いつも愛猫が食べているキャットフードの安全性について考えたことはありますか?
日本で販売されているキャットフードなら、基本的にはどれも安全ですが、中には残念だな、これは与えたくないなと思わざるを得ない商品もあります。
今回は、そんな「食べてはいけないキャットフード」の特徴を、原材料、成分値、その他の3つのパートに分けて紹介していきます。
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/第一種動物取扱業登録/動物取扱責任者
JKC公認トリマー養成機関で2年犬や猫に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営。
目次
原材料から見る食べてはいけないキャットフードの特徴
キャットフードの品質や安全性はどんな原材料を使用しているかで決まると言っても過言ではありません。
ここでは、猫の健康や食の安全性の点から好ましくない原材料、避けるべき原材料について紹介します。
- 穀物が主原料
- 主原料以外のおもな原材料が穀物・豆類・いも類
- 猫にとって不要な添加物が含まれている
- ミートミール・肉副産物など動物の種類がわからない肉
穀物が主原料
肉食動物の猫には、穀物が主原料のキャットフードは避けるべきでしょう。
その理由としては以下があげられます。
- 炭水化物の含有量が多くなる
- 炭水化物が多くなると健康に問題が生じる
- タンパク質が少なくなる
猫も水分を加えて加熱した穀物(アルファー化した穀物)であれば、無理なく消化できますが、それにも限度があります。
猫が無理なく消化できるのは、含まれている炭水化物が35%程度までとされており、40%を超えると健康上の問題を引き起こす可能性があります。
キャットフードに含まれている炭水化物の量は、一般的に30〜35%程度ですから、問題になることは少ないでしょう。
しかし、穀物が主原料となると炭水化物が40%以上になることも多く、注意が必要となります。
また、炭水化物が多いと低タンパク質になりがちです。
猫にとってタンパク質は体をつくる重要な栄養素ですから、年齢や健康状態に応じてしっかりと摂取する必要があります。
このような点からも、穀物が主原料のキャットフードはおすすめできません。
主原料以外のおもな原材料が穀物・豆類・いも類
肉や魚などの動物性タンパク質が主原料だからといって必ずしも良いキャットフードとは言えません。
主原料につづく原材料が、穀物・豆類・いも類のキャットフードは、合計すると肉や魚よりも多く使われている場合があります。
そういったキャットフードは炭水化物も多くなりがちですから、購入の際には必ず確認するようにしましょう。
炭水化物が多いかどうかを見分けるには、原材料と成分値の以下の点に注目してください。
- 使用されている穀物・豆類・いも類の種類が多い
- 低タンパク質である
これらに当てはまる場合は、肉や魚よりも穀物・豆類・いも類が多く使われている可能性が高いでしょう。
これは、穀物が含まれていないグレインフリーのキャットフードでも言えることです。
グレインフリーでも豆類・いも類がたくさん使われている場合は、炭水化物が多くなりがちですから注意しましょう。
炭水化物の求め方
炭水化物=100−(水分+タンパク質+脂質+繊維+粗灰分)
猫にとって不要な添加物が含まれている
添加物の中には保存料や酸化防止剤など品質を保つために必要なものもありますが、その一方で着色料など本来は不要な添加物もあります。
猫が食べ物かどうかを判断するのは匂いですし、そもそも猫は人間のように色の違いを認識できないため、色を奇麗に見せても意味がないのです。
そのため、着色料は飼い主さんの購買意欲を刺激するためのものであって、猫にとってはまったく不必要なものです。
添加物によっては、発がん性があるものや肝機能障害を引き起こすなどのリスクが指摘されているものもあります。
また、着色料に至っては海外では使用が禁止されているものも。
- 赤色102号(アメリカ・カナダ・ヨーロッパの一部の国)
- 赤色106号(日本以外の国)
どのメーカーも猫の健康に悪影響をあたえるほどの量は使用していないと思われますが、絶対に安全だとも言い切れません。
そのため、なるべく添加物が使用されていないキャットフードを選ぶことをおすすめします。
酸化防止剤については、危険性が指摘されているBHAとBHTを避けて以下のものが使われているキャットフードを選ぶようにすると安心です。
- ローズマリー抽出物
- ミックストコフェロール
- ビタミンC
ミートミール・肉副産物など動物の種類がわからない肉
ミートミールや肉副産物にはどのような動物や魚が使われているのかは原材料を見ただけでは判断ができません。
そのため食物アレルギーがある場合はリスクを考えると与えることができませんし、アレルギー反応があった際にも、動物や魚の種類を特定することが難しくなるでしょう。
また、ミートミールや副産物は動物の状態ではなく、ミールに加工した状態で仕入れることが一般的だと思われます。
肉の安全性が不明瞭になりがちだと言わざるを得ません。
平成21年6月1日に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行されてからは、国内で流通する犬猫のペットフードについては、健康をおびやかす原材料の使用は規制されています。
ただし、4Dミートの使用については、メーカーに一任されているのが現状です。
キャットフードに使われている動物性タンパク質はできるだけ、種類が明らかなものを、可能ならば飼育状態が明らかな動物を使用したものを選ぶと安心です。
4Dミートとは、人間用の食材としての使用に適さない以下のような動物の肉のことをいいます。
- 死んだ動物(Dead)
- 病気のある動物(Diseased)
- 瀕死の動物(Dying)
- 障害のある動物(Disabled)
英語表記の頭文字の「D」を4つ並べて「4Dミート」と呼ばれています。
成分値から見る食べてはいけないキャットフードの特徴
食べてはいけないキャットフードの原材料について解説してきましたが、では成分値はどんな点について注意したら良いのでしょうか?
