ドッグフードの安全性は国で違う?世界の犬に関する法律を比較してみた!

愛犬は、私たちにとって大切な家族の一員。だからこそ、毎日与えるフードの“安全性”にはしっかりこだわりたいですよね。

ドッグフードの安全性を左右するのは、原材料の質だけではありません
実は、「どこの国で作られているか」も大きく関係しているんです。

では、日本で販売されているドッグフードは本当に安心といえるのでしょうか?

この記事では、犬に関する法律が厳しく、ドッグフードの安全性も高いとされる国々を紹介
さらに、「安全そうに見えて実は注意が必要な国」や「日本の犬の法律やドッグフード事情」もわかりやすく解説していきます。

こちらで安全な海外産ドッグフードを紹介しています。

目次

犬の法律が厳しい国はここが違う!

世界には、「動物愛護法」や「動物保護法」など、ペットの健康や安全を守るための法律が多く存在しています。

その内容は国によってさまざまですが、一般的に「ペット先進国」と呼ばれる動物愛護の意識が高い国ほど、動物に関する法律も厳しく整備されています。

中には、動物保護に関する規定が“憲法レベル”で定められている国もあります。
憲法とは、その国のあらゆる法律の土台となる最も重要なルールであり、改正にはとても高いハードルが課されているのです。

さらに「犬を長時間ひとりぼっちにしてはいけない」「1日2回以上、計3時間以上は外に連れて行くことが義務」など、日本ではあまり考えられないような法律が存在する国もあります

それではここから、実際に犬の法律が厳しい国をいくつか紹介していきましょう。

犬の法律が厳しく、ドッグフードの安全性も高いとされる国

犬の法律が厳しい国は、ペットを大切にする「ペット先進国」として知られるヨーロッパを中心に多く見られます。

これらの国では、犬の飼育環境だけでなく、与えるフードの品質や流通にも厳しい基準が設けられており、結果としてドッグフードの安全性が高い傾向にあります。

ここでは、私が調べた中で特に動物福祉に力を入れている国々を紹介しましょう。

※本記事では、調査に基づき確認できた範囲の情報を掲載していますが、各国にはここで紹介しきれない法律やルールも存在します。あらかじめご了承ください。

ドイツ

  • 犬税制度:無責任な飼育を防ぎ、飼育頭数を制限するために「犬税」が導入されています。
  • 飼育環境の規定:犬は「自然光の入る部屋」で飼育する必要があります。
  • ティアハイムの存在:広大な動物保護施設「ティアハイム」が各地にあり、殺処分ゼロを目指す取り組みが進められています。
    実際に犬猫の殺処分0が達成されている。
寺田紗千

ドイツ産のペットフードの原材料はすべてヒューマングレード(人間の消費に適合する様に生育されたもの)でなければならないという規則があります。

スイス

  • マイクロチップ義務化:犬にはマイクロチップを装着し、中央データベースへの登録が義務付けられています。
  • 販売規制:犬を販売する際は、販売者の氏名・住所、犬の血統情報などの詳細を明記する義務があります。

フランス

ペットショップでの販売禁止:2024年1月以降、ペットショップでの犬猫の販売が禁止されました。保護団体立会いのもとでのみ、保護犬猫の紹介が可能です。

スペイン

  • 飼育前講習の義務化:犬を飼う前には、講習の受講が義務付けられています。
  • 放置の禁止:犬を24時間以上放置することは禁止。
  • 運動の義務:必要に応じて毎日散歩をさせることが法律で明記されています。
  • 「家族の一員」としての扱い:犬は法的に家族の一員とされ、清潔で健康的な状態で飼育することが求められます。
  • マイクロチップ装着義務
  • ペットの共同親権制度:離婚などの場合にはペットの親権を共有できる制度も導入されています。

イギリス

  • 販売規制:ペットショップにおける生体販売は禁止。生後6ヶ月未満の犬猫を迎える際は、ブリーダーまたは保護シェルター経由に限定されています。
  • 花火に関する規制:動物に悪影響を及ぼす花火の音などを避けるため、自治体が「花火禁止区域」を定めることができます。
  • RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)
    世界最古かつ最大規模の動物福祉団体である「RSPCA(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals)」が設立されています。1824年に創設されて以来、法律の整備や市民の啓発を通じて、動物の権利を守る活動を精力的に展開しています。

スウェーデン

  • ペットショップなし:ペットショップでの犬の販売は行われておらず、ブリーダーによる厳格な審査が必要です。
  • 飼育規定:ケージでの終日飼育や6時間以上の留守番は禁止されています。
  • 公共交通機関の利用:賃貸でのペット飼育申請は不要で、電車やバスにもリードのみで同乗可能です。

ニュージーランド

  • 医療処置の規制:犬の狼爪を切除する場合は、必ず獣医師による鎮痛剤の使用が義務付けられています。
  • マイクロチップ装着義務
  • 排泄物の処理義務:飼い主はペットの糞などを適切に処理する責任があります。

オランダ

  • アニマルポリスの設置:約250人の専門警察官による「アニマルポリス」が設置され、24時間通報が可能です。
  • 加害者への飼育禁止措置:動物虐待を行った者には、動物飼育を禁じる措置が取られることがあります。
  • 殺処分ゼロの実現
  • 短頭種の繁殖禁止
  • 犬税の導入(地域による)

アメリカ

  • 販売規制:カリフォルニア州ではペットショップでの犬猫・ウサギの販売を禁止。
  • 車内放置に関する法律:危険な状況での動物の車内放置を禁じており、救出した市民には訴訟免除が与えられる州もあります。
  • 車内輸送時の安全対策:犬を車に乗せる際にはシートベルトや安全対策が義務。
  • 飼育放棄の罰則:24時間以上の放置は動物虐待とみなされ、処罰対象となります。

ドッグフードが安全そうに見えても実は危ない?注意したい国は?

