愛犬家の知り合いやネットの情報で「安いドッグフードはダメだよ」「安いドッグフードは長生きできないよ」と、そんな話を聞いたことがある、または目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
家族の一員である愛犬には、できるだけ体にいいものを食べさせてあげたい。
そう思うのは、どの飼い主さんも同じですよね。
でも、ドッグフードは毎日あげるものであり、それが10年以上続くことを考えると「少しでも安いものを選びたい」と思うのも自然なことだと思います。
では実際のところ、なぜ安いドッグフードは“ダメ”と言われるのか?
そして、よく聞く「安いドッグフードを与えると長生きできない」という話は本当なのでしょうか?
この記事では、犬の管理栄養士マスターの資格を持つ私が、その理由と背景をわかりやすく解説していきます。

この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹

安いドッグフードがダメと言われる3つの理由とは

安いドッグフードがダメ・良くないと言われるのには、大きく分けて3つの理由があります。
それぞれ、わかりやすく説明していきましょう!
安いドッグフードは原材料の質があまり良くない可能性がある

安いドッグフードは、コストを抑えるために、どうしても原材料の質が低くなりがちです。
例えば、食用としての「肉」には分類されない内臓や骨などの副産物を使って、原価を下げているケースがあります。
また、肉や魚よりも安く仕入れられる穀物を多く使って量をかさ増ししている商品も少なくありません。
ただ、犬はもともと肉食に近い雑食動物です。
そのため、穀物よりも肉や魚などの動物性たんぱく質のほうが消化しやすい体のつくりをしています。
穀物が多く使われたドッグフードは、消化に負担がかかり、うんちの状態が良くない原因になることもあります。
このように、原材料の質を落とすことで価格を下げているフードが多い、これが安いドッグフードが不安視される理由のひとつです。
安いドッグフードには添加物が多く体に負担をかけやすい

安いドッグフードは、原材料の質があまり高くない分、添加物で見た目や香りを補っていることがあります。
例えば、香りを強くして食いつきをよくする香料や、人の目においしそうに見せるための着色料が使われている場合があります。
こうした添加物の中には、一部の研究で発がん性が指摘されているものや、アレルギーの原因になる可能性があるものもあります。
本来、添加物はできるだけ少なく、使うとしても体にやさしい天然由来のものが理想です。
しかし安いドッグフードでは、嗜好性を高めるために油脂を多く使用しているケースが多く、その油の酸化を防ぐために、効力の強い人工の酸化防止剤が使われていることも少なくありません。
こうした点も、安いドッグフードが避けられがちな理由のひとつと言えるでしょう。
安いドッグフードは製造管理や安全性に関する情報が少ない

安いドッグフードの中には、製造している工場の衛生管理や安全性について、ほとんど情報が書かれていない商品も多くあります。
どんな環境で作られているのかわからないと、どうしても信頼性に不安を感じてしまいますよね。
また、パッケージに「国産」と書かれていても、実際には原材料はすべて海外産で、製造工程だけが国内というケースも少なくありません。
ただし、日本で販売されているドッグフードは、ペットフード安全法という法律のもとで管理されているため、
極端に神経質になる必要はありません。
それでも、安心して愛犬に与えるためには、どこで・どんな環境で・どのように作られているのかが明確に開示されているフードを選ぶことが、大きな安心につながりますね。
【まとめ】安いドッグフードがダメと言わる理由
- コストを抑えるために原材料の質があまり良くない可能性が高いこと。
- その質をカバーするために、添加物が多く使われやすいこと。
- 製造の安全性に関する情報が少なく、信頼しづらいこと。
もちろん、安いドッグフードでも、犬が生きていくための最低限の栄養バランスは考えられています。
ただ、全体的に見ると、犬の体よりも「コストの安さ」や「飼い主さんが選びやすい価格」を優先して作られている印象は否めません。
物価が上がり続ける中で、できるだけ出費を抑えたいという気持ちは、多くの飼い主さんが感じていることだと思います。
それでも、「安いから」という理由だけでフードを選んでしまうと、長い目で見たときに、愛犬の健康に影響が出てしまう可能性もあります。
だからこそ、価格だけでなく、中身や品質にも目を向けて選ぶことが大切ですね。
安いドッグフードは本当に長生きできないの?

正直なところ、安いドッグフードを食べさせたからといって、必ず長生きできない、すぐに病気になるといった明確な根拠はありません。
実際、高価なドッグフードを与えていても、若くして病気になる子や、早く亡くなる子もいます。
ただし、犬や猫の長寿に関する研究の中には、市販のペットフードよりも、手作りごはんを食べている子のほうが長生きしやすいという報告※もあります。
なぜ手作り食が長寿につながるのかは、まだはっきりとは解明されていませんが、ペットフードには添加物が多く使われることが多いことが、一因ではないかと考えられています。
つまり、添加物が多く含まれがちな安いドッグフードを長期間与え続けることで、少しずつ体に負担がかかる可能性があるということです。
とはいえ、安いドッグフードを食べたからといって、すぐに体に悪影響が出るわけではありませんので、過度に心配する必要はありません。
ただ、長い目で見たときに、添加物の多い食事を続けることが、愛犬の健康にマイナスになる可能性は十分に考えられるという点は、知っておいてほしいところですね。
本当にダメなのは安いドッグフードではなく愛犬に合っていないドッグフード

