猫のベストなご飯回数は?メリットや与える量、時間帯を動物取扱責任者が解説!
「猫のご飯回数って何回がいいの?」「ご飯の量はどうやって決めるべき?」など、猫の食事について悩んでいませんか。
日々の食事は猫の健康に大きく関わるものなので、正解が知りたいと思う人も多いですよね。
この記事では、猫にとって最適な食事の回数と給餌量の決め方、ご飯を与えるベストな時間帯について解説します。
猫のご飯の正しい知識を持って、愛猫の健康をサポートしてあげましょう。
さらに、愛犬に与えてブリミックスの食いつきについても確認していきます。
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/第一種動物取扱業登録/動物取扱責任者
JKC公認トリマー養成機関で2年犬や猫に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営。
目次
多いのが理想?最適な猫のご飯回数
猫の食事回数の目安は、成猫で1日2~3回、子猫で1日3~4回が基本です。
ただし、生後3ヶ月頃までは消化器官が未熟なため、一度にたくさんの量を与えると胃腸に負担がかかる可能性があります。
未熟な消化器官でもしっかり消化吸収ができるよう、生後3ヶ月未満の子猫には食事を1日4回以上に分けて与えてあげると良いでしょう。
なお、猫種によっても異なりますが、一般的に猫は生後12~15ヶ月ほどで成猫になります。
この頃になると体の成長はほとんど終わっていて、必要とするエネルギー量も減少。
子猫の頃に比べて一度に食べられるご飯の量も増えているので、1日の食事回数は減らして構いません。
子猫から成猫に。 食事回数の減らし方
猫の食事回数を減らすときに意識したいのは、「いきなり回数を変えない」ことです。
昨日まで朝・昼・晩と1日3回食べていたのに、急に朝・晩しかご飯が出てこなくなったら、猫はどう感じるでしょうか。
空腹から体調を崩してしまったり、ストレスで機嫌が悪くなったりするかもしれません。
食事回数をスムーズに減らすには、1回に与える食事量を徐々に調整することが大切です。
例えば食事回数を1日3回(朝・昼・晩)から2回(朝・晩)に変える場合、昼の食事量を毎日少しずつ減らしていきます。
減らした分は朝と晩の食事に回し、最終的に昼に与える分が無くなるまでこのサイクルを繰り返しましょう。
完了までの目安は約1週間程度ですが、焦らずゆっくり調整してくださいね。
猫が一度にたくさんご飯を食べない理由は本能
出されたご飯を一度に食べず、ちょこちょこ好きなときに食べる猫は少なくありません。
これは、お腹が減ったらそのつど狩りをして新鮮な獲物を食べる、という野生時代の猫のスタイルからくる本能的な行動です。
野生の猫は1日で10~20回もの狩りを行っていたため、人と暮らすようになった現代でも、野生時代の習性が色濃く残っているのでしょう。
猫の場合、1日に必要な食事量さえしっかり摂れていれば健康上大きな問題はありません。
無理に与えようとせず、温かく見守ってあげましょう。
猫のご飯回数を多くするメリット
与えた量をぺろりと食べきる猫もいれば、何回かに分けて少しずつ食べる猫など、食事の傾向は猫によってさまざま。
自分で量を調整できる場合は必要ありませんが、出されただけ食べてしまう猫の場合は、飼い主さんが食事回数をある程度コントロールしてあげることが大切です。
猫のご飯回数を多くするメリットは、以下の通りです。
- 空腹のストレスを感じづらい
- 消化器に負担がかかりづらい
- ご飯の鮮度を保ちやすく衛生的
- どか食いを防げるので肥満になりにくい
それぞれについて詳しく解説します。
空腹のストレスを感じづらい
食事回数が多いと空腹の時間が短くなり、ストレスを感じづらくなります。
反対に一日の食事回数が少ないと次のご飯を食べるまでの間隔が長くなり、お腹が空きすぎてストレスが溜まります。
ストレスが溜まった猫は怒りやすく攻撃的になったり、粗相などの問題行動を起こしやすくなったりします。
消化器に負担がかかりづらい
胃が空っぽの状態が長く続くと、胃酸によって胃壁が荒れて吐きやすくなります。
胆汁混じりの黄色い液体や白い泡が混じった液体を吐くときは、猫が過度な空腹を感じているサインかもしれません。
食事回数を増やせばお腹が空きすぎてしまう心配もなく、嘔吐防止につながります。
ご飯の鮮度を保ちやすく衛生的
一度に食べきれる量をこまめに与えることで、キャットフードの鮮度が落ちるのを防げます。
特にウェットフードは傷みやすいため、温度や湿度が高い夏・梅雨時は衛生的に心配です。
ドライフードであっても長時間出したままにしておくと風味が落ちてしまい、猫の食いつきが悪くなる傾向にあるので、鮮度を考えるとそのつど出してあげるのがおすすめです。
どか食いを防げるので肥満になりにくい
食事回数が多いとそのぶん食欲が抑えられ、どか食いによる体重増加を防げます。
また、一度にまとめて食事をとる生活が続くと内臓に負担がかかり、代謝が落ちることで太りやすい体質になってしまいます。
肥満は心臓病や関節疾患などさまざまな病気のリスクを高めるため、食事回数や量を工夫して太らせないよう注意しましょう。
猫のご飯回数を多くするデメリット
猫のご飯回数を多くするデメリットは、大きく2つあります。
- 用意の手間がかかる
- 外出時間が長いと対応できない
用意の手間がかかる
食事回数を増やせば、そのぶん用意する手間がかかります。
そのつど食事量を調整している場合、一日に何度も計算する必要があり面倒に感じる人も多いでしょう。
