「共有持分(名義)の土地は売却可能!おすすめの解消方法5つを元弁護士が解説!」

土地を共有している場合、そのまま持ち続けているとさまざまなリスクが発生します。

共有者1人ができることも限られておりトラブルも多いので「売ってしまいたい」と考える方も多いでしょう。

共有持分や共有名義の土地も売却できます。

今回は土地の共有持分を持っている場合に共有関係を解消したり共有持分を売却したりする方法について、解説します。

共有土地の取り扱いや処分にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

土地の共有持分とは

土地の共有とは、1つの土地を複数の人が共同で持っている状態です。

共有持分とは、1人ひとりの共有者に認められる割合的な権利をいいます。割合なので、共有者全員分の共有持分割合を合計すると「1」になります。たとえばある土地を3人が共有している場合「2分の1、4分の1、4分の1」であったり「3分の1ずつ」であったりします。

なお具体的にどの割合で共有になるのかは、ケースバイケースです。

各共有者にできること

土地が共有されている場合、共有者全員の権利を守らねばなりません。

1人ひとりが勝手な行動をすると他の共有者が害されるおそれがあるため、それぞれの共有者にできることは多くはありません。

以下で各共有者にできることをみていきましょう。

1人でできること

以下の行為は各共有者が単独でできます。他の共有者の同意がなくても自分1人の判断で行ってかまいません。

使用

土地の使用です。たとえば土地上に資材などを置いて保管する場合が挙げられます。

ただし1人で使用する場合、他の共有者へ使用料金を払わねばなりません。

保存

保存とは、土地の原状を維持するために必要な行為です。たとえば不法占拠者を退去されるなどの行為は各共有者が単独でできます。

過半数の共有持分でできること

管理

土地の管理行為については、過半数の共有持分権者の合意がないと行えません。

たとえば土地を賃貸して収益を得る場合などです。

全員の合意が必要なこと

処分や変更

土地の処分や変更については共有持分権者全員の合意が必要です。たとえば土地を売却したり抵当権を設定したりする場合、全員の合意がないと進められません。

土地が共有になりやすいパターン

一般的に、わざわざ共有地の持分割合のみ購入する方は少数です。

土地が共有になりやすい状況とはどういったケースなのか、みてみましょう。

夫婦や親子で家を購入する

夫婦や親子で家を購入するとき、共同名義にするケースがよくあります。

資金を出し合ったり2人で住宅ローンを組んで枠を増額したりする目的で、共有とするのです。

ただし夫婦の場合、将来離婚するケースも少なくありません。そうなると、他人同士で土地や建物が共有になってしまい、処分や管理がスムーズにできなくなってしまうリスクが発生します。

遺産相続の際に共有にする

遺産分割の際、相続人同士でどういった分け方が良いか合意できない場合に共有にしてしまうケースがよくあります。法定相続割合に応じて共有にするなら公平に遺産を分割できて、全員が納得しやすいからです。

また遺産分割協議を行わない場合にも土地は共有になります。

共有持分を相続する

親などが共有持分をもっていて、それが子どもたちなどの相続人に相続されてしまうケースです。

ただ複数の相続人が共有持分を相続すると、土地の共有者が細分化されて増えてしまいます。他の共有者にしてみると「誰が共有者か」がわからなくなり、混乱が生じやすくなるパターンといえるでしょう。

土地を共有にするメリット

土地を共有にするメリットは以下のとおりです。

相続の際、全員が納得しやすい

遺産相続の際、土地を分けるには以下の3種類の方法から選ばねばなりません。

現物分割

土地を誰か1人の相続人のみが引き継ぐ方法です。簡便ですが、不公平になりやすい問題があります。

土地を分筆して各相続人が取得することもできますが、必ずしも分筆できる土地ばかりとは限りません。また分筆によって土地の価値が低下するリスクも発生します。

代償分割

誰か1人が土地を取得し、他の相続人へ「代償金」を払って清算する方法です。

ただし土地の評価方法や代償金の金額、払い方などが問題となり、トラブルになる事例も少なくありません。

換価分割

土地を売却して現金で分ける方法です。公平に分けられますが、土地が失われるデメリットがありますし、売却のタイミングを急いでしまって安値をつけられてしまうケースもあります。

以上のように現物分割にも代償分割にも換価分割にもデメリットがあります。共有ならこういったデメリットを考えなくてよいので、全員が合意しやすくなるのです。

また遺産分割協議が成立しない場合には当然に土地が法定相続人全員の共有状態になります。「何もしなくても共有なら簡単に実現できる」点も土地共有のメリットといえるでしょう。

住宅ローン控除を二重に受けられる

夫婦で家を購入するとき、住宅ローンを組むケースがよくあります。

住宅ローンを組むと「住宅ローン控除」という税金の控除制度を利用できるケースが多数です。

夫婦2人が住宅ローンを組んで家を共有状態にすると、2人がそれぞれ住宅ローン控除を受けられるメリットがあります。

土地共有のデメリットやリスク

一方で土地の共有持分にはデメリットやリスクも大きいので、以下でみていきましょう。

1人が使用してトラブルになる

土地の使用は各共有者が単独でもできます。

しかし現実に1人の共有持分権者だけが土地を使っていると、他の共有持分権者は不公平と感じるでしょう。

適切な使用料が払われていないためにトラブルになるケースがよくあります。

また使用料の設定をするときに、使用者と他の共有者とで意見が合わずトラブルにつながるリスクも発生します。

固定資産税の清算でトラブルになる

土地を共有している場合、共有持分権者全員が共有持分に応じて税金を負担しなければなりません。具体的には代表者がまとめて固定資産税を払い、後に共有持分権者が清算する必要があります。

