愛犬が下痢を繰り返す理由とは?治療や食事管理の方法まとめました

ワンちゃんがお腹を壊してしまう理由は様々です。
ストレスや些細な環境の変化ですらもワンちゃんが下痢を引き起こすには十分な理由となります。

ですが長期間お腹が痛い状態が続いているのを見ているのは飼い主さんもつらいですよね。
またワンちゃんの体が汚れてしまうこともあり自宅でのケアも難しい部分があるかと思います。

そこで今回はワンちゃんが下痢を引き起こす代表的な原因や、その治療、ケア方法についてまとめました!

下痢を引き起こす様々な原因とは

ストレス

お引っ越しや近隣での工事音、来客や季節の変わり目などワンちゃんがストレスを感じる要因は沢山あります。

もちろん個体差がありますが人間同様ストレスに弱く、お腹の健康に直結してしまう子も多いようです。

環境変化があった直後にお腹を下してしまう時はそれが原因かも?

食事

新しい食事に切り替えた直後や添加物が多い食事を長期間摂っていると腸や胃が炎症を起こし嘔吐や下痢が見られます。
またアレルギーがある場合も特定の食材に反応を起こしお腹を壊してしまう事があります。

下痢の治療を行っても改善が乏しい時は食事自体を見直してみましょう。

感染症

パルボウイルス感染症やジステンパーウイルス感染症など感染性の病気では下痢が代表的な症状の一つです。

ワクチンで予防できるものも多いですが、まだワクチンを打ち終わっていない子犬期は特に注意したい時期となります。

寄生虫

回虫やコクシジウム、瓜実条虫などお腹に寄生する寄生虫。
こちらも下痢が症状として現れます。便中に成虫が確認できることも。

誤食

果物の種や消しゴムなど胃や腸管を閉塞させてしまう異物、玉ネギやチョコレートなど中毒を起こしてしまうような危険食材、どちらも誤って食べてしまうと下痢が見られることがあります。何か食べた形跡がないか確認してみましょう。

服用中の薬

ごくまれですが、抗生剤など服用しているお薬が合わず下痢してしまう事があります。
下痢以外に嘔吐が出る事も。

投薬直後に症状が出るときは一度投薬を中止し獣医師に相談してくださいね。

内臓器の病気

膵炎や腸炎、悪性腫瘍など内臓器の病気によって下痢をしてしまうこともあります。
一番初めに下痢をしてからこの要因を突き止めるまでは少し時間がかかってしまうかもしれません。

下痢に対する対症療法だけではあまり反応がなく、精査を進めた段階で発覚するケースが多いかと思います。

原因別の治療方法

ストレス

整腸剤や抗生剤を使用してお腹の細菌バランスを整えます。
それと同時にストレスの原因になっているものを特定し、排除してあげましょう。

お引越しや工事は時間がたつのを待つしかありませんが防音対策を行う、自宅で一緒に過ごす時間を増やす、など出来るケアをしてあげてくださいね。

食事

お腹が敏感なワンちゃんがいきなり食事を変更してしまうとお腹に大きな負担がかかってしまいます。

フードを変更するときは今までの食事を8割、新しい食事を2割の混合フードから開始し1週間から2週間かけて少しずつ新しいフードの割合を増やしていきましょう。

フードの切り替えと同じタイミングでお腹を壊してしまうようであればフードが合わない可能性もありますので新フード、旧フード両方の名前を控え動物病院を受診してくださいね。

アレルギー

特定の食材や、ノミやダニ、予防注射などワンちゃんがアレルギーを起こしてしまう要因は様々です。下痢以外にも嘔吐や皮膚の痒み、顔の腫れが出ることがあります。

新しい食べ物を食べたとき、お外から帰ってきた時、ワクチンを打った後、こういったタイミングで下痢症状を起こしてしまう時はアレルギーかも?