実は、成分値については注意するべき点がたくさんあるのですが、今回はその中でも猫の健康に影響を及ぼす可能性がある2つに注目して紹介していきたいと思います。
最低限注意してほしいポイントですので、確実に押さえていきましょう。
低タンパク質
猫は腎臓病になりやすいため、腎臓の負担を大きくする高タンパクなキャットフードはおすすめしないという風潮がありますが、低タンパク質すぎるのも問題です。
肉食動物の猫にとってタンパク質は、筋肉・皮膚・被毛・血液などの健康を維持するためには欠かせない栄養素です。
最低タンパク質摂取量はAAFCO(米国飼料検査官協会)は体重1kgあたり「3.5g」、「NRC」(全米研究評議会)は「2.5g」としています。
またタンパク質が少ないということは、炭水化物が多いということでもあります。
炭水化物が多くなると健康上の懸念はもちろんですが、肥満も心配です。
猫の健康を維持するためには、年齢や運動量などにあった適度なタンパク質量のキャットフードを選ぶ必要があるでしょう。
ちなみに、タンパク質の推奨値は健康な大人の猫で30〜45%です。
AAFCOの基準値ギリギリの含有量
日本で総合栄養食として販売されているキャットフードはAAFCOの乾物ベース(水分を除いた100gあたりの栄養素)での基準を満たしているものです。
ちなみに、おもな栄養素の基準は以下となります。
成分値 | 子猫 | 成猫 |
粗タンパク質 | 30% | 26% |
粗脂肪 | 9% | 9% |
カルシウム | 1% | 0.6% |
リン | 0.8% | 0.5% |
ナトリウム | 0.2% | 0.2% |
マグネシウム | 0.08% | 0.04% |
これらの数値は、猫が生きていくうえ必要な最低限の含有量です。
一方で、猫が健康を維持して暮らしていくために推奨される数値とはかけ離れている場合もあります。
たとえば、上にも書いたとおり健康な成猫に推奨されるタンパク質量は30〜45%ですし、脂肪は10〜30%が十分な量とされています。
実際に必要な栄養素量は猫によって個体差がありますので一概には言えませんが、AAFCOの基準値よりも少し多めに含まれているキャットフードを選ぶのがおすすめです。
そのほか食べてはいけないキャットフードの特徴
番外編的なお話になりますが、ぜひ知っておいてほしいことがいくつかありますので、紹介していきたいと思います。
キャットフード選びの基本とも言える知識ですので、ぜひ覚えておきましょう。
機能性キャットフード・療法食
機能性キャットフードと療法食は、どちらも健康な猫には不要です。
機能性キャットフードとは、特定の「お悩み」に配慮した総合栄養食のキャットフードです。
それぞれのお悩みに合わせた特別なレシピになっていますが、病気を治療したり、予防したりといった効果については医学的に実証されていないのがほとんどでしょう。
また、機能性キャットフードによっては、特定の栄養素を極端に増やしたり、減らしたりしているだけの商品もありますので注意が必要です。
健康な猫であれば、機能性キャットフードを与える必要はありません。
一般的な総合栄養食を与えていれば十分に健康を維持できます。
一方、療法食は特定の病気の治療の際に、獣医師の指導のもとで与えることが前提となっているキャットフードです。
特定の病気の治療をサポートすることを目的としており、通常ではあり得ない栄養バランスになっているものが多いです。
そのため健康な猫に与えると逆効果になってしまう場合があります。
病気の予防や、同居猫が食べなかったからと健康な猫に与えるのは危険ですので絶対にやめましょう。
間食・一般食
キャットフードには、毎日の食事として与えられる総合栄養食のほかに、間食や一般食と呼ばれるものがあります。
間食や一般食とは、猫にとってのおやつやおかずのような位置づけで、それぞれ以下のようなものがあります。
間食 | 一般食 |
ドライフードのようなカリカリタイプ ジャーキー フリーズドライ かつおぶしや煮干しな | 缶詰やパウチなどのウェットフード |
間食・一般食は、それだけでは栄養が不足したり、偏ったりしてしまいますので、必ず総合栄養食といっしょに与えなければいけません。
ただし、ウェットフードには食事として与えられる総合栄養食もありますので、与える際には確認しましょう。
極端な宣伝で売っている
キャットフードの中には、○○成分配合、無添加キャットフードなどを謳い文句に大々的に宣伝をしているものもあります。
しかし、冷静に見ると大げさだったり、当たり前のことだったりといった場合も少なくありません。
また、獣医師監修・ブリーダー・専門家の監修や推奨というキャットフードも過信は禁物です。
ほとんどは問題のない商品だと思われますが、監修者・推奨者がどのような資格をもっていて、どのような人なのかをしっかりとチェックする必要があります。
極端な宣伝で売っている商品には注意し、宣伝イメージに躍らされることがないよう、原材料や成分値などをしっかりとチェックして判断するようにしましょう。
キャットフード選びに迷ったらこの2つがおすすめ!
