愛犬の涙やけに悩まれている方の中には、「犬の涙やけは、どうすれば改善できるの?」「愛犬を綺麗に目元にしてあげたい!」そう思うことはありませんか?
犬の涙やけは原因をしっかり見極め正しい対処法を行うことによって、改善させることができます。
この記事では、飼い主さんが犬の涙やけについてしっかり理解し、愛犬の涙やけを改善・綺麗にする方法について獣医師が解説していきます。
ぜひ、飼い主さんは、本記事を読んで、愛犬の涙やけを改善させていきましょう。
宮崎大学農学部獣医学科卒業後、関西の動物病院に勤務。
大学では、循環器内科を専攻し、現在も循環器を得意分野として診察を行う。
獣医師として、飼い主さんの悩みに寄り添い、信頼できる正確な情報を多くの人にお届けできたらと思い情報発信を行なってます。保有資格:獣医師国家資格
犬の涙やけとは?
犬の涙やけは、目の下の毛に溢れ付着した涙が酸化したり、紫外線に当たったりすることで、赤茶色に変色してしまう状態のことです。
犬の涙やけが、愛犬の健康に害を与える可能性は低いですが、目の疾患や食物アレルギーなどの病気によって涙やけが起こっている可能性があるので注意が必要です。
また病気でなくても、涙やけは、細菌が増殖し不快なニオイを発したり、見た目が不潔になってしまう場合がありますので、飼い主さんは日々のケアを行ってあげるようにしましょう。
次の章では、犬の涙やけの原因について解説していますので、愛犬の涙やけがどういった原因により起こっているのかをチェックしてあげましょう。
犬の涙やけの原因4つと原因別対策・改善法
犬の涙やけの原因は主に以下の4つが考えられます。
- 鼻涙管閉塞などの涙の排泄障害
- 眼瞼内反症・逆まつげなどの刺激・異物
- 目の疾患による炎症
- 食事内容・食物アレルギー
それぞれの原因について対策方法も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
鼻涙管閉塞などの涙の排泄障害
涙やけは、涙の排泄障害が原因の1つとして考えられます。
涙の排泄障害を引き起こす代表的な疾患として、鼻涙管閉塞が挙げられます。
鼻涙管は、目から鼻の穴にかけて涙を運ぶ管のことです。
この鼻涙管がなんらかの原因により閉塞していたり、曲がっていたりすると涙がうまく排泄されず、目から溢れ出てしまいます。
そして、目から溢れ出た涙が目の下の毛を濡らし、変色することにより涙やけが形成されていきます。
飼い主さんが、涙の排泄障害による涙やけを改善するためには、以下のような対策が考えられます。
涙の排泄障害による涙やけの対策
- 鼻涙管洗浄を行う
- 鼻涙管周囲のマッサージを行う
- ホットタオルで鼻涙管周囲を温める
鼻涙管洗浄は、鼻涙管に細い管を入れ、生理食塩水で鼻涙管の詰まりを洗い流すという処置です。
しかし、犬が、なかなか処置させてくれないことも多いので、鎮静や麻酔が必要になることもあります。
お家でできる対策としては、鼻涙管周囲のマッサージやホットタオルで鼻涙管を温めるといった方法が考えられます。
飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。
眼瞼内反症・逆まつげなどの異物による刺激
涙やけの原因が異物による刺激の場合があります。
こうした刺激の原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 眼瞼内反症・・瞼が内側の眼球に向かい巻き込まれており、眼球を刺激する
- 逆まつ毛・・まつ毛が内側に向かって生えており、眼球を刺激する
- 毛やゴミ、ハウスダスト、花粉などによる刺激
眼球への慢性的な刺激が続くと、目が充血してくることもありますので、飼い主さんはチェックしてみてください。
飼い主さんがこの涙やけにできる対策としては、以下の通りです。
眼瞼内反症・逆まつげなどの異物による刺激への対策
- 眼瞼内反症、逆まつげによる涙やけの場合は、手術適応になる可能性あり。一度、動物病院を受診するようにしましょう
- 毛やゴミなどの刺激の場合は、目薬を点眼して洗い流してあげる
- 目の周りの毛が長い場合は、定期的にトリミングに連れて行く
眼瞼内反症や逆まつ毛は、生まれつきの疾患であることが多いです。
もし、子犬の頃から、涙やけがひどい場合は、一度動物病院でしっかりと目の状態を見てもらうことをおすすめします。
