ミニチュアシュナウザーの特徴って?性格や飼い方、かかりやすい病気など

まるでおじいさんのような見た目の犬といえば、ミニチュアシュナウザーですよね。

りっぱな眉毛と口ひげは、ミニチュアシュナウザーの大きなチャームポイントです。

この記事では、そんなミニチュアシュナウザーの性格や人気のカットスタイル、飼い方やかかりやすい病気について解説します。

目次

ミニチュアシュナウザーの基本情報

原産国ドイツ
サイズ小型犬
体高30~35cm程度
体重4~8kg程度

ミニチュアシュナウザーは前足の幅がやや広く、がっしりした体格をしています。

獲物の攻撃から顔を守るために発達したといわれる口周りの毛は、ボリュームたっぷり。

他の犬種に比べて太くて長いまつげは、カットしなければそのまま伸び続けます。

ミニチュアシュナウザーの被毛

ミニチュアシュナウザーは、ダブルコートの被毛を持っています。

一般的にダブルコートの犬種は抜け毛が多い傾向にありますが、ミニチュアシュナウザーの場合はそれほど多くありません。

抜けないぶん長く伸び続けるものの、固めの毛質ゆえ、短くカットしてしまえば毛玉もできにくいでしょう。

皮膚が弱い犬種なので、ブラッシングは優しく丁寧に行う必要があります。

ミニチュアシュナウザーのカットスタイル

ミニチュアシュナウザーは、カットスタイルによって印象が大きく変わります。

主なカットスタイル
  • スタンダードカット(シュナカット)
  • テディベアカット
  • まつげ残しカット
  • 耳の毛残しカット
  • モヒカンカット

ストリッピング・プラッキングは基本的に不要

新陳代謝を促し、硬くて丈夫な毛を保つために必要とされるストリッピングとプラッキングですが、家庭犬のミニチュアシュナウザーに行う必要はありません。

特殊な技術と道具が必要かつ嫌がる犬が多いので、トリミングサロンでも行っていないことが多いでしょう。

ここでは、ミニチュアシュナウザーのカットで特に人気があるスタイルを紹介します。

スタンダードカット

ミニチュアシュナウザーの定番スタイル

特徴であるまゆげと口ひげをキレイに整えた、ドッグショーでもおなじみのカットです。

▼お手入れしやすいよう、まゆげと口ひげを短くカットしたペットスタイルも

テディベアカット

クマのぬいぐるみのように愛らしい、丸いシルエットのスタイルです。

はさみで全体的に丸く整えることで、ふんわり柔らかい雰囲気が出ています。

まつげ残しカット

ミニチュアシュナウザーの特徴的なまつげを残したカットです。

まゆげは短めにカットすることで、まつげがより強調されますね。

耳の毛残しカット

ボディは短くしつつ、耳の毛は長いまま残したカットです。

毛の残し方やカットの仕方で雰囲気が変わるので、男の子にも女の子にもおすすめできます。

モヒカンカット

頭頂部の毛を残し、モヒカンのようにしたカット

三角にカットしたり、たてがみのように伸ばしたりと、アレンジの幅が広いのが特徴です。

頭頂部から背中までの毛をつなげるスタイルも人気がありますよ。

ミニチュアシュナウザーの毛色の種類

ミニチュアシュナウザーの被毛には、主に以下の毛色があります。

  • ソルト&ペッパー
  • ブラック&シルバー
  • ブラック
  • ホワイト
  • ウィートン ※JKC非公認カラー

ソルト&ペッパー

ミニチュアシュナウザーの代表的な毛色で、日本語訳は塩コショウ。

その名の通り、塩とコショウを振りかけたような、グレーがかった白と黒が混ざった毛色を指します。

ブラック&シルバー

白部分と黒部分が比較的はっきり分かれた毛色です。

まゆげや口周り、手足、胸は白くなりやすく、耳や背中は真っ黒の場合が多いでしょう。

ブラック

全身真っ黒のカラーです。

一部でも白が入っている場合はブラックではなく、ブラック&シルバーです。

年齢とともに黒からグレーへ退色することがあります。

ホワイト

全身真っ白のカラーです。

比較的珍しい毛色で、他の毛色より柔らかい毛質が特徴。

若いころは純白の毛色ですが、年齢とともに黄色味を帯びていき、クリームがかって見えるようになります。

ウィートン

JKC(ジャパンケネルカレッジ)非公認のカラーで、ミルクティーのような淡いベージュ色

人気の毛色ではありますが、安定した繁殖が難しく、なかなか見かけません。

ミニチュアシュナウザーの性格

ミニチュアシュナウザーは忍耐強く、愛情深い性格です。

人への関心が高いぶんアイコンタクトが取りやすく、スムーズなコミュニケーションが可能。

警戒心は強いものの、小さなこどもや他の動物とも仲良く過ごせます。

一方、一度覚えたルールは徹底する真面目さから、頑固飼いにくいといわれることもあります。

攻撃性はありませんが、あいまいなしつけはミニチュアシュナウザーを混乱させる可能性があるので、常に明確な指示を出すように心がけましょう。

ミニチュアシュナウザーの平均寿命は?

