉量が少ない犬種は要注意!
以下の犬種は骨折報告がとても多い犬種になります。
- イタリアングレーハウンド
- ミニチュアピンシャー
- ポメラニアン
- プードル
子犬期に限らず成犬期以降も体に強い衝撃を受けてしまうと骨折してしまうことがあります。
運動や自宅内の家具配置は安全を考慮し慎重に行いましょう。
こんな時は要注意!犬の骨折時の症状
骨折時の特徴的な症状は以下になります。
- 触ると痛がる
- 抱こうとすると怒って咬みつく
- 足を挙げ、地面につくことができない
- 動きたがらない
- 食欲や元気がなくなる
- 排泄が上手にできない
- ケガをした場所が腫れる
強い痛みから起こってしまう子や動けなくなってしまうワンちゃんもいます。
また捻挫でも同様の症状が見られることがありますが、骨折では完全に足を挙げてしまう子が多いのに対し捻挫ではケンケン歩きになる子が多いようです。
どちらの場合であっても獣医師ものと適切な治療を受ける必要がありますので、様子を見ずにすぐに動物病院を受診しましょう。
犬の骨折の治療方法
ギブス固定
骨折部位を包帯で巻き、動かせないようにすることで骨が治癒するのを待つ方法が外固定法(ギブス固定法)です。
メリットは麻酔を使う必要がないこと、費用面を抑える事ができる点ですが反対に治癒まで長期間かかることや定期的な包帯交換が必要な点、包帯を巻きっぱなしにするため皮膚の状態悪化を招きやすい点などはデメリットと言えるでしょう。
骨折の場所や状態によって外固定法は使えないこともあります。また治癒が遅い場合には途中で手術に切り替える事も。
活発なワンちゃんは包帯がずれてしまう、咬みちぎってしまうなどのトラブルも多い上、傷口を保護するためのエリザベスカラーがストレスになるといったこともありますので、固定治療中はできるだけ見守れる環境作りが必要となります。
手術
麻酔をかけプレートやピンを使って骨折部位を直接固定する方法を内固定術といいます。
麻酔のリスクはありますが外固定法より確実に骨折部位にアプローチすることができる点がメリットといえるでしょう。
費用面がかかることや手術、入院治療などワンちゃんの心身に負担がかかることはデメリットかもしれませんね。
なお使用した固定器具によっては数か月後に再度麻酔をかけ器具を取り除く手術を行わなければいけないこともあります。
術前に獣医師に確認を取っておきましょう。
犬の骨折治療にかかる費用
骨折治療にかかる費用相場は手術を受けるか否かでも大きく変わります。
原則治療方法に関わらず、まずはレントゲン検査を行い、骨折部位を特定します。
外固定法では定期的な包帯交換、レントゲン検査が必要となり初診から完治までの費用相場は10~20万円前後になるかと思われます。
また内固定法を行う場合には検査に加え手術費用や入院費用が入ってきます。
プレートやピンを抜く再手術もあるとして総額50~70万円が相場になってきます。
どちらも完治までは数か月かかると考えておきましょう。
なお外科専門病院や大学病院で手術を受ける際は100万円前後かかることもあります。
犬の骨折治療中の生活
骨折の治療中の生活は一層注意が必要です。
せっかく治癒しかけていた骨が少しの衝撃で再骨折してしまう事があるためです。
人間であれば「安静に」の一言で済みますがワンちゃん達はそうもいきません。
治癒の具合を見つつ飼い主さんがコントロールしてあげましょう。
治療開始直後にジャンプしてしまう子や走り回ってしまう子はケージレストといい、ケージやサークル内で動きを制限する方法もあります。
ただでさえ足を固定され生活が不自由になっていますからワンちゃんが受けるストレスにもケアが必要です。
シャンプーは必ず獣医師のゴーサインが出てからになります。
それまではブラッシングを行い毛玉ができないようにしてあげてくださいね。
爪切りや肛門腺などのデイリーケアはサロンさんに事情を伝え行ってもらうか動物病院でお願いしましょう。
犬の骨折を予防するには?
骨折の予防のポイントは環境作りにあります。
自宅内で骨折してしまう子も少なくありませんから今一度見直しをしてみましょう。
段差
ソファや階段など自宅内にある段差をできる限りなくしましょう。
ソファはワンちゃんが使用できる小さなステップを置いてあげるといいですね。
階段をなくすことはできませんが、それならばいっそワンちゃんが一人で階段を上り下りしないよう侵入防止のゲートを付けてしまいましょう。
フローリング
滑りやすいフローリングはマットやカーペットを敷いておくと安心。
ペット用のタイルカーペットであれば汚れてしまってもお洗濯できるので衛生的です。
また定期的に爪切りや足裏の被毛カットを行うことで肉球がしっかり露出し滑りにくくなりますよ!
抱っこの仕方
慣れてくると抱っこの仕方も不安定になりがちですが、両手でしっかり抱き上げる習慣をつけましょう。
子犬のうちはワンちゃんが抱っこに慣れてくるまで座った姿勢で抱っこしてあげてくださいね。
お散歩での注意点
お外で骨折する原因は交通事故が大半です。
物音に驚いて走り出し車や自転車と衝突してしまう子も。
どんなにお利口さんであってもドッグランなどノーリードOKの場所以外では絶対にリードを手放さないよう注意しましょう。
中には飼い主さんの手からリードが抜けてしまった、首輪が抜けてしまった、という報告もあります。
首輪タイプのリードとハーネスタイプのリード、二本を装着するダブルリードが一番安心です。
骨を丈夫にする
骨や関節をケアしたりサポートする成分を摂りましょう。
摂取しても骨折が必ず予防できるわけではありませんが、骨折しやすい犬は関節トラブルも引き起こしてしやすいです。
毎日の食事から骨や関節を丈夫にしていくことで、骨折のリスクを減らしていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
骨折治療は時間も費用もかかりますが予後はいいことが多く、また走り回れるようになる子が沢山いらっしゃいます。
ワンちゃんは勿論のこと飼い主さんにかかる負担も大きいですが完治に向けてしっかり治療を進めていってくださいね。
原材料の産地や製造工場など具体的な情報はどこにもないため、不安要素は残りますが、価格が安いだけに仕方のないことなのかもしれません。
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