基本的に、目の中に毛やゴミが入っている場合には、目薬をたっぷりと点眼してあげて異物を洗い流してあげましょう。
洗い流したら、しっかりと濡れた部分を拭き取り乾燥させるようにしてください。
また、シーズーのように毛が長かったり、トイプードルのようなくるくるした毛をもつ子は、目に毛が入ることで眼球を刺激します。
愛犬がこのような犬種に該当する場合は、定期的にトリミングサロンに連れて行き、目の周りの毛を短くカットするようにしましょう。
目の疾患による炎症
目の疾患による炎症が原因となって涙やけが起こる場合があります。
涙やけを起こす目の疾患は
- 角膜炎
- 結膜炎
- 緑内障
- ドライアイ
- ぶどう膜炎
- マイボーム腺の機能不全
など、他にも多く存在します。
こうした目の疾患では、以下のような症状があらわれる場合があるので飼い主さんは要チェックです。
- 目を開けずらそうにする
- 目が充血している
- 目やにの量、色、ニオイがいつもと違う
- 目が白く濁っている
- 目の大きさが左右不対称
上記のような症状が涙やけと共にあらわれた場合、なんらかの目の疾患が隠れている可能性があります。
中には、緑内障などの緊急性のある目の疾患もありますので、飼い主さんは早めに動物病院に連れて行くようにしてあげましょう。
食事内容・食物アレルギー
食事内容や食物アレルギーによって、涙やけが起こる場合があります。
食事が体に合わないと、涙と一緒に排出される老廃物の量が増加し、涙やけが悪化してしまします。
特に食物アレルギーがある場合には、目の充血、痒みを引き起こし、炎症産物を含んだ涙が過剰に産生され、涙やけが悪化します。
食事が体に合わない場合や、食物アレルギーを疑われる場合には、以下のような症状が認められます。
- 排便回数が多い(1日4回以上)
- 軟便気味
- おならやガスが多く出る
- 体中の痒みが出る
- 被毛がガサガサになる
食事が体に合うかどうかは、うんちや皮膚の状態に反映されることが多いです。
愛犬の涙やけの原因が食事内容や食物アレルギーが疑わしい場合は、以下の対策をとるようにしましょう。
食事内容・食物アレルギーによる涙やけの対策
- アレルギー食や消化の良いフードに変える
- おやつや人間のご飯をやめる
- 食物アレルギー検査を受ける
まずは、アレルギーに配慮したアレルギー食や消化の良いフードを与えてあげましょう。
また、おやつや人間のご飯を与えている場合は、与えることを控えてあげましょう。
こうした、食べ物は犬に合わない場合が多く、涙やけの原因になります。
アレルギー食以外にも、何か食材を食べさせてあげたい場合には、食物アレルギー検査を行うことをおすすめします。
食物アレルギー検査は、何を食べたらよいか、何を食べたらダメかがはっきりとするので、愛犬に食べさせてもよいものを見つけてあげたい飼い主さんにはおすすめです。
涙やけになりやすい犬種は?
涙やけを起こしやすい犬種は、以下の通りです。
- 鼻涙管閉塞を起こしやすい犬種
トイプードル、マルチーズ、チワワ - 眼瞼内反症・逆まつげを起こしやすい犬種
シーズー、パグ、フレンチブルドック - 目の疾患が多い犬種
・緑内障
柴犬、コッカー・スパニエル、シーズー - 角膜炎
シーズー、パグ、チワワ - ドライアイ
コッカー・スパニエル、シーズー、パグ - 結膜炎
コッカースパニエル、シーズー、パグ - ぶどう膜炎
秋田犬、サモエド、ゴールデンレトリーバー - 食物アレルギーを起こしやすい犬種
柴犬、フレンチ・ブルドッグ、シーズー
愛犬が上記の犬に該当する場合には、涙やけに注意が必要です。
特に、コッカー・スパニエル、シーズー、パグ、フレンチ・ブルドックのような目の大きな犬種や鼻がぺちゃんこの短頭種に涙やけが多いです。
日本犬としては、柴犬は緑内障、食物アレルギーなどを起こしやすい犬種として有名です。
また、秋田犬もぶどう膜炎の好発犬種として知られています。
愛犬に起こりやすい疾患を理解し、涙やけや目の異常が見られた場合には、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
お家でできる犬の涙やけのケア・予防方法3選
お家でできる犬の涙やけのケア・予防方法は以下の3つです。
- 食事を見直す
- 生活環境を見直す
- こまめに拭き取る