ミニチュアシュナウザーの平均寿命は、12~15歳です。

小型犬としては平均的ですが、平均より長生きできるかは、日々の健康管理にかかっています。

年に一度は健康診断を受け、病気の早期発見・早期治療に努めましょう。

なお、ミニチュアシュナウザーは作業欲が強く、頭と体を使う遊びによってストレスを解消します。

ストレスによる病気の発症リスクを下げるためにも、こまめな運動と良質な睡眠、栄養バランスの整った食事を心がけてくださいね。

ミニチュアシュナウザーがかかりやすい病気7選

ミニチュアシュナウザーは基本的に丈夫で健康な犬種です。

遺伝的に注意が必要な病気こそありますが、命にかかわる大病は少ないといえるでしょう。

ここでは、ミニチュアシュナウザーがかかりやすい病気を7つ紹介します。

高脂血症

高脂血症とは、血液中の中性脂肪やコレステロールが高い状態のことです。

ミニチュアシュナウザーは先天的に代謝異常を起こしやすく、高脂血症になりやすい犬種といわれています。

高脂血症自体はなにも症状がありませんが、急性膵炎や尿石症、ブドウ膜炎などを誘発する可能性があるので、発覚した場合は食事療法や投薬治療を行います。

尿石症(尿路結石症)

