人間同様に、犬にも老いがあります。老犬(シニア犬)になると、体調不良や抱えるストレス原因で、ご飯を食べなくなることも少なくありません。
しかし、老犬でも生活に必要な栄養を取らないと、健康に悪影響を与えてしまいます。
そこで今回は、老犬がご飯を食べない原因を紹介します!
対応策も併せて紹介するので、愛犬の体調や食欲が気になる人は参考にしてください。
老犬がご飯を食べない原因
- ストレスからくるもの
- 体調不良によって食べなくなる
- 老齢からくる口内トラブル
- 消化機能の低下・代謝が悪くなる
老犬がご飯を食べないときの対策
- 愛犬とのコミュニティを増やす
- 咀嚼に負担がかからないようなフードにする
(例:ウェットフード、ペーストタイプ) - フードを食べやすい位置に調整する
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹
老犬(シニア犬)がご飯を食べないときの原因と対策
老犬がご飯を食べない原因は複数存在し、原因に合わせて対策をしなければなりません。
主な原因は、以下のとおりです。
ストレスや体調不良からくるものもあれば、老化からくるものもあります。
愛犬がどのような原因に該当するのかをチェックして、相応の対策をしましょう。
対策も併せて紹介するので、参考にしてください。
①ストレスが原因でご飯を食べない
犬は人間以上に、年を取るスピードが早いとされています。また、体にかかる負担も大きく、老犬になると運動量も減り、起きている時間よりも寝ている時間のほうが多いということも珍しくありません。
普段活発に運動をするような愛犬だと、体が思うように動かないことが原因でストレスを抱えてしまうことも多いです。
さらに、気持ちの面でもストレスがかかり、その影響からご飯を食べなくなることもあるとか。
そのほかにも、以下のことが原因とされています。
- 環境の変化
→引っ越しをした、フードを変えた、環境音が増えた - 飼い主とのコミュニケーション不足
→飼い主との触れ合いが少ない、散歩が減った - 飼い主と長期的に離れた
→入院した、長期的に検査をした
この場合、愛犬のメンタルケアとストレスのケアをすることが大切です。
ストレスが原因の対策
ストレスが原因でご飯を食べなくなった場合、愛犬をさまざまな方面からケアしましょう。
具体的な対策として挙げられるのは、以下のとおりです。
- 愛犬と一緒にいる時間を増やす
→コミュニケーションを多く取りメンタルケアをする
(例:軽く散歩に行く、一緒に寝るなど) - 愛犬が一人でいる時間を短くする
- 無理ない範囲で運動をさせる
愛犬の状況を思い出して、どういうことが負担になっているかを一度見つめなおしましょう。
そして、ストレスがかかりそうなことがあれば、解消する対策をします。
(例:一緒の時間を増やす、適度に運動をするなど)
また、ご飯を食べないことに対して、しつけの一環で叱る飼い主もいます。無理にフードを食べさせようとすると、ストレスがかかる原因になるため注意が必要です。
②体調が悪くご飯を食べない
老化から、体調が悪くなりご飯を食べなくなることもあります。
普段は元気だった愛犬が、いきなりご飯を食べなくなった場合は、体調不良が関係しているかもしれません。この場合、些細なことでも気づけるように、愛犬を観察しましょう。
チェックしたいポイントは、以下のとおりです。
- 鼻回り、嗅覚をチェックする
→鼻水が出ている、嗅覚が落ちている - 起きている時間よりも寝ている時間のほうが多い
- フードを選り好みする
これらを踏まえたうえで、なぜご飯を食べないのかを考える必要があります。
老犬になると、体調不良からさまざまな感染症・病気になりやすくなるため、食欲が落ちたときはよく観察することが大切です。
体調が悪いときの対策
体調が明らかに悪いと感じたら、動物病院への受診をおすすめします。原因を特定したうえで、与えるフードを考えましょう。
しかし、普段の体調チェックから原因を特定できる可能性もあるため、日常的にできる対策も紹介します。
- 嗅覚が落ちていると感じた場合
