猫の避妊・去勢手術は、望まない妊娠や生殖器関連の病気を防ぐために必要な処置ですが、術後は代謝機能や免疫力が低下しやすくなるため、正しい食事管理が欠かせません。
そこでこの記事では、小動物看護師や動物取扱責任者などの資格を持ち、トリミングサロンを経営している私が、避妊・去勢後の猫におすすめのキャットフードを徹底検証!
キャットフードの選び方や食事以外で気を付けるべきポイントも解説しているので、愛猫の健康を守りたい方はぜひチェックしてくださいね。
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/第一種動物取扱業登録/動物取扱責任者
JKC公認トリマー養成機関で2年犬や猫に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営。
目次
避妊、去勢後の食事の注意点
一般的に、避妊・去勢後の猫は肥満になりやすいといわれています。
手術によって生殖機能がなくなった猫は、性ホルモンの減少によって食欲が増えたり、運動量が減ったりするため、手術前と同じ食事を同じ量与えていると肥満になりやすいのです。
猫が肥満になると膵炎や関節炎、糖尿病など、さまざまな病気のリスクが高まります。
なかでも尿路結石症は去勢後のオス猫に多くみられる病気で、重症化すると命にかかわることも。
猫が一生を元気で過ごせるように、避妊・去勢後は食事管理を徹底しましょう。
なお、猫にとって避妊・去勢手術は心身ともに大きなストレスを感じるものです。
もともと猫はデリケートな性格の動物なので、避妊・去勢直後は一時的に食欲が落ちる猫も珍しくありません。
キャットフードの切り替えは術後すぐではなく、2週間~1ヶ月程度経って猫が普段通り生活できるようになってからにすると良いでしょう。
避妊、去勢後におすすめのキャットフードの選び方
では、避妊・去勢後はどんなキャットフードを与えるべきなのでしょうか。
避妊・去勢後に適したキャットフードといっても、原料や成分、嗜好性などは商品によってさまざまです。
ここでは、避妊・去勢後の猫に合ったキャットフードを見つける主なポイントについて解説します。
原料や成分をチェックするときは、以下の4点を特に重視してくださいね。
- 主原料は肉や魚など動物性タンパク質
- カロリーが高すぎない
- グレインフリーフードである
- ミネラル成分が適切である
ひとつずつ、詳しく解説していきます。
主原料はお肉やお魚の動物性タンパク質
完全肉食動物である猫の食事には、肉や魚メインのキャットフードが最適です。
良質なタンパク質をたっぷり含んだキャットフードは筋肉の維持や代謝機能アップが期待でき、健康な体の維持に役立ちます。
タンパク質を日常的に摂取することで脂肪が燃焼しやすい体作りができるので、避妊・去勢後でも太りにくくなるでしょう。
また、タンパク質には術後の傷の回復をサポートしたり、皮膚・被毛の健康を保ったりする働きもあります。
タンパク質が不足すると傷がなかなか塞がらなかったり、毛艶が悪くなったりするので、普段の食事からしっかり摂取させることが大切です。
なお、AAFCO(米国飼料検査官協会)が定める基準によると、猫に必要なタンパク質は「子猫や妊娠・授乳期で30%以上、成猫や老猫で26%以上」です。
キャットフードを探す際は必ず成分表をチェックして、タンパク質量が基準値を超えているか確認してくださいね。
- 良質なタンパク質の目安
- ・原材料の表記が詳細…新鮮サーモン、チキン生肉など
・公式サイトに家畜の生育環境や方法、製造方法についての記載がある
- タンパク質量の目安
- ・高い…30%以上
・普通…26~30%程度
・低い…25%以下
カロリーが高すぎない
避妊・去勢後の肥満を防ぐには、カロリーと脂質が控えめなキャットフードを選ぶことも大切です。
猫の運動量や年齢、個体差などによってもベストな栄養価は変わりますが、基本的には「100gあたりのカロリーが330~380kcal程度で、脂質10~15%程度」のものを選ぶと良いでしょう。
カロリー・脂質ともに低すぎると必要な栄養素が十分摂取できないので、単純に低ければいいというわけではありません。
特に1歳未満の猫は成長のため多くの栄養を必要とします。
過度に栄養素を制限すると健康上のトラブルが起こりやすいので、注意してくださいね。
なお、避妊・去勢後の猫は食欲が増える傾向にあります。
そのため、「これまで食が細かったのに突然よく食べるようになった」ということも珍しくありません。
将来的な肥満を防ぐためにも、避妊・去勢後は程よい栄養価のフードを選びましょう。
- カロリーの目安(100gあたり)
