犬を飼っている方なら、一度は「ロイヤルカナン」や「ヒルズ」という名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
どちらもラインナップがとても豊富で、動物病院でもよく推奨されるペットフードブランドです。
そんな中「結局、うちの子にはどっちがいいの?」と迷ってしまう飼い主さんも多いはず。
そこで今回、犬の管理栄養士マスターである私が、ロイヤルカナンとヒルズの原材料や成分、安全性、そして気になるコストまでを徹底比較!
プロの視点から、どちらがよりおすすめのフードなのかを詳しく解説します。
今回は比較を分かりやすくするため、それぞれのブランドから条件が近い2つの製品をピックアップしました。
比較対象とするのは、ロイヤルカナンの「ミニ アダルト(小型犬専用 成犬用)」と、ヒルズの「サイエンス・ダイエット 小型犬用(アダルト 1~6歳 成犬用 チキン)」です。

Dog salon Star seaの専属ライターです!10歳になるチワックスと仲良く暮らしています。取得した知識を活かしワンちゃんに関する記事を執筆していきます!
保有資格:犬の管理栄養士、犬の管理栄養士アドバンス、犬の管理栄養士マスター

まずは知っておこう!ロイヤルカナンとヒルズの特徴について

ロイヤルカナンとヒルズを比較する上で、まず知っておいていただきたいのが「それぞれのメーカーが大切にしているこだわり」いわゆる”特徴”です。
どんなに有名なメーカーでも、フードを作る際に「どこを一番の強みにしているか」はそれぞれ違います。
ここを理解すると、愛犬にどちらが合うかが見えやすくなるでしょう。
ここでは、それぞれの特徴をギュッと凝縮して、分かりやすく解説していきますね。
ロイヤルカナンの特徴
ロイヤルカナンは、世界的に有名で、獣医師からも絶大な信頼を寄せられているペットフードブランドです。
強みは、特定の犬種に特化した「ブリード ヘルス ニュートリション」シリーズ。
犬種ごとに異なる顎の形や食べ方、栄養バランスを徹底的に研究し、その子にとって「最適」な粒の形状と成分を配合しています。
また、ロイヤルカナンが何より重視しているのが「栄養バランスの精密さ」です。
長年の研究と科学的根拠に基づき、専門家と協力して開発されたレシピは、まさに努力の結晶といえます。
さらに、療法食のパイオニアとしても知られており、病気のケアを目的とした「食事療法食」のラインナップがとても充実しているのも大きな特徴です。
寺田紗千実際に日本の多くの動物病院でメインに扱われているのはロイヤルカナンであり、獣医師から勧められるフードのほとんどと言っても過言ではありません。
ヒルズの特徴
1939年に世界初の療法食を世に送り出したヒルズは、深い歴史を持つペットフードブランドです。
その一貫したこだわりは、科学的根拠に基づいたフード作り。
多数の専門家が在籍し、緻密な研究データをもとに製品を設計している点が、多くの飼い主さんから信頼される理由でしょう。
ラインナップの中でも、特にダイエット・体重管理の分野のフードでは高い定評があります。
ロイヤルカナンよりかは取り扱いが少ないですが、ヒルズも多くの動物病院で推奨されているフードになります。
ロイヤルカナンとヒルズの共通点はココ!
どちらも日本の動物病院で最も普及しているドッグフードです。
特に療法食が必要な際、まずこの2大ブランドを勧められることが多いでしょう。
共通点として、どちらも自社工場での生産にこだわっている点が挙げられます。
外部委託をせず、ロイヤルカナン・ヒルズそれぞれの厳しい検査基準のもとで製造されています。
また、一部の製品では原材料の質や食いつきの良さを追求しつつ、何より「正確な栄養バランスを届けること」を最優先に設計されています。
ライフステージや健康状態に合わせたラインナップもとても豊富で、愛犬のニーズにぴったりのフードを見つけやすいのが特徴です。
ロイヤルカナンとヒルズの原材料の違いを比較!

