猫がトイレを失敗するときの対策は?粗相の理由と成功させる方法

猫のトイレ失敗の原因と成功のポイント

「愛猫がなかなかトイレの場所を覚えてくれない」「今までできていたのに急にできなくなった」など、愛猫のトイレ事情に悩んでいませんか。

猫は比較的トイレを覚えるのが得意で、特に教えなくてもトイレで排泄できる動物です。

にもかかわらずトイレを失敗してしまう場合は、必ず何かしらの原因があります。

この記事では、猫がトイレを失敗する主な原因や改善策、しつけの方法や注意点について解説します。

失敗の原因を探りつつ、ベストな解決策を考えてみましょう。

猫がトイレを失敗する原因5つ

猫がトイレを失敗したとき、一番はじめにすることは原因の究明です。

まずは猫がトイレを失敗する原因を押さえておきましょう。

ここでは、猫がトイレを失敗するときに考えられる原因を5つ紹介します。

マーキング

未去勢のオス猫や未避妊のメス猫の場合、マーキングによる粗相の可能性が考えられます。

マーキングとは縄張り作りやにおい付けのために行う本能的な行動で、性成熟を迎えた猫によくみられます。

通常の排泄と違い、マーキングの場合は少量のおしっこをスプレーのようにプシューと吹きかけるのが特徴です。

マーキングによる粗相は去勢・避妊手術を受ければ無くなることが多いため、一度動物病院で相談しましょう。

トイレが汚れている

猫はとても綺麗好きな動物なので、トイレが汚れていると入りたがらなくなります。

排泄物が溜まっていたり、猫砂が汚れて減っていたりする場合は、嫌がって別の場所で排泄してしまうことも珍しくありません。

特にプラスチック製のトイレは排泄物のにおいが染み込みやすく、こまめに洗浄しないと嫌なにおいが取れなくなります。

ストレスや不安を抱えている

猫は環境の変化に弱く、些細なことでストレスや不安を感じます。

そのため、連日の来客や大きな音、地震や引っ越し、同居動物との不仲など、猫にとってネガティブなことがあった場合、いつものトイレでは安心できないと感じて別の場所で排泄してしまうことがあります。

また、飼い主が留守のときに限ってトイレを失敗してしまう場合は、不安が原因の可能性が高いでしょう。

間違った場所をトイレと認識している

一度粗相をした場所で繰り返し排泄する場合は、「ここがトイレだ」と誤って認識している可能性もあります。

前に粗相した場所ににおいが残っていると、猫は何度もそこで排泄してしまいがち。

人間の鼻ではにおわなくても、猫には排泄物のにおいがしっかり嗅ぎ取れているのですね。

病気や老化によるもの

高齢の猫の場合、病気や老化が原因でトイレを失敗しているのかもしれません。

人と同じく、猫も歳を取ると膀胱や尿道の筋肉が弱り、トイレに間に合わなくなったり、無意識に排泄してしまったりすることがあります。

足腰の衰えからトイレに移動するのがおっくうになり、別の場所で排泄してしまう猫もいるでしょう。

また、猫は膀胱炎や尿路結石症など泌尿器系のトラブルが多い動物です。

おしっこをポタポタと垂らす、排泄時に悲鳴のような声を出すなどの場合は、病気によって排泄がコントロールできなくなっている可能性があるので、なるべく早く動物病院を受診しましょう。