- ・高い…380kcal以上
・普通…360~380kcal
・低い…360kcal以下
- 脂質の目安
- ・高い…20%以上
・普通…15~20%
・低い…14%以下 ※成猫は最低9%以上必要
グレインフリーフードであること
避妊・去勢後のキャットフードは、穀物不使用のグレインフリーフードを選びましょう。
キャットフードのなかには小麦や米、とうもろこしなどの穀物が含まれているものも少なくありませんが、穀物は猫にとって太りやすく消化しづらい食材です。
- 米
- 小麦粉
- とうもろこし
- コーングルテンミール
もともと猫は穀物の消化が苦手なので、穀物が多いキャットフードはおすすめできません。
きちんと加工された穀物を少量摂取するくらいでは問題ありませんが、日常的に大量の穀物を食べていると胃や腸に負担がかかり、嘔吐・下痢を起こしやすくなることも。
少しでも猫の胃腸に負担をかけないよう、猫の食事はなるべく消化に優しいものを選びましょう。
また、肥満予防には血糖値の上昇がゆるやかな「低GI食材」を使ったキャットフードがおすすめです。
キャットフードに使われる主な低GI食材としては、さつまいも、いんげん、えんどう豆など。
血糖値が急上昇すると余分な脂肪が体に付きやすくなるので、食材はなるべく高GIより低GIのものを選ぶと良いでしょう。
なお、グレインフリーのキャットフードは低GI食材を含んだものが比較的多く、太りにくいのが特徴です。
どのキャットフードを選べばいいか迷ったときは、グレインフリーの商品から絞り込むと良いでしょう。
ミネラル成分が適切である
尿路結石症などの下部尿路疾患を防ぐには、ミネラル成分が適切かどうかも重要です。
下部尿路疾患にかかわるミネラルには、主にカルシウム・リン・マグネシウムの3つが挙げられます。
特に去勢後のオス猫は尿路結石症になりやすいといわれているので、これらのミネラルが過剰に含まれているキャットフードは避けたほうが良いでしょう。
なお、猫にとって理想的なミネラルバランスは「カルシウム:リン:マグネシウム=1.2:1:0.1」です。
このバランスが大きく崩れると尿路結石ができやすくなり、尿路閉塞や膀胱炎などの病気を引き起こすことも。
キャットフードを選ぶときはHPなどを確認し、下部尿路疾患に配慮したミネラルバランスかどうかもチェックしてくださいね。
避妊、去勢後におすすめのキャットフードランキング5選
ここからは、私がおすすめする避妊・去勢後向けのキャットフードをランキング形式で紹介します。
キャットフードごとに主原料、100gあたりのカロリー・脂質、最安値などを記載しているので、ぜひ気になるものがあるかチェックしてみてくださいね。
- カナガンチキン
- カナガンサーモン
- カナガンデンタル
- ジャガー
- ハッピーキャット
- オールウェル
- アーテミス
- ハロー
- ロイヤルカナン
- セレクトバランス
- メディファス
- モグニャン
- ピュリナワン
- 犬猫生活
- ニュートロ
- モンプチ
- ねこ元気
- 銀のスプーン
- ビューティープロ
- アイムス
- デリッシュレシピ
- ルナ
- ラシーネ
- ミャウミャウ
- 和の極み
- すごい乳酸菌クランキー
- プライムレシピ
- シーバ
- サイエンスダイエット
- 懐石
- カルカン
- キャネット
- グランツ
- ボナペティ
- ロニー
- エリザベスキャットフード
- オーブンベークド
- エルモ
- ファインペッツ
※猫にも個体差があり私が個人的に調査した内容なので完璧を保障するものではありません。
※口コミは個人の感想であり、実感を保証するものではありません。
商品名 | 初回最安値 | 特徴 | 内容量 | 主原料 | カロリー(100gあたり)/脂質 | 公式サイト |
1位モグニャン | 当サイト限定価格 初回半額 2,519円 公式サイト | ヘルシーな白身魚使用 高タンパク・低脂質 | 1.5㎏ | 白身魚 | 379kcal 脂質11.0%以上 | 公式サイト |
2位犬猫生活 | 5,258円 公式サイト | 新鮮な主原料 少量パックが便利 国産食材 | 通常1.5㎏(750g×2) | 生鶏肉/朝獲れ魚 | 373kcal 脂質15% ※鶏肉の場合 | 公式サイト |
3位グランツ サーモン | 初回定期価格 980円 (1袋⁺他の2種類50g×2 公式サイト | 新鮮なサーモン使用 少量パックが便利 | 500g×3 | フレッシュサーモン、脱水サーモン | 361kcal 脂質16% | 公式サイト |