それでは、ここからはロイヤルカナンとヒルズの「原材料の違い」を詳しく見ていきましょう。
比較しやすいように、記事の冒頭で挙げた2つの製品、ロイヤルカナンの「ミニ アダルト」と、ヒルズの「サイエンス・ダイエット 小型犬用(成犬用)」の原材料を並べて比較していきます。
ロイヤルカナンの原材料について
肉類(鶏、七面鳥、ダック)、小麦粉、コーン、動物性油脂、コーンフラワー、大麦、小麦、加水分解タンパク(鶏、七面鳥、魚)、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、コーングルテン、ビートパルプ、大豆油、酵母および酵母エキス、フラクトオリゴ糖、魚油(オメガ3系不飽和脂肪酸〔EPA+DHA〕源)、藻類油(EPA+DHA源)、アミノ酸類(DL-メチオニン)、ポリリン酸ナトリウム、ミネラル類(Cl、Ca、Na、K、P、Zn、Mn、Fe、Se、Cu、I)、ビタミン類(コリン、E、C、B12、B1、ビオチン、A、B6、B2、葉酸、パントテン酸カルシウム、D3、ナイアシン)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)
主原料には鶏、七面鳥、ダックといった肉類が使用されています。
単に「家禽(かきん)」とまとめず、具体的な種類が明記されている点に誠実さを感じますね。
一方で、原材料の並びを見ると少し気になる点もあります。
まず、アレルゲンになりやすい小麦やコーンが上位を占めていること。
そして、4番目に記載されている「動物性油脂」の含有量の多さです。
さらに、この油脂が「何の動物のものか」まで特定されていると、より安心感が増すのですが、そこは不明なままです。
また、コーングルテンやビートパルプといった、いわゆる「かさ増し」に近い安価な原材料が目立つのも少し気になりました。
健康サポート成分としてフラクトオリゴ糖や魚油が配合されており、酸化防止剤も天然由来ですが、保存料に人工添加物である「ソルビン酸カリウム」が使われている点は、好みが分かれるポイントになりそうです。
ヒルズの原材料について
トリ肉(チキン、ターキー)、トウモロコシ、小麦、米、動物性油脂、トリ肉エキス、植物性油脂、亜麻仁、ポークエキス、トマト、柑橘類、ホウレンソウ、ミネラル類(ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
主原料にはチキンとターキーという鶏肉がしっかり使われています。
続いてトウモロコシ、小麦、米といった穀類が並び、5番目には動物性油脂が含まれていますが、この油脂の具体的な種類が明記されていない点は少し気になりますね。
健康面をサポートする成分としては、オメガ3脂肪酸が豊富な「亜麻仁」が配合されているのが魅力です。
また、トマトやホウレン草といった野菜も微量ながら取り入れられています。
ただ、柑橘類が「類」とひと括りにされている点は、アレルギーなどを気にする飼い主さんにとっては少し気になるところかもしれません。
一方で、酸化防止剤には天然由来の成分が使われており、保存料も一切不使用という点は、安心感につながる大きなメリットと言えそうです。
ロイヤルカナンとヒルズの原材料の違いまとめ
それぞれを比べると、主原料に鳥肉を使い、次に穀類や動物性油脂が続くという全体的な構成はよく似ています。
細かな違いを挙げると、ロイヤルカナンはタンパク質を消化しやすく加工するなど、より「消化吸収率の高さ」を追求している印象です。
その一方で、野菜類の使用はほとんどなく、保存料(ソルビン酸K)を使用することで長期保存の安定を優先した設計になっています。
ヒルズは、肉類は2種類に絞られていますが、野菜が配合されているのが特徴です。
酸化防止剤も天然成分のみで、どちらかといえば「ナチュラル志向」な構成と言えるでしょう。
どちらも「動物性油脂」といった曖昧な表記や、アレルゲンになりやすい小麦が多めな点は共通していますが、主原料は犬が消化しやすい動物性タンパク質です。
主にアレルギーの心配がない子であれば、どちらも安心して選択肢に入れられるフードだと思います。
ロイヤルカナンとヒルズの成分の違いについて比較!