食べてはいけないキャットフードの特徴を紹介してきました。
では、一体どんなキャットフードが良いのでしょうか?
紹介してきた特徴を踏まえたうえで、おすすめできるキャットフードを2つ紹介します。
ぜひ参考にしてください。
カナガンキャットフード チキン
価格(税込み) | 当サイト特別価格! 初回半額の2,519円 定期価格 4,534円 通常価格 5,038円 |
内容量 | 1.5㎏ |
主原料 | チキン |
主成分 | タンパク質34%以上、脂質16.7%以上、粗繊維3.25%以下、灰分10.7%以下、水分8%以下 |
カロリー | 405kcal |
対応年齢 | 全年齢対応 |
原産国 | イギリス |
特徴 | 主原料チキン60%以上/グレインフリー/香料・着色料不使用/獣医師おすすめ |
公式サイト | カナガン公式 |
原料の60%以上にチキンを使用した高品質なグレインフリーキャットフードです。
使用しているチキンは人間が食べても大丈夫なヒューマングレードです。
タンパク質34%以上、脂質16.7%以上と多すぎず、少なすぎずな配合で、成長期の子猫から老猫まで安心して与えられます。
また、製造工場はFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)の厳しい基準をクリアしたペットフード専門工場で、商品の品質はもちろん安全性にも配慮。
自信を持っておすすめできるキャットフードのひとつです。
カナガンキャットフードの口コミ
前のフードを残すようになったためカナガンに替えましたが、残す回数が減って毛艶も増したような気がします。
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犬猫生活キャットフード
価格(税込み) | 定期価格 5,258円 通常価格 6,908円 |
内容量 | 1.5kg(750g×2袋) |
主原料 | 生肉(鶏肉、牛肉)または朝獲れ魚 |
主成分 | 【国産の生鶏肉】タンパク質31%以上、脂質15%以上、粗繊維3%以下、灰分9%以下、水分10%以下 【金沢港の朝獲れ魚】タンパク質30%以上、脂質12%以上、粗繊維3%以下、灰分7%以下、水分10%以下 |
カロリー | 【国産の生鶏肉】373kcal 【金沢港の朝獲れ魚】360kcal |
対応年齢 | 全年齢対応 |
原産国 | 日本 |
特徴 | 国産/食材産地表示/グレインフリー/香料・着色料・保存料不使用/獣医師おすすめ |
公式サイト | 犬猫生活公式 |
国産の原材料を使用した安心安全なキャットフードです。
鶏肉はおもに九州産、魚はその日の朝に金沢港に水揚げされたものを使用しています。
タンパク質と脂質も適度で、カロリーも高すぎずヘルシーな印象ですから、体重が気になる猫にもおすすめです。
素材本来のおいしさと栄養素を活かす低温加熱製法で手間ひまかけて丁寧につくられた犬猫生活キャットフードは安心して与えることができるキャットフードです。
犬猫生活キャットフードの口コミ
2歳と3歳の雑種の猫を飼ってます。
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普段からなんでも食べるタイプですが、これは特に食いつきが良かったです。
普段からアレルギー食とかも与えてる子なのですが、これでは特に血便とかもでなかったので、素材が良く不純物、添加物などないのかなと思いました。
割高なのであまり買えませんが、ご褒美感覚であげるのは良いかな、、、
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まとめ
当然ではありますが、日本では猫の健康に悪影響をあたえるようなキャットフードを販売することはできません。
したがって、厳密に言えば「食べてはいけないキャットフード」は存在しないことになります。
とはいえ、原材料や成分値を見て「これはちょっと…」と感じるようなキャットフードが少なからず存在するのも事実です。
そういった、残念なキャットフードを除外するだけでも、良いキャットフードに出会える確率はグーンとアップするはず。
今回紹介した「食べてはいけないキャットフード」の特徴を参考にして、愛猫にぴったりのキャットフードを見つけてあげましょう!
- 参考文献
- ・ペット栄養管理学テキストブック
・猫の気まぐれには理由がある