安いドッグフードは、原材料の質があまり良くなかったり、安全性がはっきりしないものも多く、決して安心して与えられるとは言い切れないのが正直なところです。
ただし、本当に問題なのは「安いドッグフードを与えること」そのものではなく、「愛犬に合っていないドッグフードを与えること」です。
現在、日本ではさまざまなドッグフードが販売されており、子犬・成犬・シニアといったライフステージ別、犬種別、アレルギー対策やダイエット用などの悩み別に、愛犬の状態に合わせて選べるようになっています。
例えば、成長期の子犬は、多くの栄養を必要とします。
その時期に成犬用のフードを与えてしまうと、栄養が足りず、体調を崩してしまうでしょう。
また、体重管理が必要な犬に、高脂質・高カロリーのフードを与え続ければ、肥満が進み、健康を損なうリスクも高まります。
だからこそ、価格だけで判断するのではなく、今の愛犬に合っているかどうかを基準にフードを選ぶことが何より大切なのです。
山本星海だからこそ大切なのは、今、愛犬がどんなフードを必要としているのかを知ることです。
安いドッグフードを選ぶこと自体は、決して悪いことではありません。
ただし、その子の体質や体調に合っているかは必ず確認しましょう。
値段よりも大切なのは、愛犬に合ったフードを選ぶことです。
愛犬に合ったドッグフードの選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
気になる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

高品質で安いドッグフードは「ネルソンズ」‼
ネルソンズは、中型犬におすすめのドッグフードです。
その理由のひとつが、1辺約1cmの三角形の粒。
程よく噛みごたえがあり、中型犬にぴったりですが、小型犬でも問題なく食べられる大きさです。
さらに、内容量はたっぷり5kg入りで、コスパの良さも大きな魅力です。
原材料の50%をチキンが占めており、使用されているのはヒューマングレードの食品工場から仕入れたチキン生肉。
つまり、人間が食べても問題ないレベルの品質です。
また、穀物不使用(グレインフリー)レシピなので、胃腸が敏感な子にもやさしく、消化に配慮されています。
さらに、体重5kgの避妊・去勢済み成犬に与えた場合の1日あたりコストは約182円※と、とても経済的。
クオリティを考えればかなりお得です。
「安いけれど安心できるドッグフードを探している」――そんな方には、ネルソンズを選択肢のひとつとしておすすめします。
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安いドッグフードの気になる疑問に専門家が回答!

- 安いドッグフードには必ず添加物が多い・注意したい添加物が入っているの?
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安いドッグフードすべてに、たくさんの添加物や避けたい添加物が入っているわけではありません。
ですが、私がこれまでに150種類以上のドッグフードを調べた中では、安いフードの多くに添加物が多く使われていたり、できれば避けたい添加物が含まれているケースがほとんどでした。
そのため、安いフードには高い確率で添加物が使われていると考えておいたほうがいいかもしれません。
冒頭でも伝えたように、原材料の質を補うために、香料や保存料などの添加物で工夫されているのが安いフードの特徴です。
これはある意味、仕方のないことともいえるでしょう。反対に、価格が高めのドッグフードは、素材そのものの栄養やおいしさを引き出すための調理法や、質の良い食材を使っているため、添加物が少ない傾向にあります。
もし「できるだけ添加物を避けたい」と思うのであれば、ある程度コストがかかるのは避けられないかもしれません。
- 安いドッグフードでも長生きはできるの?
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結論から言えば、安いドッグフードであっても、長生きする子はいます。
昭和58年ごろの調査では、犬の平均寿命はまだ8歳に届いていなかったとされています。
当時は、人間の残り物をそのまま与えることも多く、犬にとって必要な栄養が十分に摂れていなかったことが、寿命の短さに関係していたと考えられます。しかし現在では状況が大きく変わっており、アニコム家庭どうぶつ白書2024によると、犬の平均寿命は14.2歳と、当時の約2倍にまで延びているのです。
その大きな要因のひとつが、栄養バランスの整ったドッグフードが一般的になったこと。
昔と違って、毎日のごはんとしてドッグフードを与える飼い主さんが増えたことで、犬の健康状態が大きく改善されてきたのです。もちろん、安いドッグフードであっても、今は「総合栄養食」として必要な栄養がきちんと含まれているものがほとんどです。
だからこそ、「安いから」といって必ずしも長生きできないわけではありません。
愛犬に合っていて、きちんとした栄養バランスが保たれていれば、長生きできる可能性は十分にあると言えるでしょう。
安いドッグフードのまとめ

安いドッグフードの中には、「これはちょっと安すぎるかも…」と感じるものもありますよね。
そんなときは、一度パッケージの原材料をよく確認してみましょう。
中には、できれば避けたい内容が含まれているものも実際にあります。
それでも最終的に「与えるかどうか」を決めるのは、飼い主さん自身です。
また、「安いドッグフードを続けた結果、後々の医療費のほうが高くついた」なんて話も、あながちウワサだけとは言い切れません。
私たち人間と同じで、犬にとっても健康の土台は毎日の食事です。
価格の高いドッグフードは、犬が消化しやすい動物性タンパク質を中心に使っていたり、添加物にも配慮されていることが多いです。
そのため、より健康を考えるなら、あまりに安すぎるフードはおすすめしづらいというのが正直なところです。
とはいえ、高ければいいというわけでもありません。
コスパが良く、品質にもこだわったドッグフードはちゃんと存在します。
以下の記事では、そういったたコスパのいいフードをご紹介しています。ぜひ参考にして、愛犬にぴったりのフードを見つけてみてくださいね。




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