トイプードルは本当に毛が抜けない?その理由や抜け毛の原因、対策を解説

くるくるの巻き毛が特徴的なトイプードル。

数ある犬種のなかでも「毛が抜けない犬」として知られていますが、本当に抜け毛は出ないのでしょうか?

この記事では、トイプードルの毛の特徴や毛が抜けない理由、抜け毛が出るときの原因や対策について解説します。

トイプードル以外の毛が抜けない犬種も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

トイプードルは毛が抜けないって本当?

毛が抜けないといわれているトイプードルであっても、まったく抜け毛が出ないわけではありません。

そのため正確にいうと、「抜けない」ではなく「抜けにくい」という表現が適切です。

毛が抜けにくい犬種は少なくありませんが、なかでもトイプードルは特に抜け毛が少ない傾向があり、抜け毛掃除の手間もほとんどかかりません。

体臭も少ないため、「犬を飼いたいけれど抜け毛が気になる…」「なるべく掃除の手間を減らしたい」という方にはぴったりの犬種といえるでしょう。

トイプードルの毛が抜けない理由

トイプードルの抜け毛が少ない理由は、被毛の構造にあります。

というのも、トイプードルは季節の変わり目に起こる「換毛期」がないシングルコートの犬種です。

春と秋にごっそり毛が抜けるダブルコートの犬と違い、シングルコートの犬種は一年を通して少しずつ毛が抜け変わるため、抜け毛が目立ちにくいといえるでしょう。

なお、犬の抜け毛のほとんどはアンダーコート(下毛)であり、オーバーコートしか持たないトイプードルは、日常的な抜け毛も少ない傾向があります。

トイプードルの特徴であるくるくるの巻き毛も、抜け毛が少ないと感じる理由のひとつです。

通常、生え変わりで抜けた毛は床に落ちるか、ソファやベッドなどに付着します。

しかし、トイプードルのような巻き毛の犬の抜け毛は他の毛がうまくキャッチくれるためいつまでも体に残り、床に落ちることはありません。

結果として部屋に散らばる毛の量は少なくなり、「抜け毛が少ない」と感じるのです。

大人の毛に生え変わる時期は抜け毛が増える

他の犬種と同じく、成長期のトイプードルは抜け毛が多い傾向があります。

これは、子犬期の被毛「パピーコート」から成犬の毛に生え変わるために起こるもので、病気ではありません。

個体差はありますが、生後4~7か月頃は一時的に抜け毛が増える場合が多く、トイプードルであっても毛が抜けやすくなるでしょう。

なお、この時期は毛の巻きが強くなる頃でもあり、それまで直毛に近かった毛がくるくるとした巻き毛に変わる、一生に一度の貴重なタイミングでもあります。

【トイプードル以外】毛が抜けにくい犬種5選

シングルコートかつ毛が抜けにくい犬は、トイプードルだけではありません。

毛が抜けにくい犬種は比較的掃除の手間が少なく、アレルギーや衛生面が気になる方におすすめです。

ここでは、トイプードル以外で抜け毛が少ない犬のうち、特に飼いやすいと人気の犬種を5つ紹介します。

ミニチュアシュナウザー

ミニチュアシュナウザーはダブルコートの犬種ですが、シングルコートの犬種に匹敵する抜け毛の少なさが特徴です。

毛質は硬く抜けにくいため、換毛期でもそれほど多くの毛は抜けません。

性格は明るく聡明、友好的。落ち着いた性格なので、良い家庭犬になってくれるでしょう。

ビションフリーゼ

ビションフリーゼは、ダブルコートの犬種の中でも比較的抜け毛が少ない犬種です。

トイプードルと同じく巻き毛なので、抜け毛が出ても他の毛がうまくキャッチしてくれるでしょう。

甘えん坊で人が大好き、子供に対しても優しく接することができる性格です。

ヨークシャーテリア

ヨークシャーテリアはシングルコートの犬種で、シルキーコートと呼ばれる滑らかな被毛を持っています。

体が小さいぶん抜け毛も少なめですが、寒さに弱いため冬場の防寒対策は必須。

テリア種だけあってとても賢く明るい性格で、大型犬に向かっていくほど勇敢な一面もあります。

マルチーズ

マルチーズはツヤのある直毛のシングルコートで、抜け毛が少ないことでも知られています。

甘えん坊で人懐っこい性格なので、はじめて犬を飼う人にもおすすめです。

物覚えがよく賢いので、しつけもしやすいといえるでしょう。

シーズー

シーズーはダブルコートの犬種ですが、毛量が多い割には抜け毛が少ないのが特徴です。

貴族の抱き犬としての歴史が長いぶん、温和でのんびりした性格の犬が多いでしょう。

神経質な個体は少ないので、初心者向きの犬種といえますね。

トイプードルの毛が抜けるときに考えられる主な原因

成長期以外であまりに多くの毛が抜けるときは、なにか問題が起こっているかもしれません。

地肌が見えていたり、体をやけにかゆがったりする場合は、アレルギーや病気の可能性も考えられます。

トイプードルの毛が抜ける主な理由としては、以下5つの要因があります。

  • 老化
  • 皮膚病
  • ストレス
  • 栄養不足
  • ホルモン疾患

それぞれ詳しく解説します。

老化

人間と同じように、犬も歳をとると毛が細くなったり薄毛になったりします。

これは代謝機能の低下やホルモンバランスの乱れによって、被毛の抜け変わりサイクルが崩れることが原因です。