では次に、ロイヤルカナンとヒルズが何よりもチカラを入れている「栄養面」についてみていきましょう。
ロイヤルカナンの成分について
| 成分 | 成分値 |
|---|---|
| タンパク質 | 25.0 %以上 |
| 脂質 | 14.0 %以上 |
| 粗繊維 | 2.4 %以下 |
| 灰分 | 7.0 %以下 |
| 水分 | 10.5 %以下 |
| 食物繊維 | 7.0 % |
| ビタミン/A | 19,400IU |
| ビタミン/D3 | 1,000IU |
| ビタミン/E | 510mg |
| カロリー | 393 kcal/100g |
タンパク質はやや高めで、脂質もしっかりと含まれている設計です。
その分カロリーも高いため、給餌量を厳密に守らないと、あっという間に体重が増えてしまう可能性があるでしょう。
成分表示で「粗繊維」は低めですが、「食物繊維」として7%という数値が記載されている点に注目。
これは、お腹の環境を整える「水溶性食物繊維」がしっかりと配合されている証拠と言えますね。
また、ビタミン類については3種類がピックアップして記載されており、特定の栄養バランスを強調した設計になっていることがわかります。
ヒルズの成分について
| 成分 | 成分値 |
|---|---|
| タンパク質 | 21.0%以上 |
| 脂質 | 13.0%以上 |
| 粗繊維 | 3.0%以下 |
| 灰分 | 6.5 %以下 |
| 水分 | 10.0 %以下 |
| カルシウム | 0.89% |
| グルコサミン | 553㎎/kg |
| コンドロイチン硫酸 | 882㎎/kg |
| オメガ3脂肪酸 | 0.58%/kg |
| オメガ6脂肪酸 | 3.80%/kg |
| ビタミンE | 750IU/kg |
| ビタミンC | 114㎎/kg |
| ビタミンD | 814IU/kg |
| カロリー | 372kcal/100g/kg |
タンパク質は控えめ、脂質は平均的ですが、カロリーはやや高めの設計です。
ただ、カロリーの高さに対してタンパク質量が少し物足りない印象を受けました。
グルコサミンやコンドロイチン、オメガ脂肪酸などの数値が明記されている点はとても評価できます。
欲を言えば、カルシウム値だけでなくリン値の記載も欲しかったところです。
健康維持には「カルシウムとリンを1:2の適切な比率」で摂取することが大切なため、そのバランスまで確認できれば理想的でした。
とはいえ、これだけ詳細に数値を公開している姿勢には、メーカーへの誠実さが感じられ好感が持てます。
ロイヤルカナンとヒルズの成分のまとめ
どちらも小型犬向けということで、必要なエネルギーを効率よく満たせるよう、比較的高カロリーな設計になっています。
小型犬は体が小さいぶん代謝率が高いため、この設計自体は理にかなっているのです。
ただ、日本で暮らす小型犬の多くは室内で過ごす時間が長く、どうしても運動不足から肥満になりやすい傾向があります。
そのため、この高いカロリー設定がすべての子に合うどうかは、正直なところ判断が分かれるでしょう。
成分表示に目を向けると、ロイヤルカナンやヒルズはビタミン量などを「IU」や「mg」といった単位で詳細に記載しています。「IUは効き目」「mgは重さ」という違いがあるため、単純に数字の大きさだけで比較するのは禁物ですが、ここまで正確な数値を公開している点は、メーカーとしての自信の表れと見ていいでしょう。
結論として、今回比較した種類に限っていえば、活発で運動量が多い子にはロイヤルカナン、室内でゆったり過ごす子にはヒルズ、といった使い分けが適しているかもしれません。
ロイヤルカナンとヒルズの安全性について比較!

