愛犬が便(うんち)を食べてしまう行動にショックを受けた事がある方は多いのではないでしょうか?
犬が便を食べることを「食糞」といい、愛犬が毎回食糞をしてしまうことに悩んでいる飼い主さんはたくさんいます。
「本当にやめてほしい!」と思っていても、食糞行動は本能に基づいた自然な行動なので、なかなかやめさせることは難しいでしょう。
ここでは、愛犬が食糞をしてしまう原因やその対策方法について紹介していきたいと思います!
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹
愛犬が食糞してしまう原因はなに?
犬の祖先であるオオカミは敵に居場所が見つからないよう排泄物を食べて自身の痕跡を無くすという習性がありました。犬の食糞はその習性の名残りと言われています。
しかし、多くの犬は食糞をしません。食糞には様々な原因があると考えられています。
子犬期の習慣
生後間もない子犬は自分で排泄をすることができないため、母犬が肛門周囲を舐めて刺激を起こし排泄を促します。母犬はそのまま子犬の排泄物を食べますので、子犬たちも自然と真似をするようになるのです。
また、好奇心旺盛な時期なため、なんでも口に入れて遊べるものか、食べられるものか確認しているということもあります。
子犬期の行動としてよくあげられる食糞ですが、通常は成犬になるにつれ見られなくなっていきます。小型犬だと生後9∼10ヶ月、超大型犬だと15ヶ月頃までに成犬となるので、そこを目安に様子をみてください。
ただ、様々な理由によって成犬期以降も食糞をやめない犬も一定数いるようです。
消化不良
食事が合っていない、消化機能が落ちているといった場合、フードが十分に消化されないまま便として排出されます。
便にフードの匂いも残っているため、その香りを嗅ぎつけ「食事」として食べてしまっていることがあります。
食事が足りていない、栄養不足
食事量が足りていない場合や食事からうまく取れていない栄養素があると、それを補おうと食糞してしまう事があります。
痩せている、毛艶が悪いなど身体的に他の症状が見られることも。
心理的なもの
食糞をしてしまう犬の中にはお留守番中しかしない、飼い主の前でしかしない、と食糞する状況が決まっている子もいます。
この場合の食糞の原因は、犬の心理的な要因からきている可能性があります。
お留守番中であれば暇つぶしやお遊び感覚、飼い主さんの前限定であれば気を引きたい、遊んでほしいといったサインかもしれません。
不調やストレス
今までしなかったのに食糞している、一度はやめられたのにまたしてしまう、という場合は体や心の不調が原因かもしれません。
ストレス行動として食糞をしている場合や消化不良、栄養不足、寄生虫などお腹の不調から食糞へと繋がっていることも。
愛犬の食糞の解決方法を解説!
基本的に自分自身の排泄物を食べる事で体調を壊してしまうようことはないため、焦りは禁物です。
早く食糞をやめさせたいと思うかもしれませんが、しっかりやめさせるためにも解決法を一つずつ試していきましょう。
叱らない
食糞行動に対してのトレーニングでよく見られるNG例が食糞後に強く叱ってしまう事。
愛犬が叱られたことを構ってくれた、飼い主さんが喜んでくれたと勘違いしてしまう事があります。
また、あまりに強く叱られてしまうと排便自体がいけないものだったと思ってしまう事も。
そうすると、怒られないように隠すために食糞、と逆に食糞行動がエスカレートしてしまうため叱らないよう意識しておきましょう。
騒がず片付ける
お留守番中にしてしまった時や、目の前でしてしまった時、どちらの場合であっても飼い主さんは特にリアクションすることなく淡々と片付けてしまいましょう。
反応すると愛犬はかえって喜んでしまいます。大きな声を出したり抱き上げたりするのもやめましょう。
お散歩や遊ぶ時間を増やす
ストレスで食糞をしてしまう場合には、お散歩や自宅で遊ぶ時間を増やしストレス発散をさせてあげましょう。
お留守番中であれば、普段は使わないお留守番用の特別おもちゃを用意してみてください。
食事内容や食事量を見直す
今食べている食事が愛犬に合っているか、食事量は適切かどうか見直してみてください。
栄養バランスは適しているか、粗悪な成分は入っていないかも注目しましょう。
手作り食を与えている場合は、栄養が不足してる可能性が高いため、栄養バランスが摂れた総合栄養食へ切り替えてみてください。
手づくり食じゃないと食べない場合は、ココグルメやぺトコトフーズがおすすめです!
生活環境を変える
トイレが上手にできない、汚れているといったことも食糞につながります。
また、自分のテリトリーを汚したくない犬はハウス内にあるトイレだと食糞してしまうということもあります。
愛犬が排泄しやすい位置、かつ居住スペースとは分けて設置してあげるといいかもしれませんね。もちろん清潔であるようこまめにお掃除してあげてくださいね。
排泄リズムを把握する
食糞は大前提として、食糞前に阻止する「食べさせないトレーニング」がポイントになります。
そのためにも愛犬の排泄リズムを把握しておきましょう。
一般的には起床時、お散歩中、食後が多いかと思いますので、事前に防げるように愛犬を観察しておくといいでしょう。
排泄物を食べる前に飼い主さんの元へ
排泄後、飼い主さんの元へ呼び寄せる「おいで」の練習をしましょう。
食糞してしまうより、飼い主さんの元へ行くといい事があると覚えてくれたら大成功です。
おやつやおもちゃを上手に使い、排泄後飼い主さんの元へ呼び寄せるトレーニングを繰り返し行います。
排泄時に限らず普段からおいでのコマンドを使っておくとよりスムーズに進むでしょう。
食糞専用アイテムを使う
排泄物に振りかけることで苦みや辛みを感じさせる食糞対策用のスプレーが販売されています。
排泄物をまずいもの、と認識させることでストップをかけることができるかもしれません。
食糞が原因で心配な病気はある?
前述した通り自身の排泄物を食べる事で病気になってしまうことはありません。
ただし以下のような注意点があげられます。
同居犬、同居猫の排泄物はNG
自分のものではなく同居している他の動物の排泄物を口にしてしまうのは下痢や嘔吐、寄生虫感染の危険があります。
口臭
食糞後はしばらくお口から排泄物の臭いがします。
しみついてしまう事はありませんがせっかくお口のケアなど口臭対策をしていても食糞をしてしまうと気になってしまうこともあるでしょう。
まとめ
実は私の愛犬も2歳ごろまで、たまに食糞をしては驚かせてくるような子でした。
我が家では食事改善が功を奏しましたが、食糞をしている原因は様々なので、色々な可能性を視野に入れ改善に向け頑張っていきましょう。
あまりに食糞が治らない場合は、病気が隠れている可能性も否定できないので動物病院に相談してもいいかもしれませんね。
食糞を見かけても冷静に対応することだけは忘れないようにしておきましょう!