ところが連絡のつきにくい人や清算に応じない人がいると、代表者が払っても清算金を受け取れません。土地を共有していると、固定資産税の清算関係でトラブルが発生するケースも多々あります。

活用できずに放置される

土地を共有している場合、活用や処分をするには他の共有者の合意が必要です。

たとえば土地上にアパートを建築して賃貸収入を得たい場合や土地を売却して現金化したい場合、他の共有者全員の合意が必要となってきます。

他の共有者が反対すると、プランを実現できません。

意見が合わないために土地を活用できず、結果的に放置せざるをえないケースもあります。

土地を活用できなくても毎年固定資産税はかかり続けるので、負担だけがかかる状態になってしまうデメリットがあります。

活用や処分方法で意見が合わずトラブルになる

土地の活用方法や処分方法について他の共有者と話し合っても、合意できるとは限りません。

たとえば土地を売却しようとしても反対される可能性がありますし、賛成を得られたとしても具体的に売却を進める際に不動産業者の選定や土地の評価額、買主の選定などでもめてしまう可能性があります。

共有持分を持っていると、土地活用や処分方法について意見が合わずに共有者との関係が険悪になるリスクもあるといえるでしょう。

土地の共有持分の解消方法5つ

土地の共有持分を持っていると、さまざまなリスクが発生しますしデメリットも多数あります。共有状態を解消するにはどうすればよいのか、以下で5つの方法をご紹介します。

全員で合意して売却する

1つ目は、共有持分権者が全員で合意して一筆の土地を売却する方法です。

この方法であれば、土地を通常の不動産市場で売却できます。

メリットは、一般の市場で売却できるので比較的高値で売りやすいこと、買い手候補が多いので売り先を見つけやすいことなどです。

デメリットは、他の共有者全員の合意が必要となるので、現実的には難しくなりやすいことです。

他の共有者に買い取ってもらう

土地全体の売却について他の共有者による合意を得られない場合には、他の共有者に共有持分を買い取ってもらう方法を検討しましょう。土地の共有持分を買い取ってもらえたら、自分は土地の共有状態から外れることが可能です。

この場合の買取価額の基準額は以下のとおりです。

  • 市場価額×売却する共有持分割合

ただし他の共有者があまり買取に積極的でない場合、値切られる可能性が高くなるでしょう。そうなると上記の価額では売却できません。

土地を1人で使用していて「自分のものにしたい」と考えている人がいる場合などには有効な対処方法になりえます。

他の共有者全員から共有持分を買い取る

自分が他の共有者全員から共有持分を買い取って共有状態を解消する方法もあります。

ただし買取先の共有者が共有持分売却に合意しなければなりません。無理に買い取ろうとしても強制できないので、注意が必要です。

また他の共有者が売却に積極的でない場合、高値をつけられる可能性もあります。

共有物分割請求を行う

4つ目は、裁判所で「共有物分割請求」という手続きをとる方法です。

共有物分割請求とは、裁判所で共有物を分割してもらうための手続きです。

当事者間で協議を行っても共有物の分割ができない場合、裁判所で「共有物分割訴訟」を起こせば裁判所が土地の共有関係を解消してくれます。このときに採用される可能性のある分割方法は以下の3種類です。

  • 現物分割
  • 全面的価額賠償(代償分割)
  • 競売(換価分割)

なお裁判所で換価分割されるときには「競売」になるので、一般市場で売る場合より金額が安くなってしまうケースが多数です。それよりは自分たちで話し合って市場で売却する方がメリットは大きくなるでしょう。

また裁判をすると数か月以上かかりますし、弁護士費用や鑑定費用などもかかって高額な経費が発生してしまうデメリットもあります。

共有持分買取業者へ売却する

上記のいずれの方法も限界があったりデメリットが大きかったりしますし、とりうる事例も限られてきます。

どのような事案でも適用できる簡単な共有関係解消方法が「共有持分買取業者への持分売却」です。共有持分買取業者という専門の不動産業者に自分の共有持分のみを売却するのです。

この方法であれば、他の共有者の同意は一切不要で、知らせる必要すらありません。裁判所も使わないので余計な経費や時間労力をかける必要もありません。

共有持分買取業者に土地を査定に出し、納得すれば即日で売れるケースもよくあります。

特に以下のような場合、共有持分買取業者への売却を検討するのがおすすめです。

  • 他の共有者と連絡を取りにくい
  • 他の共有者と関わりたくない、仲が悪い
  • 経費や時間、労力をかけず手っ取り早く共有関係から抜け出したい
  • 現金を早めに入手したい

共有持分をスピーディかつ簡単に手放したい方は、一度共有持分買取業者へ不動産売却の相談をしてみましょう。

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ABOUT US
福谷 陽子弁護士
ライター 元弁護士 弁護士として約10年間業務につき、法律事務所を経営。その後ライターへ転身し、各種法律記事や不動産関係の記事を精力的に執筆している。 共有関係を始めとした不動産についても深い知見を持ち、売買、相続、離婚、任意売却にまつわる記事の執筆、監修などの実績が高い。 難しくてわかりにくい法律や不動産についての知識をわかりやすく伝えたいという想いを持ち、日々の執筆に取り組む。