愛犬がうんちを食べてしまう行動にショックを受けた事がある方は多いのではないでしょうか?
実際に食糞に悩む飼い主さんから「犬は排泄物を汚い、食べられないもの、とわかっていないのですか?」と聞かれたことがあります。
人間では考えられない行動ですからそのような疑問を持つのも当たり前ですよね。
ですがワンちゃん達にとって食糞行動は本能に基づいた自然な行動なんです!
そこで今回はワンちゃん達が食糞をしてしまう原因やその対策方法についてご紹介していきたいと思います!
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹
食糞とは
食糞とはその名の通り、うんちを食べてしまう行動のこと。
自身の排泄物に限らず同居犬や同居猫のうんちを食べてしまう事もあります。
驚いてしまうかもしれませんがワンちゃんではよく見られる行動で問題行動としてお悩みになる方も多くいらっしゃいます。
基本的に自分自身の排泄物を食べる事で体調を壊してしまうようなことはありません。
ですが衛生的ではありませんから食糞をやめるトレーニングを行っていく方がいいでしょう。
食糞してしまう原因
本能的に
野生で生きている動物の中には敵に居場所が見つからないよう排泄物を食べて自身の痕跡を無くすという習性があります。
ワンちゃん達の食糞はその習性の名残りと言われています。
また自分のテリトリー内を清潔に保つという意味もあるようです。
子犬期の習慣
生後間もない子犬は自分で排泄をすることができないため母犬が肛門周囲を舐めて刺激を起こし排泄を促します。母犬はそのまま子犬の排泄物を食べますので子犬たちも自然と真似をするようになります。
また好奇心旺盛な時期ですからなんでも口に入れて遊べるものか、食べられるものか確認しているということもあります。
子犬期の行動としてよくあげられる食糞ですが、通常は成犬になるにつれ見られなくなっていきます。ただ、様々な理由によって成犬期以降も食糞をやめないワンちゃんも一定数いるようです。
消化不良
食事が合っていない、消化機能が落ちているといった場合、フードが十分に消化されないまま便として排出されます。
フードの匂いも残っていますからワンちゃん達がその香りを嗅ぎつけ【食事】として食べてしまっていることがあります。
栄養不足
食事からうまく取れていない栄養素があると、それを補おうと食糞してしまう事があります。
本能的なもので痩せている、毛艶が悪いなど身体的に他の症状が見られることも。
心理的なもの
食糞をしてしまうワンちゃんの中にはお留守番中しかしない、飼い主の前でしかしない、と食糞する状況が決まっている子もいます。
この場合食糞の原因はワンちゃんの心理的な要因からきている可能性があります。
お留守番中であれば暇つぶしやお遊び感覚、飼い主さんの前限定であれば気を引きたい、遊んでほしいといったサインかもしれません。
不調やストレス
今までしなかったのに食糞している、一度はやめられたのにまたしてしまう、という場合は体や心の不調が原因かもしれません。
ストレス行動として食糞をしている場合や消化不良、栄養不足、寄生虫などお腹の不調から食糞へと繋がっていることも。
食糞が原因で心配な病気はある?
前述した通り自身の排泄物を食べる事で病気になってしまうことはありません。
ただし以下のような注意点があげられます。
同居犬、同居猫の排泄物はNG
自分のものではなく同居している他の動物の排泄物を口にしてしまうのは下痢や嘔吐、寄生虫感染の危険があります。
口臭
食糞後はしばらくお口から排泄物の臭いがします。
しみついてしまう事はありませんがせっかくお口のケアなど口臭対策をしていても食糞をしてしまうと気になってしまうことも。
食糞を解決する方法
叱らない
食糞行動に対してのトレーニングでよく見られるNG例が食糞後に強く叱ってしまう事。
叱られたことを構ってくれた、飼い主さんが喜んでくれたと勘違いしてしまう事があります。
またあまりに強く叱られてしまうと排便自体がいけないものだったと思ってしまう事も。
そうすると怒られないように隠す→食糞、と逆に食糞行動がエスカレートしてしまうため叱らないよう意識しておきましょう。
騒がず片付ける
お留守番中にしてしまった時や、目の前でしてしまった時、どちらの場合であっても飼い主さんは特にリアクションすることなく淡々と片付けてしまいましょう。
反応するとワンちゃん達はかえって喜んでしまいます。
大きな声を出したり抱き上げたりするのはNGです。
お散歩や遊ぶ時間を増やす
お散歩や自宅で遊ぶ時間を増やしストレス発散をさせてあげましょう。
お留守番中であれば普段は使わないお留守番用の特別おもちゃを用意しておくのもGOOD!
食事を見直す
今食べている食事が愛犬にあっているものかどうか見直してみてください。
栄養バランスは適しているか、粗悪な成分は入っていないか、などに注目しましょう。
手作り食を与えている場合には一度動物病院で栄養バランスのチェックを受けてみてもいいかもしれませんね。
生活環境を変える
トイレがしにくく上手にできない、汚れている、といったことも食糞につながります。
また自分のテリトリーを汚したくないワンちゃんはハウス内にあるトイレだと食糞してしまう、ということもあります。
ワンちゃんが排泄しやすい位置、かつ居住スペースとは分けて設置してあげるといいかもしれませんね。勿論清潔であるようこまめにお掃除してあげてくださいね。
排泄リズムを把握する
食糞は大前提として食糞前に阻止する【食べさせないトレーニング】がポイントになります。
そのためにも愛犬の排泄リズムを把握しておきましょう。
一般的には起床時、お散歩中、食後が多いかと思います。
食べる前に飼い主さんの元へ
排泄後飼い主さんの元へ呼び寄せる【おいで】の練習をしましょう。
食糞してしまうより、飼い主さんの元へ行くといい事があると覚えてくれたら大成功です。
おやつやおもちゃを上手に使い排泄後飼い主さんの元へ呼び寄せるトレーニングを繰り返し行います。
排泄時に限らず普段からおいでのコマンドを使っておくとよりスムーズに進むでしょう。
専用アイテムを使う
排泄物に振りかけることで苦みや辛みを感じさせる食糞対策用のスプレーが販売されています。
排泄物をまずいもの、と認識させることです億分にストップをかける事ができるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
実は私の愛犬も2歳ごろまでたまに食糞をしては驚かせてくるようなワンちゃんでした。
我が家では食事改善が功を奏しましたが食糞をしている原因は様々ですから色々な可能性を視野に入れ改善に向け頑張っていきましょう。
動物病院に相談してもいいかもしれませんね。
食糞を見かけても冷静に対応することだけは忘れないようにしておきましょう!