風邪にも効果があり、どんな食事にでも合う万能野菜、好んで食べる方も多いネギですが実は猫ちゃんには絶対NGなお野菜です。
中毒症状を引き起こす成分が含まれており、最悪命に関わることもあります。
本来肉食で嗅覚も鋭い猫ちゃん達が独特な香りを持つネギを自ら好んで口にすることはあまりないかとは思いますが興味心が強く、なんでも口に入れてしまうようなやんちゃな子や嗅覚が落ちてきているシニアの猫ちゃんなどは誤って食べてしまう事があるかもしれません。
そこで今回はなぜ猫ちゃんはネギを食べてはいけないのか、食べてしまった時の症状や対処方法についてまとめてみました!
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/第一種動物取扱業登録/動物取扱責任者
JKC公認トリマー養成機関で2年犬や猫に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営。
猫ちゃんにネギがNGな理由
ネギに含まれている【有機チオ硫酸化合物】や【アリルプロピルジスルフィド】という成分。人間にとっては血液をサラサラにしたりと健康効果が期待できる成分ですが猫ちゃんにはとても危険な成分となります。
これらの成分は猫ちゃんの赤血球内にあるヘモグロビンを酸化させどんどん赤血球が破壊していく【溶血性貧血】という状態を引き起こします。
重度になると輸血が必要になるほど貧血が進んでしまう事も。
少量でも中毒症が出てしまう事があるため猫ちゃんにネギは禁忌とされています。
危険な量は?
体格や持病の有無にもよりますが1キロ当たり5~15gが中毒症状の出る危険量とされています。
ネギそのものをかじってしまう他、ネギが入っている料理を口にしてしまう事も危険。
有毒成分はどんなに加熱をしても壊れることなく残存します。
他の食材や調味料の香りがついていると猫ちゃんも率先して食べてしまう可能性があります。つまみ食いをしないよう、出来立てのお料理から目を離さないよう気を付けましょう。
誤食時の症状
ネギを誤食した場合、症状が出てくるまで24~48時間程度かかります。
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲低下
- 元気消失
- よだれ
- ふらつき
- 血尿
- 貧血
ふらつきや血尿が出ている時はかなり重度の症状が出ていると考えましょう。
貧血は歯茎の色で識別するとわかりやすいかと思います。
誤食直後何も症状が出ていなくても食べたことが確実であれば速やかに動物病院へかかられて下さいね。
万が一誤食した時は
万が一ネギを誤食してしまった場合はすぐに動物病院へかかります。
夜間であれば夜間救急にかかったほうが安心です。
症状が出ておらず、誤食から間もなければ嘔吐を誘発させ吐かせる処置が可能です。
もし症状が出始めてしまっている時は血液検査を行いつつ入院して解毒を進める治療を進めていきます。
毒素を体から消せるような特効薬はなく、点滴で代謝を促し自力で毒素を流し出せるようサポートするような治療がメインとなるでしょう。
溶血性貧血が進んでしまっているときは輸血も必要になることもあります。
もちろん処置は早ければ早い方が確実です。
大丈夫そうだから、と様子を見てしまうのはNGです。
まとめ
いかがでしたか?
まさか食べないだろう、と思っていても青い葉の部分をかじってしまうなど予想外の動きをしてしまうこともあります。
お買い物後はすぐに猫ちゃんの手が届かない場所へ片付けてしまいましょう。
誤食をしてしまった時は様子見せず動物病院を受診してください。
万が一に備え近隣で夜間診療を行っている動物病院を事前に調べておくと安心!
慌てず冷静に対処してあげてくださいね。
参考文献・参考サイト
環境省_ペットフード安全法基準規格等 [動物の愛護と適切な管理]