ドッグフードの総合栄養食ってなに?その意味と基準を解説します。

ドッグフードを選ぶなら総合栄養食を選択しなさいとネットで見たことがあるでしょう。
ドッグフード選びの一つの理由として総合栄養食と書かれている、または総合栄養食相当のドッグフードを選んだ方がいいですよと私も助言します。

今回は、ドッグフードの総合栄養食としての側面にフォーカスし、総合栄養食とは何なのか、総合栄養食の記載をされるための条件とは、AAFCO(アフコ)やFEDIAFなどの注目のキーワードについての解説も行います。

この記事を読めばきっと犬の総合栄養食としてのドッグフードについて理解が深まるのではないでしょうか。それでは紹介していきましょう。

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犬のドッグフードとしての総合栄養食とは?

総合栄養食とは、「ペットフード公正取引協議会」の定める試験の結果認定されたドッグフードを指します。

このペットフード公正取引協議会は日本国内のペットフードの栄養基準や原材料等の基準を公表している日本の任意団体で、いわば日本におけるドッグフードの基準を決めている組織です。
ペットフード公正取引協議会は日本国内でペットフードに携わる企業72社が参加している団体で、日本のペットフードにおける業界団体といえるでしょう。

ここで定められた総合栄養食は、水と該当するドッグフード(総合栄養食と認められたドッグフード)を摂取するだけで、犬が指定された成長段階における健康を維持できるような、栄養素的にバランスが取れると期待させるドッグフードを意味します。

つまり、メインで食べさせたいドッグフードが総合栄養食のドッグフードなのです。
健康な犬に毎日食べさせたいドッグフードが総合栄養食のドッグフードといえるでしょう。

ちなみに総合栄養食以外にも「間食」や「療養食」、いずれにも該当しない「その他の目的食」に分かれます。

間食とは

間食は、おやつやスナック又はご褒美に犬に食べさせる目的で製造されるドッグフードで、嗜好品的な性格があります。
こういった食品にも間食の表示がされるケースもあり、練り加工品、素材ベース品、ガム、デンタル、菓子類などが該当しているケースがほとんどです。

療養食とは

療養食は、疾病の治療などを行う際に、治療の内容の合わせてフード中の栄養成分の量や比率がコントロールされたドッグフードです。
獣医師の指導のもとで食事管理に使用される目的で製造されています。

その他目的食とは

こういった3つのいずれにも該当しないドッグフードがその他の目的食になります。

  • 副食
  • おかず
  • 栄養補助食(犬用サプリなど)

などが主に該当するドッグフードです。

このようにペットフード公正取引協議会では、犬の食事のベースとなるスタンダードなドッグフードである総合栄養食の他、様々な食品に分類を行っているのです。

総合栄養食と記載される条件を解説

このドッグフードの中心となる総合栄養食は、その記載に条件が設定されています。
その条件とは、ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、総合栄養食の基準を満足している点が挙げられます。

この基準は、後述するAAFCOの基準を採用し、その数値をもとに日本のペットフード公正取引協議会が設定しているのが特徴です。

基本的にAAFCOの数値をクリアしつつ、ペットフード公正取引協議会が分析を行って栄養素の基準を満たしている点が総合栄養食と記載される条件といえるでしょう。

  • タンパク質
  • 脂肪などの最低値
  • ビタミン
  • アミノ酸
  • ミネラル

上記の犬に必要な各栄養素をバランスよくドッグフードに配合し、いずれの数値もAAFCOの設定する数値をクリアしているのが条件です。

この数値をクリアしていれば、ほぼすべての場合ペットフード公正取引協議会の会員企業で、審査をクリアするという条件が更に付き、そのドッグフードは総合栄養食としてパッケージへの記載が可能になります。

AAFCOやFEDIAFとはどんな意味?

AAFCOやFEDIAFとはどのような意味なのでしょうか。
ここでは、この2つの言葉について解説をしていきます。

AAFCOとは?

まず、AAFCOは動物のえさの栄養基準などを決める基準を制定する組織です。
アメリカの組織で、正式名称を米国飼料検査官協会(The Association of American Feed Control Officials)といいます。

犬を飼育している方であれば、一度は耳にした組織ではないでしょうか。
アメリカの組織ではありますが、世界の飼料のスタンダードな基準を設定しているといっても過言ではなく、日本でもドッグフードの基準設定に関して、非常に重視している組織です。

そういった背景からペットフードを見ると「AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準をクリア」といった記載のものをよく見かけます。
ただ、あくまで目安でありAAFCO自身がドッグフードのメーカーの審査を行い、認証や認定を行うケースはありません。

そのため、AAFCOが認めた総合栄養食のドッグフードという食品は存在しないので注意しましょう。
また、あくまで目安を設定しているだけなので、AAFCOの基準をクリアしたからと言って安心できるものではありません。
数字のみをクリアするために原材料にこだわらず、人工添加物を加えて強制的に数字を出しているケースも否定できないためです。

AAFCOは基準を決める組織ではあるものの、安全を保障する組織ではないという点を知っておきましょう。

言い換えれば、ペットフード公正取引協議会の審査が入っているものの、総合栄養食として認められているドッグフードは、そのすべてが完全に安全とは言い切れない場合があります。
もちろん、自主規制で危険性のあるドッグフードを作る可能性は非常に低いですが、こういった弱点があるという点も総合栄養食の基準にはあります。

FEDIAFとは?

一方、FEDIAFも動物、とりわけペットフードに携わる企業が参加する業界団体です。
AAFCOと同様に栄養基準の設定や原材料、表示などフードの安全性についての目安を決めます。

正式名称を欧州ペットフード工業会連合(European Pet Food Industry Federation)といい、ヨーロッパ版AAFCOのイメージに近いかもしれません。

AAFCOと異なる点は、基準を設定するだけでなく加盟企業に対してペットフード製造過程への「HACCP(ハサップ)システム」を義務付けています。

そして定期的に指導を行っている点に注目すべきといえます。
このHACCPシステムとは、食品製造行程中に危害防止につながる重要管理点をリアルタイムで監視・記録していくシステムを指し、人間の食品にも導入されている厳格な仕組みです。

そして、HACCPの根本的な考え方は「最終製品の検査だけに頼らず、すべての工程を通して食品の安全性を確保する」という目標を掲げている事実も注目すべきポイントです。

つまり、欧米産の輸入フードは原産国において十分な安全体制のもと製造されているといえます。
言い方を変えれば、AAFCOの基準をクリアしたものよりもFEDIAFに加盟している企業が製造するドッグフードの方が総合栄養食の面においても信頼性が高い可能性があります。

このように世界的なドッグフードの基準を決めているAAFCOやFEDIAFですが、それぞれ特徴があるといえるでしょう。
今飼育している犬に食べさせているドッグフードはどのような基準をクリアしているのかAAFCOやFEDIAFのどちらかの記載はあるのかといった点に注目してみるのもおすすめです。

参考文献・参考サイト

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山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