愛犬にトマトを与えても大丈夫?犬種別で分かる食べられる量とは⁉︎

トマトをキッチンで切っていると、愛犬がちょこんともらえるまで動かなかったり、トマトを見ただけで飛びついてきて、ちょうだいアピールが可愛いとついつい「ちょっとだけだよ」とあげたくなってしまいます。

体に良いと言われているトマトですが、果たして愛犬に与えても大丈夫なのか気になるところです。

愛犬の健康のためにも「食べられるのか?」を知ることは万が一の時が起こらないようにするためにも、とても大事!

こちらの記事では、「トマトを愛犬が食べても良いのか?」というお話を詳しくまとめました。

目次

愛犬にトマトを与えても大丈夫なの?

結論から言うと、犬はトマトを食べても大丈夫です。
ですが、与えるにはいくつか注意点があります。

ここで注意点をお話しする前に、まずは簡単にトマトのことについて知っておきましょう。

トマトの詳細

トマトとは、中南米のエクアドルやペルーの高知が原産のナス科の野菜です。
非常に種類が多く、2008年時点では日本で約120種が栽培されています。

トマトには様々な成分が含まれています。

その中でも、リコピンという天然色素カロテノイドが有名です。
効果としては、身体を錆びさせないようにする強力な抗酸化作用があり、老化を予防する作用があります。

他にはβカロテンというこちらも天然カロテノイドで、プロビタミンAの働きによって粘膜や皮膚を健康な状態に維持する効果があります。

色もミニトマトではピンク、赤、黄、黒色など様々ですが、その中で愛犬に与えて良い言われているトマトは、完熟した赤色のトマトです。

逆に未成熟の緑色のトマトは愛犬には与えないで下さい。
殺虫剤としての役割を持つ自然毒のトマチン(アルカロイド配糖体)という成分が含まれているからです。

山本星海

トマチンによって、トマチン中毒になると赤血球が破壊されて、軽い症状なら頭痛・嘔吐・下痢などを引き起こし、重症化すると神経症や低血圧から昏睡状態になって、死に至ることもあります。

ちなみに完熟した緑色のミニトマトだったらどうかというと、赤色の完熟トマトの100倍以上はトマチンを含んでいます。

だからといって「完熟した緑色のミニトマト1個を誤って食べてしまった!どうしよう!!」となっても慌てないで下さい。

トマチンの含有量は未成熟な緑色のトマトの10分の1程度なので、トマチン中毒を必ず発症するとは言い切れません。

トマチンが100%悪い成分なのか?と言ったらそうでもなく、トマチンには実は、LDLコレステロールを下げたりなどの効果があります。

許容範囲を超えて過剰摂取することで、トマチン中毒を引き起こしやすいので、トマトを愛犬に与えるなら適量を守って完熟した赤いトマトにしましょう。

と言っても、赤い完熟したトマトなら何でもOK!というわけではありません。
どの子にどれだけの量のトマトを与えればいいのかも重要になります。

犬種別でトマトを食べても大丈夫な量とは?

「うちの子は中型犬のコーギーと大型犬のレトリバーがいるけど、どっちの仔も同じ量でトマトをあげてもいいの?」というように、体格差で与えてもいい量が変わってくるのでは?と疑問を感じていらっしゃる飼い主さんもいるはずです。

確かに完熟した赤いトマトは食べられますが、人間でも錠剤を飲むときは、例えば大人3錠、子ども2錠と決められているように、大型犬と小型犬がトマトを食べられる適量も犬種別で変わります。

基本的に愛犬に食べさせても良いトマトの摂取量は、1日の食事量の10%以内になります。(トマトとお野菜など含めた食材を合わせて10%以内)。
その前提知識を踏まえた上で、愛犬にトマトを与えてもいい適量を大型犬・中型犬・小型犬・超小型犬・仔犬の場合でそれぞれ見ていきましょう。

大型犬の適量は?

ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなど大型犬の場合、完熟した赤いトマトを与えてもいい摂取量は36g〜78gです。
トマト1個分の重さはおよそ150〜200g弱なので、1個は多すぎると言えます。
ミニトマト1個分の重さはおよそ20gなので多くて3個が適量になります。

中型犬の適量は?

柴犬やビーグルなど中型犬の場合、赤色の完熟したトマトを与えても良い摂取量は13g〜39gほどです。
多くてもミニトマト1個半あたりが丁度良いでしょう。

小型犬の適量は?

トイプードルやミニチュアダックスフンドなど小型犬の場合、トマトを与えても良い摂取量は約7g〜15gです。
ミニトマト1個分を与えるのは多すぎますので、半分に切っておよそ9gのミニトマトを与えるか、小さいサイズおよそ12gを与えると良いでしょう。

超小型犬の適量は?

チワワやトイプードルなど超小型犬のトマトを与えても良い摂取量は、5g〜10gです。
ミニトマト1個分でもおよそ20gなので、ミニトマトの半分かそれ以下になります。

仔犬の適量は?

