猫は寒いのが苦手というイメージが強く、こたつで丸くなっている姿が思い浮かびませんか。猫は本当に寒さが苦手なのでしょうか。さらに、寒さに弱いのであれば冬の時期はどう過ごしてあげるのがいいのでしょうか。
ここでは、猫の冬の過ごし方についてご紹介します。
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/第一種動物取扱業登録/動物取扱責任者
JKC公認トリマー養成機関で2年犬や猫に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営。
猫と寒さ
実はすべての猫が寒さに弱いわけではありません。猫は寒さに強い猫と弱い猫がいます。では、寒さに強い猫と弱い猫の違いはどんなところなのでしょうか。
ここでは、猫と寒さの関係についてご紹介します。
品種
猫は品種により被毛の量が異なります。ペルシャやノルウェージャン・フォレスト・キャットなどの被毛が長い品種は寒さに強いと言われていますが、アメリカン・ショートヘアやアビシニアンなどの被毛が短い品種は寒さに弱く、苦手です。
基本的には被毛が短い猫は寒さに弱いため、愛猫の被毛の長さをみて判断しましょう。ただ、寒さに強い猫と言っても、基本的に室温管理は必要です。そのため、寒さに強い品種だからといって寒さ対策を怠るようなことはしないようにしましょう。
年齢
品種以外にも、幼猫やシニア猫は成猫に比べて寒さに弱いため、年齢も気にしていく必要があります。成猫は筋肉量が多く、体温を保ちやすいです。子猫やシニア猫とともに暮らしている場合は普段より室温や飼育環境には気をつけるようにしましょう。
猫の冬の過ごし方とは?
寒さが厳しい時期は、人だけでなく猫も動くことが億劫になりがちで、暖かい場所に行きたくなるものです。あまりに寒い環境で過ごしていると、体調を崩してしまうこともあります。
ここでは、猫の冬の過ごし方についてご紹介します。
室温
猫が快適に過ごせる温度は約18~26度です。猫は高い場所に登ることもできるため、自分で好む温度の場所に移動することができますが、基本的に快適な温度に保つように暖房器具を使用して室温をコントロールしましょう。
しかし、暖房機器の中でも、触るとやけどをしてしまうようなものは注意しましょう。猫が暖房機器を誤って倒してしまうケースや触ってしまうケースもあります。使用する暖房機器は、猫を飼育していても安全に使用できるかどうかを踏まえて選びましょう。
ベッドの場所
冬の時期は猫のベッドの場所を暖かい場所に変更しましょう。窓際は直射日光が入りやすく温かいように感じますが、冷気が入ってくるため窓からは少し離した場所に設置しましょう。さらに、暖かい空気は上の方に集まるため、できるだけ上に設置してあげるといいかもしれません。しかし、子猫やシニア猫の場合は落下の危険性もあるため、高さを調節してあげましょう。
ベッドの場所は暖かく、人通りが少ない安心できる場所を選びます。しかし、風が直接当たるような場所は体調を崩してしまう可能性があるため避けましょう。
寒さ対策をする
冬は寒さ対策をしっかりしてあげましょう。キャットタワーやベッドなど猫がリラックスして休む場所は保温性の高い暖かい生地を使用しているものを選び購入してあげましょう。
体温調節が苦手な子猫やシニア猫にはペット用ヒーターなどを利用するのもおすすめです。
気をつけるべき点
冬は室温を快適な温度に保つこともとても大事ですが、猫は暖かい場所を探して行動するため、家電製品の上に勝手に登ってしまい怪我をするということもあります。猫の冬の過ごし方には注意する点がいくつかあります。
ここでは、猫が冬に過ごす時気をつけるべき点についてご紹介します。
留守番時の室温管理
気をつけるべき点の一つとして、留守番時の室温管理が挙げられます。冬場は日中でも寒さが厳しく、暖房などを使用しますが、留守番時にも必ず使用しましょう。猫は自由に快適な温度の場所に移動しますが、暖房器具を使用しないでいると室温はどんどん下がります。体温が下がると、体調を崩しやすくなってしまうため、注意しましょう。
しかし、室温をあげるだけでなく、加湿もしっかりし、乾燥しすぎないようにします。ガス暖房などは途中で換気が必要になるため、安全に室温をコントロールできる方法を選びましょう。
皮膚の乾燥
気をつけるべき点の一つとして、皮膚の乾燥が挙げられます。冬場は暖房器具を使用するため空気が乾燥しやすく、皮膚も乾燥しやすくなります。皮膚は乾燥すると皮膚炎を引き起こす可能性があるため、しっかり加湿をするようにしましょう。