猫がトイレを失敗しないための方法

猫がトイレで失敗しないためには、どうすればいいのでしょうか。

失敗が習慣づいてしまうと直すには時間がかかるので、今日できることからすぐに始めましょう。

トイレは常にキレイにする

猫のトイレはこまめに掃除しましょう。

排泄物は見つけた時点ですぐ取り除き、月に1回は猫砂を丸ごと交換します。

トイレの容器もしっかり水洗いして、においが残らないようにすることが大切です。

トイレ周辺の散らかりや汚れが気になる猫もいるので、隅々までチェックしてくださいね。

排泄に適した場所にトイレを設置する

猫のトイレは猫の寝床や食事場所から遠く、人の出入りが少ない場所に設置しましょう。

人がよく行き来する場所にトイレを設置してしまうと、猫は落ち着いて排泄できません。

トイレに行きたくないばかりに排泄を我慢してしまい、膀胱炎や便秘などを引き起こす可能性もあります。

トイレを設置する場所を決めるときは、猫の気持ちになって良く考えましょう。

猫の過ごす環境をなるべく変えない

猫に余計なストレスを与えないため、生活環境はなるべく変えないことも大切です。

引っ越しなどやむを得ない場合をのぞき、家具や寝床、猫のお気に入りの場所の変更はできるだけ控えましょう。

体を必要以上に舐めたり、食欲が落ちたりする場合は猫が大きなストレスを感じているサインなので、遊びやスキンシップを通してリラックスさせてあげてください。

多頭飼いの場合はトイレの数を増やす

多頭飼いの場合、トイレは「猫の数+1個」設置するのが理想です。

飼育頭数が多い場合は難しいかもしれませんが、少なくとも+2~3個は置けるといいですね。

猫によってはうんちとおしっこのトイレを分けたいなどこだわりがあるので、スペースが許せば単独飼育でもトイレは複数設置するのがおすすめです。

猫のトイレのしつけ方

通常、猫は生後3~4週間ほどを目安に自力排泄ができるようになります。

トイレの場所を間違って覚えないよう、猫のトイレはこの頃からしつけると良いでしょう。

ここでは、猫のトイレの簡単なしつけ方とトレーニングのポイントを紹介します。

まずは猫砂と適切なトイレを用意する

猫は砂の上で排泄する習性があるので、猫砂(トイレ砂)は必ず用意しましょう。

猫砂の好みは猫によってさまざまですが、硬くて細かい感触の砂は猫受けが良いといわれています。

猫砂の特徴や猫の好みを考慮しつつ、良さそうな素材を探してみましょう。

  • 紙製:トイレに流せるものが多い。おしっこの色を確認しやすい
  • 木製:おがくずやひのきを使ったもの。天然素材で安全性が高い
  • おから:大豆の搾りかすから作られる。粒が大きめで飛び散りにくい
  • 鉱物製(ベントナイト):しっかり固まって崩れにくい。猫が好みやすい
  • シリカゲル:主にシステムトイレで使われる。抗菌・消臭に優れている

トイレの大きさは猫の体長の1.5倍くらいのものがベストです。

猫砂の量は多いほど良いですが、最低限5cm程度は入れてあげましょう。

高齢の猫の場合、入口が高いと入るのを嫌がるので、なるべく平たいデザインものを選ぶのがおすすめですよ。

※猫がトイレを気に入らないときは、トイレのフチに足をかけて排泄したり、排泄物に砂をかけずにすぐ出ていったりします。

空中をかくような仕草も猫砂が気に入らないサインなので、トイレ自体や猫砂の買い替えを検討しましょう。

そわそわしていたらトイレに連れていく

猫の仕草や行動をよく観察し、そわそわしだしたらトイレに連れていきましょう。

排泄のタイミングは猫それぞれですが、朝起きた直後や食後に排泄することが多いようです。

猫が驚いて排泄を止めてしまわないよう、落ち着いて速やかにトイレに誘導してあげてください。

上手にできたら褒めてあげる

トイレで排泄できたときは、しっかり褒めてあげましょう。

褒めるタイミングは排泄が終わり、トイレから出てきた頃がおすすめです。

トイレで排泄→褒める(おやつのご褒美をあげる)を繰り返すことで、「ここでトイレをすると褒めてもらえる」と学習しやすくなりますよ。

排泄物のにおいは少し残しておく

トイレのしつけをするときは、猫がトイレを認識しやすくなるよう、排泄物のにおいを少し残しておくのがポイントです。

おしっこで汚れた猫砂はすべて捨てず、少しだけ残しておきましょう。

トイレ以外の場所で粗相してしまったときは、おしっこを拭いたティッシュを猫砂にこすりつければ、トイレににおいを残すことができます。

新しくトイレを設置するときにも使える方法なので、ぜひ覚えておいてくださいね。

猫のトイレをしつけるときの注意点

最後に、猫のトイレをしつけるときの注意点を解説します。

間違った対応は猫がトイレを覚えにくくなるうえ、ストレスや体調不良にもつながるので、あらかじめ確認しておきましょう。

粗相をしても怒らない

もし猫がトイレ以外の場所で排泄してしまっても、けっして責めてはいけません。

飼い主さんは粗相を叱っているつもりであっても、猫にとっては「排泄自体を叱られた」と感じてしまうもの。

その結果、排泄自体を我慢して結局漏らしてしまったり、飼い主さんの目が届かない場所でこそこそ排泄したりするようになります。

しつけとして意味がないばかりか健康にも良くないので、くれぐれも叱らないようにしてくださいね。

排泄物のにおいはしっかり消す

粗相をしてしまった場所はすぐに掃除し、においが一切残らないようにしましょう。

トイレ以外の場所に排泄物のにおいが残っていると、猫はその場所をトイレと勘違いしやすくなります。

フローリングの場合は溝の部分までしっかり拭き取り、消臭剤でにおい対策を。

カーペットなど布製のものに粗相をしてしまった場合は、なるべく早く洗濯しましょう。

まとめ

猫 トイレ

トイレの設置場所が気に入らない、好みの猫砂ではない、トイレが汚れていて入りたくないなど、猫がトイレを失敗する理由はたくさんあります。

もし愛猫の粗相が続くときは、トイレの形状や置き場所、猫砂、生活環境などをひとつひとつ見直すことが大切です。

正しい場所で排泄する習慣が付けられるよう、ぜひできることから試してみてくださいね。

専門家がキャットフードを調査している

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山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/第一種動物取扱業登録/動物取扱責任者 JKC公認トリマー養成機関で2年犬や猫に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営。