→匂いが落ち着いているフードに切り替える
→小分けパックのフードを与える
(開封してから時間が経過しているフードは風味が落ちているため) - フードを選り好みしている場合
→フードを変えて様子を見る
犬の老化が進むと、消化器官や肝臓に負担がかかり体調を崩すことがあります。
その場合は、獣医が監修しているフードに切り替えることも方法の一つです。
③口内トラブルでご飯を食べない
老犬は、体内だけではなく口内トラブルを引き起こしやすくなります。よくある例を挙げると、以下のとおりです。
- 歯周病
- 歯茎が縮む
→その影響から歯が抜ける - 口内が乾燥する
(唾液が減ることが原因)
歯周病や歯茎の衰えがあると、ドライフードを噛み切れずに痛みを感じることがあります。さらに、唾液の分泌が少なくなると、うまくフードを呑み込めずに吐いてしまうことも多いです。
この場合、口内トラブルに合わせた対策をすることが大切です。
愛犬の口回り・口内を見て、該当することがあれば対策を考えましょう。
口内トラブルの場合の対策
老犬の口内トラブルは珍しいことではないため、状況に応じた対策をしましょう。
歯周病ケアのフードもありますが、自宅で気軽にできる対策を紹介すると、以下のとおりです。
- 水分が多いフードに切り替える
(ウェットフード、パウチタイプがおすすめ) - ドライフードをふやかして与える
(ふやかしたときに出る汁も併せて与える) - 消化に良い手作りフードを与える
もっとも簡単にできる対策は、ウェットフードに切り替えることです。水分量が多いフードだと、噛む力が弱まっている老犬でも安心して食事ができます。
アレルギーがある愛犬は、ドライフードをふやかして与える対策もありです。しかし、ドライの状態に比べると、熱を加えることで栄養が落ちるため、ふやかした際に出る汁も併せて与えることをおすすめします。
手作りフードに関しては、アレルギーがある老犬には逆に負担になる可能性があるためあまり推奨はしません。
(アレルギーがない、アレルゲンを特定できている子にのみできる対策です)
さらに、ネットや書籍で学んだ生半可な知識だけで手作りフードを与えてしまうと、栄養が偏ってしまい危険です。そのため、市販のフードを与えることをおすすめします。
④消化機能や代謝が落ちご飯を食べない
犬の老化が進むと、消化機能の低下や代謝が落ちてしまい、ご飯を食べなくなることがあります。
犬の消化器疾患は種類があり、以下のような予兆があります。
- 嘔吐や下痢をしている
- 食欲の低下・変化
- おなかが膨れている
- 血便・粘膜便
- 便秘
- 体重の急激な増加・現象
- 腹痛
このような症状がみられる場合は、消化器疾患の可能性があります。症状が進行してしまうと、膵炎や大腸炎になる可能性があります。
そのため、症状に応じた消化器官のケアや代謝のサポートをすることが大切です。
無理にフードを与えようとすると、ストレスの原因にもなるので、愛犬の様子を見ながらしかるべき対策を考えましょう。
消化機能の低下の対策
消化機能の低下や、代謝が落ちた場合は、消化器官に負担がかからないような対策が必要です。
(具体的には以下のとおり)
- グレインフリーのフードを与える
(犬は穀物の消化が苦手で消化器に負担がかかるため) - 消化器サポートのフードに切り替える
- 運動量・体調に合わせて与えるフードの量を変える
- 1回あたりに与える量を調整する
(例:1日2回→1日3~4回に変える) - 1日に食べる量を把握して無理なく与える
トウモロコシや米などの穀類が、原材料に含まれている場合は、グレインフリーのフードに切り替えたほうが吉です。犬は、穀類の消化が苦手で消化器官の負担になるからです。
また、フードには1日当たりの給餌量の記載がありますが、あくまで目安として書かれています。
愛犬の体調や運動量に合わせて調整することが大切です。とくに、消化機能が低下している場合は、1日に食べる量を把握して、その子にあった適正量を与えるようにしましょう。
また、1日に与える回数も調整して小分けにして与えると、消化の負担も軽減できます。
補足:療法食は与えるべき?