犬によっては、鼻の周りなど部分的に脱毛がみられる場合もあるでしょう。

高齢期は体温の調整機能も衰えているので、毛が薄くなってきたなと感じたら、洋服やペットヒーターなどで冷え対策を行うことが大切です。

皮膚病

膿皮症やアトピー性皮膚炎など、なんらかの皮膚病で抜け毛が出ている可能性もあります。

皮膚病が原因の場合、皮膚のかゆみや赤み、フケなどの症状も同時にみられることが多いでしょう。

「抜け毛くらい大丈夫だろう」と放っておくと症状が悪化し、毛が生え揃うまで長い時間がかかってしまうこともあるため、気になる症状があれば早めに動物病院を受診することが大切です。

ストレス

犬はストレスを感じると、手足や太ももなどを執拗に噛んだり舐めたりする傾向があります。

その結果、体の一部のみ抜け毛がひどくなり、毛が無くなってしまうこともあるでしょう。

ストレスによる抜け毛を改善するには、犬が暮らしやすいよう生活環境を見直したり、接し方を変えたりする必要があります。

特にトイプードルは飼い主への依存度が高く、ストレスを感じやすい傾向があるため注意しましょう。

ホルモン疾患

左右対称に抜け毛がみられる場合は、ホルモン疾患による脱毛が疑われます。

脱毛を伴う主なホルモン疾患としては、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)甲状腺機能低下症などがあります。

これらのホルモン疾患にかかると、体の被毛を薄くなったり皮膚が黒ずんだりするなどの皮膚症状がみられます。

トイプードルは副腎皮質機能亢進症になりやすい犬種であるため、特に注意すべきといえるでしょう。

自宅でできる!トイプードルの抜け毛対策

他の犬種にくらべて明らかに抜け毛の量が少ないトイプードルですが、毎日多少は毛が抜けます。

特に子犬から成犬に近づく時期は抜け毛も多いため、こまめな掃除やお手入れが大切です。

ここでは、トイプードルの主な抜け毛対策について解説します。

ブラッシングは毎日行う

トイプードルを飼うなら、絶対に避けては通れないのがブラッシング。

トイプードルの毛は細くて絡みやすいため、こまめにブラッシングをしないとすぐに毛玉ができてしまいます。

チャームポイントであるくるくるの巻き毛を維持するには、日々のお手入れが欠かせません。

できれば毎日、少なくとも3日に1回はブラシで毛のもつれを取り、皮膚の通気性を良くしてあげましょう。

定期的なシャンプーで抜け毛を落とす

シャンプーは体の汚れを落としつつ抜け毛も取り除けるため、一石二鳥のお手入れです。

皮膚トラブルを避けるためにも、シャンプー後は水気が残らないようしっかりと乾かしましょう。

なお、トイプードルのドライヤーはコツがいるため、プロでもふわふわに仕上げるのは難しいといわれています。

トイプードルの毛をふわふわに仕上げるコツは、一か所ずつ完璧に乾かしてから次にうつること。

中途半端に乾くとチリチリになってしまうため、タオルドライはほどほどに・まだ乾かさない場所には濡れたタオルをかけるなどして、勝手に乾かないようにしましょう。

部屋の抜け毛対策には洋服がおすすめ

抜け毛が室内に散らばるのを防ぐには、洋服を着せるのも効果的です。

犬用の服は単におしゃれだけが目的ではなく、冬は防寒・夏は直射日光から皮膚を守ってくれます。

ただし、1日中着せていると皮膚の通気性が妨げられてしまうため、着せっぱなしにはしないように。

日中室内でフリーにしているときだけ着せたり、夜寝るときは脱がせてあげたりして、犬の皮膚に負担がかからないようにしましょう。

月に1回はトリミングサロンに連れていこう

月に1回はトリミングサロンに連れていき、伸びた毛をカットしてもらいましょう。

マルチーズやヨークシャーテリアのような直毛犬種と違い、トイプードルは毛玉ができやすい毛質をしています。

一旦毛玉ができると抜け毛やゴミを巻き込んでどんどん大きくなり、ほぐすことができなくなるため要注意。

皮膚の通気性が悪くなることで皮膚炎を起こし、抜け毛が増える可能性もあるため、最低でも2ヶ月に1回はプロのトリマーにお手入れしてもらうのがおすすめです。

まとめ

今回は、トイプードルの抜け毛について解説しました。

  • トイプードルの毛はまったく抜けないわけではないが「抜けにくい」
  • 抜け毛が少ない理由はシングルコートかつ巻き毛だから
  • 子犬から成犬になる時期は一時的に抜け毛が増える
  • 抜け毛が多い場合は病気やストレスが原因かも
  • 定期的なお手入れで抜け毛対策を行おう

トイプードルは抜け毛が少ない犬種ですが、掃除の手間が少ないぶん、こまめなお手入れが欠かせません。

トイプードルを迎える際は、お手入れの時間が取れるかよく検討するようにしましょう。

関連記事:【獣医師監修】トイプードルにおすすめのドッグフードランキング10選!動物取扱責任者が選び方や食べないときのポイントも解説!

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山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