犬が熱中症になってしまったときの症状とその対処法は?熱中症を予防する対策も徹底解説!

2024年の夏は全国的に記録的な暑さが続き、厳しい高温がたくさんの方々の生活に影響を与えました。
その影響で、人間だけでなく犬も熱中症へのリスクが高まっています。

犬の熱中症は身近に起こりますが、放置すると命に関わることもあるため、飼い主さんの早急な判断と対応が大切です。

そこで今回は、暑さが厳しくなる季節に備えて、犬が熱中症になったときの症状や対処法、さらに熱中症を予防のための対策を分かりやすくご紹介します!

目次

犬も熱中症になるの?

暑い日は、犬も人間と同じように熱中症になることがあります。
熱中症とは、体温調節がうまくいかず、体温が異常に上がることで起こる状態です。

これにより、ふらつきや脱水症状を引き起こし、最悪の場合、命に関わることもあります。

犬は全身が毛に覆われているため、寒さには強いですが、暑さには弱い動物です。特に人間のように汗をかいて体温を下げることができず、「パンティング」と呼ばれる舌を出して呼吸する方法でしか体温を調整できません

そのため、犬が熱中症にならないように、飼い主がしっかりと予防策をとることがとても大切なのです

犬の熱中症のサインとは

犬の熱中症には、気づきにくい軽い症状から、進行すると中度の症状、さらに命に関わるような重い症状までさまざまな段階があります。

それぞれの症状のサインを見逃さないように、しっかり覚えておくことが大切です。

ここでは、犬が熱中症を発症した際に見られる症状を段階ごとにわかりやすく紹介します。

軽度症状

犬が熱中症になり始めた際に見られる最初の症状は、パンティングとよだれが多く出ることです。

パンティングは、体内の熱を逃がすために呼吸が速くなる状態です。それに加え、よだれが多く出るといった症状も見られることがあります。

ただし、これは運動後にもよく見られるため、熱中症のサインと気づかず見逃してしまうことが多いです。

さらに熱中症が進行すると、舌や口の中が赤く変色したり、体温が40℃以上に上がるといった症状が現れます。

中度症状

熱中症の軽い症状を見逃してしまうと、さらに悪化する可能性があります。

症状が中度に進行すると、次のような症状が現れることがあります。

  • 嘔吐・下痢
  • フラフラしている
  • うまく立ちあがれない

このような症状が見られた場合は、早急な対応が必要です。重度の状態に進行しないよう、早めに適切な処置を行う必要があるでしょう。

重度症状

中度症状からさらに進行すると、下記のような症状が表れます。

  • けいれん
  • 呼びかけに反応が薄い・反応しない
  • チアノーゼ(口の中や舌が青くなる)
  • 吐血、血尿・血便

これらの症状が現れた場合は、一刻を争う状況です。冷静さを保ちながらも、速やかに適切な対処を行うことが重要でしょう。

犬が熱中症になったときの対処法

これまで熱中症の症状を段階ごとに説明しましたが、ここからは、万が一犬が熱中症になってしまった場合に、飼い主が取るべき対処法を紹介していきます。

軽度の場合はまず体を冷やすこと

軽度の症状が現れた場合は、まず体を冷やすことが最優先です。以下の方法で適切に対応しましょう。

  • 涼しい場所に移動する
  • 水道水で体を濡らす
  • 濡れたタオルを体にかけて、さらに風を当てて冷却を促す
  • 水を飲める状態であれば、少しずつ水分補給をさせる

犬の体を冷やす際は氷水は使用しないでください。冷たすぎる水をかけると血管が収縮して熱が体内にこもり、冷却効率が悪くなります。必ず水道水を使用してください。

体温が39.5℃まで下がったら、速やかに動物病院で診てもらいましょう。体温が下がった後でも内臓にダメージが残っている可能性があり、急変する危険性があります。必ず動物病院受診して、診察を受けてください。

中度・重度の場合は体温を下げながら大至急病院へ!

中度・重度の熱中症の場合は、一刻も早く動物病院を受診する必要があります。

車で搬送する場合は、クーラーを最大限に効かせて涼しい状態を作り、搬送の準備を整えましょう。

脇の下、首の頸動脈付近、鼠径部(脚の付け根)など、大きな血管が通る部分を重点的に冷やします。脳障害を防ぐためにも頭も冷やしておきましょう。

病院へ向かう前に、愛犬の状態や体温などを電話で伝えておきましょう。病院に到着後、事前に愛犬の状態を伝えておくことで、迅速に対応してもらえますよ。

飼い主の応急処置と対応が、愛犬の命を救う大きなカギとなります。いざというときに備えて、対処法をしっかり覚えておくといいですね。

犬の熱中症を防ぐ対策

犬の熱中症は、室内でも室外でも起こりうる可能性があります。

ここでは、室内と室外それぞれで取れる熱中症予防の対策について紹介します。

室内で防ぐ熱中症対策

室内でも、クーラーを使用せず高温や多湿の環境では犬が熱中症を発症する可能性があります。

室内の温度を26℃以下に保ち、湿度も適度に調節しましょう。エアコンや除湿機を活用すると効果的です。

涼しい室内であっても直射日光が当たる場所は温度が高くなるため、犬がそこにいることは避けてください。

さらに、犬がいつでも新鮮な水を飲めるようにしておくことが重要です。暑い日は水をこまめに飲んでいるか確認して、飲みやすい状態を保つといいでしょう。

このような対策を徹底することで、室内での熱中症リスクを減らすことができます。

車内の場合

狭い車内は、外気温がそれほど高くなくても、締め切った状態だと短時間で高温になり、熱中症のリスクが高くなります。

車内では必ずエアコンをかけ、短時間でも犬を車内に置き去りにすることは絶対に避けてください。

夏だけではなく、春や秋など天気がいい日でも車内では熱中症のリスクが高いことを覚えておきましょう!

室外で防ぐ熱中症対策

最近では室外で飼われている犬は少なくなりましたが、もし室外で飼っている場合は、暑い日中には玄関や涼しい場所に移動させてあげることが大切です。

また、散歩は気温が下がる早朝や夕方など、涼しい時間帯に行いましょう。犬は人間より地面に近い分、熱の影響を受けやすく、私たちが感じる以上に高温な環境にさらされています。

特にアスファルトは熱を吸収しやすく、夏場には地表温度が50℃から60℃に達することもあります。夕方でも熱が残っている場合があるので、散歩前に手で地面の温度を確認するようにしてください。

散歩中は、こまめな水分補給が重要です。急な脱水に備えるには、経口補水液や薄めたスポーツドリンクを与えるのも効果的です(人用のものを使用する場合は、水で半分程度に薄めてください)。

さらに、散歩時の熱中症対策として、首を冷やすクールネックなどのアイテムを活用するのもおすすめです。愛犬が快適に過ごせるよう、しっかりと暑さ対策を行いましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、犬が熱中症になった際の段階ごとの症状と、その対処法について紹介しました。

熱中症は初期の段階で適切な処置を行えば、ほとんどの場合、その後も元気に過ごせます。しかし、初期の症状を見逃して重症化すると、後遺症が残ったり、命を救うのが難しくなることもあります。

そのため、犬が熱中症にならないよう予防策を講じることや、万が一の際に素早く応急処置ができるよう知識を身につけておくことが大切です。

この記事を参考に、暑い夏を愛犬とともに乗り越えていきましょう。

この記事を書いた人

山本 星海のアバター 山本 星海 Dog salon Star sea オーナー

この記事を書いた人

保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海

JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを2018年に開業、犬のトリミングやドッグフードの販売を行う。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹

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