体調不良からくる食欲不振で、療法食を検討する人も少なくありません。
消化器系のフードだと、”ロイヤルカナン・ヒルズダイエット”などから販売されています。
一般的に、療法食と呼ばれているものは、動物病院でしか購入できず、獣医師のサポートの元でのみ使用が許可されます。
確かに、食事を用いた治療の一環として、療法食を使うことはありますが、必ずしも体調が改善するかというとそうでもありません。
例えば、ロイヤルカナンが販売している”消化器サポート”のウェットフードには、”米粉・コーン”などの穀類が含まれています。
老齢で、消化機能が低下している子に対して与えるとなると、少しためらってしまいます。
選択肢の一つとして療法食があるだけで、必ずしも与えなければならないという意味ではないので、視野を広く持つことが大切です。
⑤老化が進み飲み込む力が低下してご飯が食べられない
老犬になると、飲み込む力が低下してしまいます。そのことが原因で、フードを食べなくなることがあるため対策が必要です。
さらに、フードを床置きしている場合は、体勢が負担になって食欲が落ちることもあります。
そのため、愛犬がフードを食べやすいように位置を調整したり、フードボウルを変えたりすることで、改善できる可能性があります。
愛犬によって体型が異なるので、それぞれの体に合わせた対策をしましょう。
飲み込む力が低下している場合の対策
飲み込む力が低下している場合にできる、フードの対策は以下のとおりです。
- 食事台を用意して食べやすい位置にフードを持ってくる
→首よりも少し下の位置にフードが来るように調整する - 丸形のフードボウルを使用する
→平型のフードボウルよりも角度がついたボウルのほうが食べやすいため - 飼い主で食事のサポートをする
→手から与えるか専用のスプーンを使って与える
自力でフードを食べられる子なら、位置を調整するだけで食欲が改善するケースがあります。
食べているときに負担にならないように、食事台を用意して首や背骨に負担がかからないような位置に調整しましょう。
また、フードボウルもおわん型になっているものに変えると、食べやすくなり負担が軽減されます。
シリンジ(注射器)を使って与える場合は、フードが入ってくる感覚になれていない子もいるため、正しい与え方をしなければなりません。
(具体的には以下のとおりです)
- 頭を高くした姿勢で上半身を起こす
(クッションや座布団で持ち上げましょう)
※顎のみを上げると誤飲して器官に入りやすくなるので要注意 - 口元から前胸にかけてペットシーツやタオルを敷く
- シリンジを使ってゆっくり流動食を与える
- フードと合わせて水もゆっくり与える
- 与え終えたら口周りを拭き20~30分ほど様子を見る
※シリンジで与える場合は細かく粉砕すると与えやすくなります
※愛犬への負担を考え短時間で与えましょう
フードを食べたいのに食べられないということがストレスになるため、さまざまな方法で与えましょう。
シリンジ以外にも、ペースト状にして食べやすいようにするのもよいですし、ふやかして舌先にのせるような与え方でもよいです。
愛犬のことを考えながら、与え方を調整していきましょう。
まとめ
老犬になると、ストレスや体調不良から食欲が低下することがあります。その影響から、ご飯を食べなくなることも珍しくありません。
この場合、愛犬の体調に合わせて、フードを食べるようにしかるべき対策をすることが大切です。
改めて、原因と対策をまとめると、以下のとおりです。
- ストレスが原因でご飯を食べない
→ストレスを解消するように努力する - 体調が悪くご飯を食べない
→体調不良の原因を確かめてしかるべきフードを与える - 口内トラブルでご飯を食べない
→食べやすいようにフードを切り替える - 消化機能や代謝が落ちご飯を食べない
→グレインフリーのフードにしたり与える量を調整する - 老化が進み飲み込む力が低下してご飯を食べない
→食べやすい位置に調整する
このように、原因に合わせてさまざまな対策があります。
愛犬がなぜご飯を食べないかを特定する必要があるので、観察したうえで何が原因なのかを調べましょう。
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