猫の餌の量が知りたい!年齢ごとの計算方法とおかわり要求時の対応

愛猫のベストな餌の量がわかる計算式

あなたは愛猫に毎日どのくらいのご飯を与えていますか?1日にどのくらいの食事を与えるべきかは、猫の年齢や体重、運動量、フードのカロリーなどによってさまざまです。

この記事では、猫の食事量を知るための計算方法を2つご紹介。おかわりを要求されたときの対処法についても解説します。

「愛猫にとってベストな食事量が知りたい!」という方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

猫の1日あたりの給餌量を調べてみよう!

以下の項目を入力すると、愛猫の1日あたりの給餌量が分かります。

電卓が手元にない、計算が正しくできるか不安という方は、こちらの給与量自動計算フォームを活用してください。

猫の餌の量を正確に計算する方法

猫に与える食事量を正確に量るには、猫にとって必要なカロリーを求める必要があります。

猫の1日あたりの給餌量を求めるには、以下の計算式を使います。

1日あたりの給餌量を求める計算式

猫の1日あたりの給餌量[g]=DER(RER×活動係数)÷餌のエネルギー量(/100g)×100

ここでは、猫の食事量を必要エネルギー量から計算する方法を、大きく3つのステップに分けて解説します。

必要な手順
  1. 猫の体重からRERを求める
  2. RERに活動係数をかけてDERを求める
  3. DERを餌のエネルギー量で割り、100をかける

計算した結果、今与えているフードの量と大きく違う値が出ることがあります。

この場合、いきなりフード量を変えてしまうと猫のストレスや体調不良につながる可能性があるため、要注意。

愛猫に負担をかけないためにも、フードの量は少しずつ増減しましょう。

猫の体重からRERを求める

RERを求める計算式

RER=猫の体重の0.75乗×70

電卓を使う場合
  1. 猫の体重を三乗する
  2. ①を表示させたまま√(ルート)を2回押す
  3. 出た数字に70をかける

例:体重5kgの猫の場合

  1. 5×5×5=125
  2. 125√√=3.3437015249
  3. 3.3437…×70=234.059106743
    →体重5kgの猫のRERは、約234kcal/日

猫に必要なカロリー量を計算する場合、まず安静時のエネルギー要求量(RER)を求めます。

RER(安静時エネルギー要求量)とは、猫が安静にしている状態で必要な「最低限のエネルギー量」のことです。

これは猫が生命活動を行うために必要なエネルギー量であり、基礎代謝や体温維持に欠かせません。

猫の体重ごとのRER早見表も載せておくので、参考にしてみてください。

体重RER
1kg70.0
2kg117.7
3kg159.6
4kg198.0
5kg234.1
6kg268.4
7kg301.2
8kg333.0

RERに活動係数をかける

RERが分かったら、その数値に猫の活動係数をかけましょう。

RERは猫が安静にしている状態でのエネルギー要求量なので、猫の活動レベルや年齢、体型は考慮されていません。

より正確な数値を出すためには、愛猫に当てはまる項目の活動係数をRERにかける必要があります。

DERを求める計算式

DER=RER×活動係数

猫の年齢・状態活動係数
子猫:離乳期~生後3ヶ月3
子猫:生後4ヶ月~6ヶ月2.5
子猫:生後7ヶ月~1歳2
成猫:避妊・去勢していない1.4
成猫:避妊・去勢している1.2
成猫:肥満傾向1
成猫:減量0.8
成猫:妊娠期2
成猫:重篤管理1
成猫:体重増加1,2~1.4
高齢猫1.1

例:体重5kgの成猫(避妊済)の場合

  • RER(234)に活動係数1.2をかける
    →234×1.2=280.8(DER)

なお、DERの計算結果はカロリー(kcal)単位で表されます。

つまり、DER=愛猫が1日に必要とするカロリーということですね。

当てはめる係数はひとつだけなので、複数当てはまる場合は動物病院で相談しましょう。

DERをフードのカロリーで割り、100をかける

1日に必要な給餌量の計算式

1日あたりのフード量=DER÷フードの100gあたりのカロリー×100

例:体重5kgの成猫(避妊済)、キャットフード300kcal/100gの場合

  1. 280.8÷300=0.936
  2. 0.936×100=93.6(g)

最後は、DERをもとに愛猫に適した食事量を計算します。

今与えているキャットフードのパッケージを確認し、100gあたりのカロリーを調べましょう。

DERをフードのカロリーで割り、出た数字に100をかければ猫に必要な1日あたりのフード量が分かります。

1日2回食事を与える場合は「1日あたりのフード量÷2」、1日3回の場合は「1日あたりのフード量÷3」で計算すれば、1食分の食事量も求められますよ。

【ライフステージごと】簡単なカロリー計算法

「もっと簡単に餌の量を求めたい」「愛猫の活動係数が分からない」といった場合は、より簡単なカロリー計算方法を使うのもおすすめです。

ここでは、ライフステージごとのシンプルな計算式を紹介します。

子猫(1歳まで)