※上の画像の工場は参考になります。
- 世界中どの工場においても同じ規格が採用され、同じ品質基準のもと製造している
- 厳しい審査をパスした業者からしか原材料を買わない
- 原材料のサンプルを異なる箇所から採集し分析テストを行い、厳しい検査工程を経て、各原材料は工場内に搬入している
- すべての製品に空気制御システムを採用し、金属探知を実施している
- 日本の商品は横浜センター(ISO9001とISO22000の認証取得した工場は独自の基準を設ける)で製品製造の最終工程している
- 厳しい審査をパスした業者からしか原材料を買わない
- すべての製造施設を対象に年に1度、品質システム監査を実施している
- 現行の適正製造規範(cGMP)を順守(人間の食品レベル)、独自の高い品質基準を満たしてる
- 出荷直前に「最終確認」を欠かさない
ロイヤルカナンとヒルズは、共に「認定業者からの原材料調達」と「独自の厳しい品質基準」を徹底しており、世界各地の工場でその品質を均一に保っています。
ロイヤルカナンは、ヒルズに比べて公式サイトでも品質管理の詳細が細かく公開されており、安心感が大きいと言えます。
特に、日本へ届いたロイヤルカナン製品は国内の横浜センターで最終的なパッキングと検品が行われます。
私たちの手元に届く直前に「日本の目」で最終確認がなされている点は、大きな信頼材料と言えるでしょう。
とはいえヒルズも、人間の食品レベルの製造規範である「cGMP」を順守し、出荷直前の最終確認を欠かさない管理体制を築いています。
どちらもレベルの高い安全性を誇りますが、細部までこだわり抜いたプレミアムフードと比較すると、人によってはまだ安全性に物足りなさを感じる部分があるかもしれません
寺田紗千しかし、長年の研究実績と厳格な工程管理に基づいたその信頼は、やはり大手ブランドならではの強みです。
ロイヤルカナンとヒルズのコストの違いについて比較!

原材料や安全性と同じくらい、飼い主さんとして切実に気になるのが「コスト面」ではないでしょうか。
そこで今回は、これまで比較してきたロイヤルカナンの「ミニ アダルト」と、ヒルズの「サイエンス・ダイエット」を例に挙げ、体重3kgの犬に与えた場合の1日あたりのコストを以下の表に算出してみました。
| メーカー | ロイヤルカナン | ヒルズ |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 2,105円(800g) 4,352円(2kg) 15,788円(8㎏) | 2,280円(1.5㎏) 4,048円(3㎏) 5,368円(5㎏) |
| 1日あたりのコスト ※おおよその価格 | 142円(800g) 98円(2kg) 89円(8㎏) | 106円(1.5㎏) 94円(3㎏) 75円(5㎏) |
結論から言うと、ヒルズの方が若干安めです。
もちろん、内容量によっては「ほとんど差がない」場合もあれば、「1日あたり30円以上の差」が出ることもあります
とはいえ、どちらも「無理なく続けやすい価格帯」であることは共通しています。
「少しでもコストを抑えたい」という方にはヒルズがおすすめですが、これはあくまで似たタイプの商品を比較した結果です。
製品の種類によっては、ロイヤルカナンのほうが安くなるケースも珍しくありません。
そのため、もし似たような製品が両ブランドにあるなら、パッケージの価格だけで判断せず、「1日あたりのコスト」を算出して比較するのが最も確実で賢い選び方といえるでしょう。
【まとめ】ロイヤルカナンとヒルズ結局どちらがいいの?

正直なところ、ロイヤルカナンとヒルズはとてもよく似たブランドです。
原材料や成分、安全性、そしてコストの面でも、決定的なほどの大きな差はありません。
もし迷われたときは、まずは以下のポイントを目安に選んでみてはいかがでしょうか。
- ロイヤルカナンがおすすめな方 「特定の犬種専用フードを選びたい」「とにかく消化の良さを最優先したい」という場合。
特に犬種別のラインナップが豊富なので、初めてワンちゃんを飼う方でも迷わず選びやすいのが魅力! - ヒルズがおすすめな方 「保存料不使用にこだわりたい」「コストを抑えつつ、しっかり体重管理もしたい」という場合。
特にダイエットフードには定評があり、研究し尽くされた栄養バランスでしっかり体重をコントロールしてくれます。
どちらも信頼できるブランドですが、細かな違いはあります。
最終的に合っているかどうかは、愛犬の「食いつき」や「うんちの状態」が一番の答えです。
まずは少量からそれぞれ試してみて、より愛犬の体に合っている方を見つけてあげてくださいね。




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