特にウェットフードのように傷みやすいタイプのご飯は出しっぱなしにできないため、冷蔵庫にしまったり処分したりする必要があります。
外出時間が長いと対応できない
家を空けている時間が長い場合、一日に何度も食事を用意するのは現実的ではないという人もいるでしょう。
普段は対応できても、イベントごとや不測の事態が発生したときは対応が難しいケースも出てきます。
詳しくは後述しますが、こうした場合は自動給餌機を活用するのがおすすめです。
餌の量が分からない…猫のご飯の量の決め方3選
猫に与えるご飯の量は、体重や年齢、フードのカロリーなどによって異なります。
愛猫にどのくらいご飯を与えるべきか迷ったら、以下の3つの方法で適切な給餌量を確認しましょう。
- 体重あたりのカロリーから決める
フードのパッケージ記載の給与量目安を見る
安静時エネルギーから必要カロリー(食事量)を計算する
上2つは、適正体重の猫の場合に活用できる方法です。
太りぎみ・痩せぎみなど、適正体重から外れている猫の場合は、3つ目の方法「安静時エネルギーから必要カロリー(食事量)を計算する」で食事量を決めてください。
体重あたりのカロリーから決める
成猫の場合、体重1kgにつき70~80kcalのエネルギーを必要とします。
つまり、体重が5kgの猫であれば一日350~400kcalが必要ということですね。
運動量が少ない猫の場合は体重1kgに対して70kcalを目安に、活発な猫の場合は体重1kgあたり80kcal程度にご飯の量を調整しましょう。
7歳以降の老猫の場合は、60kcal×体重(kg)で計算します。
フードのパッケージ記載の給与量目安を見る
キャットフードのパッケージには、体重や年齢別に一日の給餌量の目安が記載されています。
記載されている量はあくまで目安ですが、与える量の参考にすると良いでしょう。
まずは記載されている通りにご飯を与え、便の状態や体調、食いつきを見て量を調整します。
安静時エネルギーから必要カロリー(食事量)を計算する
厳密にご飯の量を知りたいときや猫が太りぎみ・痩せぎみの場合は、安静時に必要なエネルギー量から食事量を算出しましょう。
計算の手間はかかりますが、そのぶんより正確な食事量を把握できます。
計算に使用する数値(係数)は猫の状態や年齢によって異なるので、複数当てはまる項目がある場合は獣医師に確認すると安心です。
猫にご飯を与えるベストな時間帯
続いて、猫にご飯を与えるベストな時間帯について解説します。
1日2回の場合は朝と夕方
1日2回ご飯を与える場合は、朝と夕方の時間帯が理想です。
猫は明け方と日没直後に活発になる「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」の動物のため、朝と夕方にお腹が空きやすい傾向があります。
また、子猫など1日3回に分ける場合は、朝・昼・晩か、朝・夕・深夜に与えるのがおすすめです。
均等な間隔に分けて与えるのがポイント
猫のご飯の時間は、なるべく均等な間隔に分けるのがポイントです。
例えば1日2回食、朝ご飯が7時の場合には夕方のご飯は19時頃に与えましょう。
1日3回食の場合は、7時、15時、23時と間隔を7~8時間程度に調整します。
もし猫が頻繁に吐く場合はご飯の回数を増やし、空腹時間が長くなりすぎないようにしてください。
- 1日2回:7時、19時
- 1日3回:7時、15時、23時
- 1日4回:6時、12時、18時、24時
猫にご飯を与える際のポイント
猫にご飯を与える際は、以下のポイントを考慮しましょう。
ご飯の切り替えは時間をかける
食事回数をはじめ、猫のご飯を新しいものに変えるときは、ゆっくり時間をかけることが大切です。
猫は急激な変化が苦手な動物なので、突然フードを変えると体調を崩したり、まったく食べなくなってしまったりすることがあります。
愛猫のご飯を変えるときは前に食べていたものに少しずつ新しいものを加えて、猫に余計なストレスがかからないようにしましょう。
回数や量は愛猫の様子をみながら調整する
計算式や給餌量の目安表など、猫の食事量を確認する方法はたくさんありますが、最適な量は猫の個性によっても異なります。
小食な人がいるように猫にも食が細いタイプはいるので、現在健康で痩せすぎているわけでなければ無理に食べさせる必要はありません。
また、理想的な食事回数を意識するあまり、いきなり回数や時間を変えてしまうと猫のストレスにつながります。
飼い主さんの過度な負担を避けるためにも、食事回数はお互いのライフスタイルに合わせて調整しましょう。
外出時のご飯は自動給餌機を活用する
決まった時間にご飯を与えるのが難しい場合は、自動給餌機が便利です。
自動給餌機はあらかじめ設定した時間にご飯を与えられるアイテムで、留守中や深夜の空腹対策に役立ちます。
最近ではスマホで遠隔操作できる商品やウェットフードに対応したものもあるので、気になるものを探してみましょう。
まとめ
個体差はありますが、成猫のご飯回数は1日2~3回が基本です。
子猫の場合は消化器官が未熟で一度に食べられるご飯の量が少ないため、1日3回以上こまめに与えてあげると良いでしょう。
また、猫のご飯の量を知りたいときは、フードのパッケージに記載されている給餌量目安を参考にしたり、安静時エネルギーや体重あたりに必要なカロリーから算出したりする方法があります。
今回の記事を参考に食事回数や量を調整し、愛猫との暮らしをより豊かにしてくださいね。
・子猫
生後3ヶ月未満:1日4~6回
生後3ヶ月以降:1日3~4回
・成猫:1日2~3回
・老猫:1日2~3回