一生のうち、猫がもっともカロリーを必要とするのは子猫の時期。

この頃は猫の骨や筋肉が健全に発達するために重要な時期なので、食事が不足していると心身の発育に悪影響を及ぼしかねません。

「こんなに多いと太ってしまうのでは…」と不安にならず、適切な量を与えましょう。

年齢計算式
生後2ヶ月210kcal×体重(kg)
生後3ヶ月200kcal×体重(kg)
生後4ヶ月175kcal×体重(kg)
生後5ヶ月135kcal×体重(kg)
生後6ヶ月100kcal×体重(kg)

成猫(1~7歳まで)

猫種によっても異なりますが、基本的に1歳以降は体の成長が落ち着きます。

その結果、子猫の頃に比べて必要なエネルギー量は減少。

特に避妊・去勢後はホルモンの影響で基礎代謝が低下し、運動量も少なくなるので、食事量は日々きちんと管理しましょう。

年齢・運動量計算式
運動量は普通80kcal×体重(kg)
運動量は多い85kcal×体重(kg)
運動量は少ない70kcal×体重(kg)

老猫(7歳以上)

人間と同じく、猫も高齢になると運動量や代謝が低下し、必要なエネルギー量は少なくなります。

一般的に、老猫が健康を維持するために必要なカロリーは成猫の70~80%程度。

具体的な食事量は猫の体重や活動量、キャットフードによっても変わりますが、基本的には成猫の頃より少ない量に調整すると良いでしょう。

年齢計算式
運動量は普通60kcal×体重(kg)
運動量は特に少ない40kcal×体重(kg)

猫がおかわりをねだるときはどうする?

計算で求めた食事量を与えているのに、猫がもっと欲しがるときはどうすれば良いのでしょうか。

可愛くおねだりされるとつい色々あげたくなってしまいますが、食べ過ぎは肥満のもと。

せっかく適切な食事量を計算した意味もなくなってしまうので、追加で与えるのは避けたいですよね。

そこで最後に、猫が必要以上にご飯をおねだりしてきたときの対処法を4つ紹介します。

フードをお湯でふやかす

フードをお湯でふやかすとカサが増し、同じ量でも満腹感を得やすくなります。

また、ふやかして温めることでフードの匂いが強くなり、猫の食欲アップも期待できるでしょう。

お湯はあまり熱すぎると冷めるまで時間がかかるので、30~40℃程度のぬるめの温度で用意するのがおすすめです。

耐熱容器に入れたフードがひたひたになるくらいお湯を注いだら、10分ほど置いておくだけでOKですよ。

ウェットフードを活用する

ウェットフードは水分の含有量が多く、ドライフードよりカロリーが低いものがほとんどです。

特に一般食(おかず)は低カロリーでヘルシーなうえ、満腹感を感じやすいのが魅力。

食事のボリュームアップにも最適なので、食いしん坊の猫にはドライフードと併用して与えると良いでしょう。

少量ずつ小分けに与える

食事と食事の間隔が長いと空腹感を感じやすいので、1日に与える食事の回数を増やすのもおすすめです。

成猫の場合、1日の食事回数は2~3回程度が一般的ですが、可能であれば4回以上に分けて与えてあげるといいですね。

留守の時間が長い場合は自動給餌器を活用したり、出がけに少量のフードを与えたりしてください。

キャットフードを変えてみる

キャットフードにはさまざまな商品があり、それぞれ原材料や成分、使用目的が異なります。

肥満ぎみの猫で食欲旺盛な場合は、カロリー量に対して腹持ちが良いダイエット用(体重管理用)キャットフードに切り替えてみてはいかがでしょうか。

ダイエット用でなくても、100gあたりのカロリー量が控えめで食欲繊維豊富なフードはたくさんあります。

愛猫の健康をサポートするためにも、キャットフードは高品質なものを選びましょう。

まとめ

座る猫

猫が必要とするエネルギー量は体重や年齢、活動量などによっても異なるので、RERやDERから正確な数値を求めることが大切です。

猫を健康で長生きさせるには、適切な体重管理と食事量のコントロールが必須。

愛猫にとって適切な食事量を確認し、どのくらいの量をどんな風に与えるべきか考えてみてくださいね。

専門家がキャットフードを調査している

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山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/第一種動物取扱業登録/動物取扱責任者 JKC公認トリマー養成機関で2年犬や猫に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営。