犬に関する法律が整っていても、ペットフードに関しては事情が異なる国もあります。
また、必ずしも危険とは言えなくても、フードによっては注意が必要な国もあるため、そうしたポイントも含めて詳しく見ていきましょう

アメリカ

アメリカはドッグフード大国ともいえるほど、とても多くのブランドや種類のフードが販売されています。

その多くが、ペットフードの栄養基準や表示ルールを定めているアメリカの団体「AAFCO(米国飼料検査官協会)」の基準を満たしています。
AAFCOの基準をクリアしていれば、そのフードと水だけで栄養がまかなえるとされています。

しかし、AAFCOはあくまで栄養バランスや表示に関する基準であり、「食材が安全かどうか」「製造管理がどうか」といった安全性の部分までは保証していません
つまり、AAFCOの基準を満たしているからといって、必ずしも高品質なドッグフードとは限らないのです。

アメリカ製のドッグフードには、人間も食べられるヒューマングレードの食材を使った良質なものもあれば、動物性副産物や人工添加物が使われているものも存在します。
ブランドやメーカーによって品質のばらつきが大きいため、「アメリカ製=安全」と思い込むのは注意が必要です。

そのため、アメリカ産のドッグフードを選ぶ際は、原材料の内容や産地、製造元の信頼性、公式サイトの情報がしっかりしているかなどを確認し、自分の目で見極めることが大切です。

東南アジアを中心としたアジア諸国

東南アジアを中心としたアジア諸国では、労働力や原材料コストが低いため、ドッグフードの製造コストも安く済みます
そのため、こうした地域で作られたドッグフードは価格が安いのが特徴です。

ただし注意点として、以下のようなリスクも。
動物用飼料としての基準があいまいな場合がある
・特に高温多湿な地域では、保存状態や流通過程に不安がある

もちろん、アジア製=危険というわけではありません。日本だってアジアの一部ですからね。
大切なのは、「原材料が明確に記載されているか」「製造や品質管理についてしっかり情報があるかどうか」。

たとえアジア製でも、信頼できるメーカーがしっかり管理していれば、安全なフードもたくさんあります。
産地だけで判断せず、中身の情報をよく確認するようにしましょう。

日本における犬に関する法律やドッグフード事情を解説!

ここまで、各国の犬の関する法律やドッグフード事情を見てきましたが、日本ではどうなのでしょうか?
日本における犬に関する法律や、ドッグフードの安全性についてもあらためて確認してみましょう。

日本の犬に関する法律は?

日本には「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」があり、「動物は命あるもの」として適切に扱うべきだとされています。

この法律では、
・繁殖を防ぐための不妊・去勢手術
・動物由来の感染症について正しく理解し、予防のために注意すること

などが「努力義務」として定められています。つまり、推奨されてはいるものの、必ず守らなければならないわけではなく、罰則はありません。

一方で、販売される犬や猫については、マイクロチップの装着と所有者情報の登録が義務化されています。

また、愛護動物を故意に傷つけたり命を奪ったりした場合には、5年以下の懲役または500万円以下の罰金といった刑罰が科されます。

とはいえ、憲法にまで動物の権利を明記している国と比べると、日本の法制度はまだ比較的ゆるやかだといえるでしょう。

日本のペットフードに関する法律は?

日本では、平成21年(2009年)6月1日から「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」が施行されています。

この法律では、ペットの健康に悪影響を及ぼす恐れのあるペットフードの製造・輸入・販売を禁止することが可能です。
日本国内で流通するペットフードについても監視が行われ、問題が発生した際には、農林水産大臣や環境大臣がその商品の回収や廃棄を命じることができます。

また、ペットフードの輸入業者や製造業者には事前の届出が義務付けられており、万が一トラブルが起きた場合も、迅速な対応が可能となっています。

このように日本でもペットフードの安全性が少しずつ高まってきていますが、ヨーロッパを中心としたFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)では、HACCP(ハサップ)を導入していたり、ドイツではすべての原材料がヒューマングレード(人間が食べられる品質)でなければならないなど、安全基準の高さでは他国にまだ及びません

今後は、日本でもこうした“ペット先進国”に近づくような法律や基準が整っていくことに期待したいですね。

寺田紗千

ただし、日本の中にも、ヒューマングレードの食材を使ったり、国産で産地を明確にしているなど、安全性にこだわって製造しているメーカーもあります。
そのため、「日本は他の国に比べて基準が低い」と一概に決めつけるのではなく、きちんと情報を確認して選ぶことが大切です。

まとめ

ドッグフードの「安全性」を考えるうえで大切なのは、原材料の質だけでなく、「どこの国で作られているか」や、その国の法律や基準も大きく関わってきます

ヨーロッパを中心としたペット先進国では、犬の福祉を守る法律が厳しく整備されており、ドッグフードにも高い安全基準が設けられています。
一方、日本でも動物愛護法やペットフード安全法の施行により、ペットを守るための法整備が進んできていますが、海外のような厳格な基準にはまだ届いていないのが現状です。

とはいえ、日本産でもヒューマングレードの食材を使うなど、品質や安全性にこだわったドッグフードを作っているメーカーも多く存在します。

大切なのは「どこの国製か」だけで判断するのではなく、原材料や製造管理、メーカーの情報をしっかり確認すること
家族の一員である愛犬の健康を守るためにも、“信頼できるドッグフード選び”を心がけていきましょう。

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この記事を書いた人

Dog salon Star seaの専属ライターです!10歳になるチワックスと仲良く暮らしています。取得した知識を活かしワンちゃんに関する記事を執筆していきます!
保有資格:犬の管理栄養士犬の管理栄養士アドバンス犬の管理栄養士マスター

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