それぞれについて詳しく解説していきます。
食事内容を見直す
愛犬の涙やけが気になる場合は、食事内容を見直してあげましょう。
食事が体にあっていないと体内の老廃物や炎症産物が増加し、涙やけが増える原因となります。
愛犬のドッグフードを変更するだけで、涙やけの症状が緩和されることがあります。
涙やけにお悩みの犬におすすめのドッグフードは以下の通りです。
- 消化の良い低脂肪なフード
- 良質なタンパク質を使っているフード
- 甘味料や着色料などの添加物が含まれていないフード
ドッグフードに含まれる脂肪分は10%程度のものを選んであげるようにしましょう。
また、ドッグフードに含まれるタンパク質も良質なものを選んであげることが大切です。
良質なタンパク質が含まれているドッグフードとは、ドッグフードの成分表に「チキン」「サーモン」「ラム」など原材料のタンパク質が明記されているものです。
さらに、甘味料や着色料、保存料などの無駄な添加物が含まれているものは避けるようにしてあげましょう。
ドッグフードのパッケージに記載されている成分表を確認することで、上記のポイントを満たしているかどうか判断してあげましょう。
これらのポイントを満たしても、涙やけが続いている場合には、食物アレルギーの可能性があります。
食物アレルギーの症状が他にないかチェックしてみましょう。
- 排便回数が多い(1日4回以上)
- 軟便気味
- おならやガスが多く出る
- 体中の痒みが出る
- 被毛がガサガサになる
こうした症状を認められる場合には、食物アレルギーの療法食を与えたり、食物アレルギー検査を行ったりすることをおすすめします。
まずは、動物病院を受診して獣医師さんに相談してみるようにしましょう。
生活環境を見直す
愛犬の涙やけを改善させるためには、生活環境を見直してあげるようにしましょう。
飼い主さんが見直す生活ポイントとしては以下の通りです。
- 定期的な散歩を行う
- 十分な飲水量を摂取させる
- 花粉やハウスダストなどのアレルゲン除去する
定期的な散歩は、愛犬の代謝をあげるために必要です。
運動量が不足すると、代謝が低下し、体内に老廃物が貯まり涙やけの原因になります。
小型犬では、1日15分程度、中大型犬では、30分程度散歩を行うようにしましょう。
また、十分な飲水量を摂取させてあげましょう。
愛犬の飲水量を確保するためには、以下のような対策が考えられます。
- ドライフードをふやかして与える
- ウェットフードを与える
- 水飲み場を複数個設置する
健康な子の場合、体重1kgあたり60~80ml程度の水を飲ませるようにしましょう。
さらに、環境中の花粉やハウスダストなどのアレルゲンを除去することも大切です。
部屋をこまめに掃除し換気したり、空気清浄機などを使ってアレルゲンを除去するようにしましょう。
こまめに拭き取る
愛犬の目元が涙や目やにで濡れていると、涙やけを引き起こす原因となります。
飼い主さんは、愛犬の目元をこまめに拭き取るようにしてあげましょう。
以下のような方法がおすすめです。
- 温めたホットタオルで目元を温めながら拭き取る
- 目やにや汚れで毛が絡まっている場合は、コームで汚れを取る
- ドライタオルでしっかりと乾燥させる
ホットタオルを用いることで、目元の鼻涙管などの血流を良くすることができます。
目やにや汚れなどの老廃物も涙やけの原因となるので取り除いてあげることも大切です。
また、目元が濡れたままだと涙やけを改善させることは難しいので、綺麗にしてあげた後には、最後にしっかりと目元を乾燥させるようにしましょう。
まとめ
本記事では、犬の涙やけの原因や対処方法について解説してきました。
犬の涙やけの原因4つをおさらいしておきましょう。
- 鼻涙管閉塞などの涙の排泄障害
- 眼瞼内反症・逆まつげなどの刺激・異物
- 目の疾患による炎症
- 食事内容・食物アレルギー
犬の涙やけは、食事内容や愛犬の健康状態を反映しています。
また、涙やけが悪化した場合には、目の疾患が隠れていることが考えられますので注意が必要です。
犬の涙やけは、原因に合わせて対処し、お家でのケアを継続的に行うことで改善していきます。
ぜひ、愛犬の涙やけを改善させ、綺麗な目元で生活を送れるようにしてあげましょう。
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