猫の皮膚は人より薄くなっているため、ドライヤーでも低温やけどをしてしまうことがあるほどです。そのため、皮膚の健康を守るためにも、栄養価の高い食事、十分な睡眠、清潔な生活環境を保つようにしましょう。
低温やけどなどにも注意
気をつけるべき点の一つとして、低温やけどなどにも注意しましょう。猫は床暖房やドライヤー、暖房機器などでも近付きすぎてしまうとやけどをしてしまうことがあります。猫がいる家庭では、猫が怪我をすることがないように家電製品にも気を配るようにすることをおすすめします。
冬に気をつけるべき病気
冬の時期は寒く、食べては休みが繰り返されることにより生活習慣が乱れてしまいがちです。そのため、冬の時期にはかかりやすい病気があります。
ここでは、冬に気をつけるべき病気についてご紹介します。
泌尿器疾患
冬に気をつけたい病気の一つとして、泌尿器疾患が挙げられます。冬の時期は寒くなり、トイレに行くのにも億劫になりがちです。さらに、水を飲む回数も減るため、泌尿器疾患を引き起こしやすくなります。泌尿器疾患の症状としては、尿の回数が減ること、排泄時にいたがる、血尿、食欲不振、元気がなくなるなどがみられるようになります。
これらの症状がみられる場合は、できるだけ早く治療を行うことが必要です。かかりつけの動物病院を受診することをおすすめします。
心疾患
冬に気をつけたい病気の一つとして、心疾患が挙げられます。心疾患は冬場の冷え込みにより心臓に負担がかかるためみられることがあります。心疾患の症状は咳や呼吸困難、体重減少などです。心疾患は発症すると、基本的に一生涯薬が必要になり、定期的な健康診断も必要となります。
心疾患は全身の健康診断などで早くに発見することもできるため、定期的に健康診断を行うことをおすすめします。
関節トラブル
冬に気をつけたい病気の一つとして、関節トラブルが挙げられます。冬の時期は体を動かしたくなくなるためか運動不足になりがちです。運動不足になると体重増加や筋肉量の低下などを引き起こします。これらの症状は関節や骨にも負担をかけてしまいます。
関節トラブルを避けるためには、運動をしっかりし、筋肉量が衰えることがないようにコントロールしましょう。
冬でも健康に過ごすためには?
冬は猫にとっても大変な季節です。体を動かす機会が減り、気温が下がり、体調も崩しやすくなります。そんな猫たちの健康を守るためにはどのように過ごすことがいいのでしょうか。
ここでは、冬でも健康に過ごすために心がけたいことについてご紹介します。
定期的な健康診断
猫の健康を守るためには、定期的な健康診断がおすすめです。猫にとって動物病院は嫌な場所のことが多く、ストレスを感じてしまう傾向があるため、あまりに頻繁に行くことも体調を崩すきっかけになってしまうことがあります。しかし、定期的に健康診断を受けることにより、病気を早期発見することができるようになります。
猫が我慢強く、言葉を話さないため、病気を見つけることは難しいことです。そのため、毎日猫の食事や生活の様子や排便排尿の状態の確認などをしっかりし、何か異常がみられる時には早めに動物病院を受診するなどして、猫の健康を守っていきましょう。
飲み水場やトイレも暖かくする
猫の健康を守るためには、水を飲むための飲み水場所やトイレ周りも暖かくするようにしましょう。暖かくすることで水分補給がしやすく、トイレに行きやすい環境を作ることができます。特に夜は冷え込むため、猫がいつでも快適に動き回ることができるようにしてあげることをおすすめします。
しっかり運動をする
猫の健康を守るためには、しっかり運動することもおすすめです。冬は運動不足になりやすい時期です。運動不足になると、肥満やストレスがたまることがあります。肥満やストレスは病気を引き起こすきっかけにもなる要因です。普段からしっかり体を動かすことができる環境を作ってあげましょう。
まとめ
ここでは、猫の冬の過ごし方についてご紹介しました。猫は寒さに弱いというイメージが強いですが、品種や年齢により異なります。ただ、寒さには弱い傾向があるため、室温や生活環境を快適に保つことが必要です。
冬という時期は、寒さにより体調を崩してしまうことや免疫力を低下させることもあるため、病気に気をつけなければいけない時期です。生活環境だけでなく、猫の体調にも気を配ってあげましょう。
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