尿石症とは、何らかの原因で尿路内に結石ができてしまう病気です。

膀胱結石や尿管結石など、結石ができる部位によって名称は変わりますが、いずれも発症すると血尿や頻尿、排尿困難などの症状がみられます。

ミニチュアシュナウザーはシュウ酸カルシウム結石と尿酸塩結石の発症率が高いため、他犬種よりも注意が必要です。

急性膵炎

急性膵炎とは、膵臓内の消化酵素が急に活性化され、膵臓に炎症が起きる病気です。

症状は、突然の食欲不振、嘔吐・下痢、震えなど。

重症化すると命を落とすこともあるため、早期治療が必須といえるでしょう。

治療は鎮痛剤や制吐剤の処方・点滴などを行いつつ、膵臓を休めるために絶食絶水を行います。

胆石症

胆石症とは、胆のうや胆管に石ができ、痛みや発熱、嘔吐・下痢などを引き起こす病気です。

無症状の場合がほとんどですが、進行すると目や口の中が黄色くなる黄疸がみられ、最悪の場合は腹膜炎を起こす可能性もあります。

発症した場合、短銃の流れをよくする薬を服用したり、手術で胆石を摘出したりする治療が必要です。

腫瘍

ミニチュアシュナウザーは、乳腺腫瘍や皮下腫瘍などの腫瘍性疾患にも注意が必要です。

腫瘍とは細胞の塊のことで、犬の健康に悪影響なものを悪性腫瘍(がん)、湿潤や転移をせず、その場所だけでゆっくりと増える腫瘍を良性腫瘍といいます。

良性腫瘍の場合、手術で完全に取り除けば再発の心配はありません。

なお、どちらの腫瘍かは血液検査や皮膚検査を行った上で判断します。

遺伝性若年性白内障

若年性白内障は、6歳より若いうちに発症する白内障を指します。

通常の白内障は加齢によって発症することがほとんどですが、遺伝による白内障は生後数か月~2歳とかなり早い段階で症状が現れます。

若年性白内障は進行が早く、早期に白内障手術を行わなければいけません。

シュナウザー面皰(めんぽう)症候群

シュナウザー面皰症候群とは、皮脂が毛穴に詰まり腫れてしまう皮膚病のことです。

面皰(めんぽう)はいわゆるニキビのこと。全身に多数現れ、掻いたり舐めたりすると悪化します。

有効な治療法は見つかっておらず、食事療法や薬用シャンプーによる薬浴で改善を目指します。

ミニチュアシュナウザーの飼育で必要なもの

ミニチュアシュナウザーを飼育する上で最低限必要なのは、以下のグッズです。

  • ドッグフード
  • 食器・水皿
  • キャリー
  • 首輪・リード
  • サークル・ケージ
  • トイレ・ペットシーツ
  • お手入れ用品

それぞれ詳しく解説していきます。

ドッグフード

ドッグフードは、ミニチュアシュナウザーに合った栄養バランスのものを選びましょう。

子犬期では子犬用のドッグフードで構いませんが、成長後はなるべく低脂肪のフードがおすすめです。

高脂血症や膵炎のリスクをできる限り抑えるためにも、高脂肪な食事は避けたほうが安心です。

食器・水皿

ミニチュアシュナウザー専用の食器・水皿も必要です。

ミニチュアシュナウザーは好き嫌いなく、何でも喜んで食べてくれます。

特に若いうちはがっついて食べる犬が多いので、食器は重量がある陶器製のものか、滑りづらいゴム底が付いたものが良いでしょう。

キャリー

犬用のキャリーは、バス・電車の利用時や通院、災害時などに必要です。

ミニチュアシュナウザーは小型犬ですが、四肢が太くがっしりしており、体高もそれなり。

チワワやマルチーズなどを対象に作られた小型キャリーでは、窮屈に感じるかもしれません。

思いのほか大きく成長した場合に備えて、キャリーは少し大きめサイズを選ぶと良いでしょう。

首輪・リード

犬を連れて歩くときは、首輪やハーネス、リードを装着しましょう。

それぞれ素材やデザインのバリエーションは豊富なので、気に入ったものを選んでくださいね。

なお、伸縮タイプのリードは手元のコントロールが難しく、しつけ用としては不向きです。

散歩中は伸びないようロックをかけ、犬の安全や周囲の迷惑には配慮しましょう。

サークル・ケージ

ミニチュアシュナウザー用の部屋として、サークル・ケージも用意しましょう。

屋根付きのものをケージ、屋根なしのものをサークルといいます。

ミニチュアシュナウザーはジャンプ力があるので、成犬時の脱走に配慮するなら、屋根付きのケージタイプがおすすめです。

トイレ・ペットシーツ

室内で排泄させるなら、トイレとペットシーツも必要です。

ミニチュアシュナウザーはやや大きめの小型犬なので、トイレは中型犬サイズワイドサイズの小型犬用が良いでしょう。

子犬のうちは広すぎるように感じるかもしれませんが、成長すると丁度良くなります。

お手入れ用品

ブラシやシャンプー、歯磨きセットなど、日々のお手入れに必要なアイテムもあらかじめ揃えておくと便利です。

シャンプーは、トリミングサロンを月に1回利用できるのであれば不要ですが、ブラシや歯磨きセットは必ず用意してくださいね。

ミニチュアシュナウザーの飼育にかかる費用

ここでは、ミニチュアシュナウザーの飼育にかかる費用を解説します。

初期費用は4万円~

項目費用の目安備考
畜犬登録3,500円登録代として3,000円、鑑札代として500円
狂犬病注射3,500円/回1年に1回接種
混合ワクチン3,000~1万円/回1年に1回接種
初年度は3回接種(子犬)
飼育グッズ3万円~ケージ、トイレ、ペットシーツ、食器、フード、首輪・リード、キャリー、ブラシなど
合計4万円~ 

飼育グッズやワクチン接種代、犬の登録費用などを合わせると、初期費用は少なくとも4万円以上かかります。

ミニチュアシュナウザーの場合、一般的な小型犬サイズより少し大きめの飼育グッズが必要なので、実際はもう少しかかる場合が多いでしょう。

令和4年6月1日より、ペットショップやブリーダーで販売される犬猫のマイクロチップ装着が義務化されました。

マイクロチップ装着済のミニチュアシュナウザーを購入した場合は、30日以内に登録情報の変更が必要です。

保護犬や知人から譲り受けた犬への装着義務はありませんが、希望する場合は動物病院で処置を受けましょう。

項目費用の目安備考
マイクロチップ情報登録オンライン 300円
書類 1,000円
ショップやブリーダーでの代行手数料は除く
マイクロチップ装着3,000~1万円※希望する場合のみ
登録事務手数料 1,000円

毎月の費用は14,500円~

項目費用の目安備考
ドッグフード3,000円~ 
おやつ1,000円~ 
サプリメント1,000円~ 目、皮膚、関節など
おもちゃ1,000円~ 
ペットシーツ1,500円~レギュラーシーツ100枚として
美容サロン代5,000円~ 
ケア用品2,000円~シャンプー、歯ブラシ、ウェットティッシュなど
合計14,500円~ 

ペットシーツやドッグフード、おやつ代など、毎月かかる費用は約1万5000円程度です。

ただし、ドッグフードやおやつの値段は商品によって幅広く、良質なものはそれだけ値段も上がるので、あくまで目安と考えておきましょう。

▼寄生虫の予防薬代も半年以上、毎月かかる

項目費用の目安備考
フィラリア予防薬1,000円/回居住地域によるが4月~11月の投薬が基本
ノミダニ予防薬1,500円/回通年投与が理想だが、春から秋は必須

そのほかの費用

項目費用の目安備考
洋服1,000円~ 
ペットホテル5,000円/泊小型の部屋代として
ペット保険1,000円~保険会社やプラン、年齢によって幅がある
健康診断5,000円/回1年に1~2回が理想
レジャー費用1,000円~ドッグランなど施設利用費
防災用品1,000円~簡易トイレ、エチケット袋など