4位ハローキャットフード カロリーオフ平飼いチキン | 5,280円 Amazon 1.6㎏ ※Amazon価格 | 低カロリー・低脂質 野菜・果物がたっぷり | 400g、1.6㎏ | 平飼いチキン正肉 | 350kcal 脂質10.0%以上 | 公式サイト |
5位セレクトバランス体重管理チキン | 2,090円 Amazon ※Amazon価格 | 低カロリー・低脂質 減量したい猫向き | 1㎏ | チキン | 330kcal 脂質9.5%以上 | 公式サイト |
1位モグニャン
価格 | 当サイト特別価格! 今なら初回半額の2,519円 定期価格:4,534円 通常価格:5,038円 |
内容量 | 1.5kg |
主原料 | 白身魚 |
カロリー | 379kcal/100g |
対象年齢 | 全年齢対応 |
主な成分値 | タンパク質27.0%以上 脂質11.0%以上 粗繊維5.25%以下 灰分9.5%以下、水分5%以下 |
尿路ケア食材 | クランベリー |
原料サポート食材・成分 | サーモンオイル |
おすすめ度 | (5.0 / 5.0) |
モグニャンはヘルシーな白身魚を63%も使用した、タンパク質豊富なキャットフードです。
タンパク質は27%と程よく高タンパクで、脂質は低めの11%と程良いバランス。
穀物を含まない完全グレインフリーフードなので、消化に優しいのもポイントです。
白身魚のほか、野菜や果物の種類も多く、下部尿路の健康に役立つクランベリーも入っているのが嬉しいですね。
カロリーは標準的ですが全体的にバランスが良く、ライスステージを問わず全猫種におすすめです。
当サイト特別価格!今なら初回半額の2,519円!
2位犬猫生活キャットフード
価格 | 定期価格5,258円 通常価格6,908円 |
内容量 | 1.5kg(750g×2) |
主原料 | 生鶏肉/朝獲れ魚 |
カロリー | 373kcal/100g ※鶏肉の場合 |
対象年齢 | 全年齢 |
主な成分値 | 粗タンパク質31%、脂質15%、粗繊維3.0%、粗灰分9.0%、水分10% ※鶏肉の場合 |
尿路ケア食材 | クランベリー |
原料サポート食材・成分 | マグロオイル |
おすすめ度 | (4.5 / 5.0) |
犬猫生活は、こだわりの国産原料を使ったキャットフードです。
タンパク質は31%とモグニャンと同じく高タンパク。尿路ケアに良いクランベリーも入っており、子猫から老猫まで与えることができます。
動物性タンパク質の種類が多いのでアレルギー体質の猫には不向きですが、栄養バランスはばっちり。アレルギーがない猫におすすめです。
1袋あたり750gと少量で、新鮮なうちに食べきれる配慮も高評価のポイントですよ。
3位グランツ サーモン
価格 | 初回定期価格:980円 (1袋⁺他の2種類50g×2袋) 定期価格:4,800円 通常価格:6,000円 |
内容量 | 1.5kg(750g×2) |
主原料 | フレッシュサーモン、脱水サーモン |
カロリー | 361kcal/100g |
対象年齢 | 1歳以上の猫 |
主な成分値 | 粗タンパク質32%、脂質16%、粗繊維4.5%、粗灰分9.0%、水分10% |
尿路ケア食材 | ブルーベリー、クランベリー |
原料サポート食材・成分 | サーモンオイル |
おすすめ度 | (4.5 / 5.0) |
グランツサーモンは、新鮮なサーモンをたっぷり配合したキャットフードです。
タンパク質量は32%と高めで脂質も16%と低くはないので、運動量が多い若い猫におすすめ。
下部尿路の健康に良い2種類のベリーと関節サポートに役立つグルコサミン・コンドロイチンも配合されています。
1歳以上の成猫・老猫が対象なので子猫には与えられませんが、500g×3袋と少量パックな点は高評価です。
ごちそう定期便初回セット980円!
4位ハローキャットフード カロリーオフ平飼いチキン
価格 | 5,280円 ※Amazon価格 |
内容量 | 1.6㎏ |
主原料 | 平飼いチキン正肉 |
カロリー | 350kcal/100g |
対象年齢 | 1歳以上の成猫 |
主な成分値 | たんぱく質30.0%以上、脂肪10.0%以上、粗繊維5.0%以下、灰分7.0%以下、水分10.0%以下 |
尿路ケア食材 | ブルーベリー、クランベリー |
原料サポート食材・成分 | 亜麻仁、サーモンオイル |
おすすめ度 | (4.0 / 5.0) |
ハローキャットフードの「カロリーオフ平飼いチキン」は、通常のシリーズよりも脂肪分を約44%、カロリーを約6%少なく調整しています。
高タンパクながらヘルシーな栄養組成なので、すでに肥満気味の猫はもちろん、食欲旺盛な食いしん坊の猫にもおすすめ!