まずはアレルギーを起こしている原因を突き止め、排除することが大切です。
お腹の調子を整える内服薬の他、ステロイドを使用して症状を抑える事も。

ワクチン後のアレルギーは重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックの可能性もありますので様子を見ずに動物病院に連絡しましょう。

感染症

感染症に伴う下痢症状はまず病気そのものの治療が重要です。

抗生剤や免疫をあげるお薬を使って治療を進めていきます。
症状が重い時は入院して点滴治療を行う事も。

感染症自体が完治すれば自然と下痢症状も治まってきますが、子犬やシニア犬は免疫力も体力もあまりないので、エネルギーの消耗を避けるため感染症治療と並行してお腹のお薬を使用し治療していくことが多いでしょう。

寄生虫

寄生虫からくる下痢症状は駆虫とお腹の治療を同時に行います。

一回の駆虫だけでは虫を排除しきれず再発してしまう事もあるので日を開けて2回~便検査で虫が確認できなくなるまで駆虫のお薬を続けます。

駆虫が完了すれば便の状態も改善してきますが、こちらも下痢が続くことで体力を消耗してしまうことがあるため同時に整腸剤や抗菌剤を併用してお腹の調子を整えていきます。

誤食

誤食してしまった場合は吐き出させる処置が可能であればまず吐かせ、それから症状に合わせ適宜治療を進めていきます。

吐かせることができず閉塞があった場合は麻酔下で異物の摘出を行います。
中毒性がある食材を誤食した時は胃や腸を保護するお薬や点滴などの治療が進められます。

異物や毒素が体から消失することで下痢症状も引いてくるかと思いますが、炎症が残りしばらく続くこともあるため注意深く様子を見てあげる必要があります。

内臓器の病気

こちらは病気によって治療方法が異なるので一概には言えませんが基本的には内服薬でダメージを受けている臓器をサポートしつつ、下痢症状を抑えるお腹のお薬を併用し治療を行っていくことになるかと思います。

症状が重い場合には入院、点滴での治療や皮下点滴を行う通院治療が勧められることも。

飼い主さんができるケアとは?

食事

前述した通りフードの切り替えは時間をかけて行います。
また手作り食の場合、初めての食材を使う時はごく少量から始めお腹の調子が悪くならないか確認しましょう。

また粗悪なフードはできる限り避けた方が安心です。
着色料や保存料などパッケージを見て確認する習慣をつけておくとGOOD!目安として1キロあたり千円を切るフードはやや注意が必要です。

アレルギーの疑いがある時は療法食の使用が推奨されることもあります。
一度動物病院でご相談なさってくださいね。

グルーミング

体質的にどうしてもお腹を壊しやすいというワンちゃんもいます。

被毛に便が付着してしまうと皮膚にもあまりよくありませんし、都度綺麗にする飼い主さんも大変ですよね。
お尻周りだけ短めにカットしてもらうととても衛生的です。

またオムツを使用してもOK。
その場合はかぶれてしまわないようこまめに取り換えてあげましょう。

サプリメント

人間ではヨーグルトがお腹の健康に役立ちますが、ワンちゃんに人間用の乳製品はかえってよくないのでワンちゃん用の乳酸菌サプリメントの活用がおススメです。

お腹の細菌バランスを整え便の状態が改善されることも!
動物病院でも取り扱いがありますので相談してみましょう。

動物病院を受診するときは

便検査用に便を持参する

本来ワンちゃんの便中には様々な細菌が常在菌として存在しています。
何らかの要因によってお腹の調子が悪くなっている時はこの細菌バランスが大きく崩れてしまっている状態です。

動物病院で行う便検査ではこの細菌バランスがどうなっているのかを顕微鏡で確認しつつ、虫の虫卵が出ていないかも確認することができます。

動物病院で肛門から直接便を採取することもありますが、自宅でした便を持参すると形状も確認することができ検査もスムーズに進みます。

サランラップやプラスチック容器など水を吸わない材質のもので便を包んで持参するといいでしょう。

便の状態を正確に伝える

便の状態によって呼称が異なります。
いつから、何回くらい、どのようなタイミングで、など正確に伝えましょう。

  • 軟便
    形はあるが柔らかく、取ると跡が残っている
  • 泥状便
    泥のようになっており、つかみ取ることはできない
  • 水様便
    シャバシャバの水状の便。
  • 混血便
    鮮血が混ざっている便のこと。便自体は通常でも鮮血が混ざることがあります。
  • 黒色便
    形状は問わず、黒色の便を指します。
  • 粘膜便
    プルプルとした粘膜が混ざる(または粘膜が主体)の便のこと。
    血液が混ざっていることもあります。

まとめ

いかがでしたか?

ワンちゃんの下痢は珍しい症状ではありませんが、どのような病気でも見られる症状ともいえるので原因の特定まで期間を要してしまうこともあります。

何度も繰り返す、その他の症状も合わせて出る、という時は様子を見ずに動物病院へかかりましょう。

体質的にお腹が弱いワンちゃんは食事や生活環境を整え、上手にお付き合いしていけるようサポートしてあげてくださいね。

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山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