仔犬の場合は、まだ消化器官機能が未発達により、トマトをうまく消化することができずに嘔吐や下痢をしてしまう場合があります。

大人の超小型犬でもミニトマト半分以下が適量になりますので、子犬には与えない方が良いでしょう。

もしあなたの愛犬が、中型犬のコーギーと大型犬のレトリバーなら、トマトを与える適量は、コーギーにはミニトマト多くて1個半。
レトリバーには多くて3個になるでしょう。

ですが、それはあくまで目安です。
胃が弱い愛犬や体調の良くない愛犬には与える際に注意が必要になります。
愛犬の適量を見極めながら与えていただいた方が賢明です。

ただし、ブタクサやシラカバ、スギなどのアトピー症状がある愛犬は、交差性アレルギー反応を引き起こす場合がありますので、控えましょう。
※交差反応アレルゲンとは、ブタクサやスギなどの花粉症の人間がトマトを食べるとアレルゲンレベルを上げてしまう可能性があることと同じ。

例えばブタクサのアトピーを持つ愛犬の場合は、バナナやリンゴが交差性のあるアレルギーとなり、アレルゲンレベルを上げてしまう可能性が高くなります。

山本星海

交差反応アレルゲンを引き起こすと、皮膚の激しい痒みなどの症状が出やすいです。

赤い完熟したトマトでそれぞれ犬種によって与えても良い適量があることを知りましたが、調理方法も大切です。

トマトはそのまま与えても大丈夫なの?

愛犬にはトマトを生で与えても大丈夫です。
ただ、皮は消化に良くないので剥いであげたり、リコピンなどの栄養素を吸収しやすくなるなどの利点を考えると、加熱した方がおすすめです。

ちなみに種はそのままで大丈夫です。炒めてたり、トマトスープにするなど加熱をしてペースト状にしたり食べやすくしてあげるといいでしょう。

ここで注意すべきは、トマトの実の部分だけを与えることです。
トマトの葉や茎や花にはトマチンが含まれており、未成熟な緑のトマトの200倍近くになりますので、絶対に与えてはいけません。

トマトを与えるときは、完熟した赤いトマトのヘタを取り除いて、皮を剥いでから炒めたり、茹でたりするなど加熱をしましょう

市販の加工されたトマトは与えてもいいの?

トマトはジュースやケチャップだったり、市販で加工されているものがあります。
そのようなものは、愛犬に与えてもいいのか気になりますよね。
こちらもそれぞれご説明いたします。

トマトジュースを与えても大丈夫なの?

トマトは基本食べられますが、トマトジュースの場合は愛犬に与えない方が安心と言えます。
なぜかというと、トマトジュースの中にはたくさんの添加物が全ての商品とは言いませんが、入っています。

「無塩・無添加のトマトジュースなら大丈夫なんじゃないの?」と思う方がいらっしゃると思いますが、
食塩などの添加が全体の5%以下なら100%と記載をしても問題ないとされています。

このことから、多少添加物が含まれている可能性があるのかどうか私たちが知る範囲を超えています。
なるべくトマトジュースは与えない方がいいでしょう。

トマトケチャップは愛犬に与えてもいいの?

トマトケチャップは愛犬に与えてはいけません。
なぜなら、トマトケチャップの原材料の中には玉ねぎが含まれているからです。

犬にとってネギ類は中毒を起こす危険な食材です。
誤ってトマトケチャップを舐めても、すぐに中毒症状を引き起こすというわけではありませんが、絶対に大丈夫とは言えません。

他にも、香辛料など愛犬にとって不必要なものばかり入っていますので、トマトケチャップを愛犬に与えないのが賢明です。

まとめ

  • 愛犬に与えるなら完熟した赤いトマト。
  • 大型犬はミニトマト3個、中型犬はミニトマト1個半、小型犬は半分か小さめのミニトマト12g、超小型犬は半分かそれ以下、仔犬は与えない。
  • トマトはそのまま与えるより加熱。ペースト状にするとなお良い。(ただし、胃が弱い愛犬や体調不良の愛犬など個別で様子を見ながら与える)
  • 市販の加工されたトマトを含む商品は基本、与えない方がいい。

人間にとって体に良くても、愛犬にとっては中毒を起こすものが含まれていることもありますので、
トマト以外にも何か愛犬に与える場合は注意が必要
です。

トマト大好きな愛犬がトマトを食べて喜んでいる姿は本当に可愛いものです。
こちらの記事をご覧頂くことで、少しでも愛犬との幸せな時間を過ごせられるように願っています。

原材料の産地や製造工場など具体的な情報はどこにもないため、不安要素は残りますが、価格が安いだけに仕方のないことなのかもしれません。

この記事を書いた人

山本 星海のアバター 山本 星海 Dog salon Star sea オーナー

この記事を書いた人

保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海

JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹

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