尿ケアに良いクランベリーやブルーベリーをはじめ、野菜や果物もたっぷり入っていますよ。
通販で購入できないぶん定期割引などがなく、購入に手間がかかるので4位になりました。
5位セレクトバランス体重管理 チキン
価格 | 2,090円 ※Amazon価格 |
内容量 | 1㎏ |
主原料 | チキン |
カロリー | 330kcal/100g |
対象年齢 | 成猫 |
主な成分値 | たんぱく質27.0%以上、脂肪9.5%以上、粗繊維8.5%以下、灰分8.5%以下、水分10.0%以下 |
尿路ケア食材 | クランベリーパウダー |
原料サポート食材・成分 | サーモンオイル、L-カルニチン |
おすすめ度 | (4.0 / 5.0) |
セレクトバランスの「体重管理チキン(スリムチキン)」は、太りやすい猫の健康維持を目的としたキャットフードです。
適切な体重管理のため、脂質・カロリーともに控えめ。主原料には嗜好性と消化性に優れた非加熱チキンを使用しています。
クランベリーパウダーを配合することで、尿路ケアにも配慮しているのが良いですね。
こちらも購入はアマゾンなどのネットショップや取り扱い店舗のみなので、定期購入はできません。
避妊、去勢後キャットフードに迷ったらコレ!
ここまで読んでみて、「どれも良さそうで決められない…」と悩んでしまったかもしれません。
避妊・去勢後向けのキャットフードのなかでも、私が特におすすめするのはモグニャンです。
モグニャンは子猫から老猫まですべてのライフステージに対応したオールステージフードで、使い勝手が良いのが魅力。
低脂質ながら猫の嗜好性も高く、フードの切り替えがスムーズにできるでしょう。
穀物不使用のグレインフリーフードなので、太りやすい避妊・去勢後の猫でも体重管理が楽にできます。
公式サイトからの購入には定期購入者限定の割引もあるので、質の高いキャットフードをお得に購入したい方におすすめです。
愛猫に合ったフードが分からないというときは、モグニャンを選んでおけば安心ですよ。
当サイト特別価格!今なら初回半額の2,519円!
避妊、去勢後は専用のキャットフードのほうがいい?
避妊・去勢をしたからといって、絶対に専用のキャットフードが良いというわけではありません。
避妊・去勢後用のキャットフードはエネルギー量や栄養の吸収スピードが調整されているぶん、猫の肥満対策に有効です。
しかし、一方で猫の嗜好性が低く食いつきが悪かったり、タンパク質の量が少なかったりするフードも少なくないため、どんなものでもおすすめできるわけではないのが現状です。
なかには穀物が主原料のものや不安な添加物が使われているものもあるので、キャットフードを選ぶ際は注意してくださいね。
愛猫にとってより良いフードを見つけるためには、「避妊・去勢後は必ず専用のものを選ばなければ」などと思わず、全年齢用のキャットフードも選択肢に入れることが大切です。
避妊、去勢手術後に食事以外で気を付けることは?
避妊・去勢手術後の猫は、心身ともに大きなストレスを感じています。
特にデリケートな性格の猫では警戒心やストレスからトイレを失敗してしまうこともありますが、けっして叱ってはいけません。
粗相を見つけた場合は騒がず怒らず、静かに片づけましょう。術後しばらくはなるべく構わず、静かに見守ることも大切です。
また、術後は一時的に免疫力が下がるので、感染症などにかかりやすくなります。
思わぬ体調不良を防ぐためにも術後10~14日程度はシャンプーを控え、毛づくろいなど他の猫との接触も控えたほうが安心です。
傷口は猫がなめると化膿して治りが遅くなる可能性もあるので、エリザベスカラーや洋服などで適切に保護してください。
まとめ
- 主原料は動物性タンパク質
- カロリー・脂質が高すぎない
- 消化が良く太りにくいグレインフリー
- ミネラルバランスが適切で下部尿路に配慮
避妊・去勢手術後の猫は食欲旺盛になる一方、運動量や消費エネルギーが減りがちです。
代謝機能が落ちることで肥満になりやすくなるので、キャットフードはカロリーや脂質が控えめなものを選びましょう。
特にオス猫は尿路結石症が重症化しやすく、一度発症すると何度も繰り返し起こることも少なくありません。
下部尿路疾患のリスクを少しでも減らすため、毎日の食事はミネラルバランスが整ったものを与えましょう。
今回紹介したフードはどれも、避妊・去勢後の猫に適した原材料・栄養バランスです。
どのフードが気に入るかは猫によって違うので、ぜひそれぞれの特徴をチェックして、良さそうなものを試してみてくださいね。