子宮蓄膿症や前立腺肥大、精巣腫瘍など生殖器疾患の予防のため、将来的に出産をさせないのであれば、避妊・去勢手術も検討しましょう。

項目費用の目安
去勢手術3~5万円
避妊手術4~6万円

ミニチュアシュナウザーの飼い方やしつけ方のポイント

ミニチュアシュナウザーの飼育で注意すべきことは何でしょうか?

ここでは、ミニチュアシュナウザーのしつけや暮らしのポイントについて解説します。

しつけは信頼関係を築くことから

ミニチュアシュナウザーはしつけやすい犬種ですが、飼い主との信頼関係が不十分な場合は、無駄吠えや噛み癖など問題行動が頻発する可能性も。

気分や感情によって態度を変えたり、大きな声で怒鳴ったりする行為は、犬の信頼を下げかねません。

犬と接するときは意識して穏やかに、しつけは一貫性を持って臨みましょう。

散歩は1日2回、各30分以上

ミニチュアシュナウザーは運動が大好きで、若いころは特に活発に動きます。

1日2回、各30分以上は散歩に連れていき、適度にエネルギーを発散させてあげましょう。

ボール投げや頭を使うゲームも好きなので、室内遊びも積極的に行って。

ときにはドッグランなどで思いっきり走らせてあげると、噛み癖や無駄吠えの予防につながります。

週に1度はブラッシングを行う

美しい皮膚・被毛を維持するには、少なくとも週に1回程度のブラッシングが必要です。

ブラシの種類はスリッカー、獣毛ブラシ、ラバーブラシなど。

それぞれ使用感が異なるので、より使い勝手が良いものを選ぶと良いでしょう。

ブラシの特徴
  • スリッカー:定番のブラシ。犬種・毛質を問わず使用できる
  • 獣毛ブラシ:豚、猪、馬などの毛で作ったブラシ。柔らかく静電気が生じにくい
  • ラバーブラシ:スリッカーの硬い感触が苦手な犬や皮膚が弱い犬に適している

口ひげはこまめに拭いて清潔を保つ

ミニチュアシュナウザーの口ひげは汚れやすいので、犬用のウェットティッシュや濡れタオルなどで、こまめに拭き取ってあげましょう。

口ひげの汚れを放っておくと毛が茶色く変色し、イヤな臭いのするよだれやけになります。

一度変色してしまった毛は元に戻らないので、こまめなお手入れが難しい場合は、口ひげを短くカットしておきましょう。

ミニチュアシュナウザーの値段・価格相場

ミニチュアシュナウザーの価格相場は、20~30万円です。

代表カラーであるソルト&ペッパーは比較的安く、ブラックやホワイトはやや高めの値段が付きます。

JKC公認カラーではありませんが、個体数が少ないウィートンも希少価値が高いとされ、高い価格が設定されることが多いでしょう。

なお、一般的に犬は女の子のほうが大人しく飼いやすいといわれており、メスはオスよりもやや高値で販売されます。

ミニチュアシュナウザーの購入方法

ミニチュアシュナウザーを迎える方法は、主に以下の3つです。

  • ブリーダー
  • ペットショップ
  • 保護団体・保健所など

子犬を希望する場合は、ペットショップやブリーダーから迎えるのが一般的です。

飼育環境や栄養状態、親犬の情報などをよく確認し、健康で丈夫な子犬を選びましょう。

また、飼い主が飼育困難になった犬を引き取るという方法もあります。

民間の保護団体や保健所、動物愛護センターでは、多くの保護犬が里親を待っています。

保護犬のほとんどは成犬か老犬なので、大人の犬と落ち着いて生活したいという方におすすめです。

まとめ

ミニチュアシュナウザーはとても賢く、愛情深い犬種です。

一度決めたことは必ずやるという頑固なまでの気真面目さも、ミニチュアシュナウザーの魅力のひとつ。

ミニチュアシュナウザーの特徴を理解したうえでお迎えし、楽しい毎日を送りましょう。

この記事を書いた人

ヤマザキ学園大学卒。アニマル・ヘルス・テクニシャン、トリマー、ベタリナリー・テクニシャン、犬の管理栄養士。現在はwebライターとして、動物の病気や飼育方法、豆知識などペット関連コラムをメインに執筆中。

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