柴犬は抜け毛が多い!その理由と対処法、おすすめの掃除グッズを紹介

柴犬といえば、かなり抜け毛が多いことで知られる犬種。

柴犬と共に暮らす以上、抜け毛対策は必須といっても良いでしょう。

この記事では、柴犬の抜け毛が多い理由や基本の抜け毛対策、抜け毛掃除におすすめのグッズを紹介します。

愛犬と飼い主さんがこれから先ずっと快適に過ごすためにも、日頃の抜け毛対策はしっかり押さえておきましょう。

柴犬の抜け毛が多い理由

犬の被毛には、上毛だけの「シングルコート」と上毛と下毛で二重構造になった「ダブルコート」の2種類があります。

このうち、抜け毛が圧倒的に多いのはダブルコートの被毛であり、柴犬はダブルコートの代表的な犬種です。

ダブルコートの犬に抜け毛が多いのは、下毛の役割が関係しています。

犬の下毛(アンダーコート)には保温・保湿の役割があり、季節の変わり目である春と秋に生え変わるのが特徴です。

特に春は冬に備えて生えた下毛がごっそり抜け落ちるため、大量の抜け毛がみられます。

なお、最近は空調が整った室内で暮らす犬が多いため、換毛期の時期が数週間ずれたり、一年中ずっと換毛期のような状態で抜け毛があることも珍しくありません。

抜け毛は犬が健康を維持するうえで欠かせない生理現象なので、根気強く対応しましょう。

柴犬の子犬は抜け毛が少ない

抜け毛が多い柴犬ですが、実は子犬期の抜け毛はそれほど多くありません。

というのも、子犬の柴犬は「パピーコート」と呼ばれる柔らかい毛質の被毛で、まだ下毛は生えていない状態です。

柴犬の抜け毛が増えるのは、大人の毛に生え変わる生後6~7か月を経過した頃で、1歳になる頃には成犬と同じくらいの抜け毛がみられます。

ちなみに、柴犬のカラーによって抜け毛の量が変わるということはありません。

最近は柴犬の小型サイズである豆柴が人気ですが、豆柴も柴犬と同じくらい抜け毛は多い犬種です。

抜け毛が少ない時期は子犬期の限られた期間のみなので、覚えておいてくださいね。

換毛期以外の抜けすぎはストレスや病気の可能性も

正常な生え代わりであれば問題はありませんが、なかにはストレスや病気で毛が抜けている場合もあるでしょう。

柴犬は遺伝的に皮膚が弱く、アトピーやアレルギー性皮膚炎、膿皮症などの皮膚疾患になりやすい犬種です。

もし柴犬の毛が抜けすぎてハゲていたり、赤みやかゆみ、フケなどの症状がみられるようであれば、かかりつけの動物病院を受診しましょう。

柴犬の抜け毛を放置するとどうなる?

「どうせ掃除してもまた抜けるから」と抜け毛を放置すると、アレルギーやダニによる皮膚炎の原因になりかねません。

犬の抜け毛はダニやハウスダストの温床になるため、犬をはじめ、人間もアレルギー鼻炎や喘息などの病気に注意が必要です。

特に柴犬はアレルギー体質の犬が多く、抜け毛を放置するのはリスクが高いといえるでしょう。

また、抜け毛が落ち切らず皮膚の上に残っていると、皮膚の通気性が悪くなります。

特に夏場や梅雨時期など湿度が高い季節は、通気性が悪いことで雑菌が繁殖しやすくなり、マラセチア性皮膚炎や膿皮症、皮膚糸状菌症などの皮膚病になってしまう犬も珍しくありません。

犬と飼い主、両方の健康を守るためにも、抜け毛対策は徹底して行いましょう。

柴犬の抜け毛対策なら!基本の対処法3つ

犬の抜け毛のほとんどは、ふわふわと軽い下毛です。

下毛はカーペットや衣類などの布製品に絡まるとなかなか取れず、床に落ちるとすぐに舞い上がってしまいます。

ここでは、犬の抜け毛対策に効果的な対策を3つ解説します。

ブラッシング

犬の抜け毛対策としてもっとも効果的なのは、こまめなブラッシングです。

柴犬の場合、ブラッシングの頻度は毎日が理想的です。

日頃からブラッシングをすることで皮膚の新陳代謝が促され、美しい被毛をキープしやすくなります。

毎日ブラッシングをされている犬は、そうでない犬にくらべて抜け毛が少ないともいわれているため、積極的に行いましょう。

犬用のブラシにはさまざまな種類がありますが、柴犬には抜け毛がしっかりとれる「スリッカーブラシ」か「スクラッチャーブラシ」がおすすめです。

お手入れが苦手な柴犬には、肌当たりが優しい「獣毛ブラシ」と「ラバーブラシ」も良いでしょう。

スリッカーやスクラッチャーブラシほど抜け毛は取れませんが、日頃のお手入れ用として活用できます。

シャンプー

全身の抜け毛を一気に取り除くには、シャンプーが有効です。

シャンプーは犬の体をきれいにしつつ抜け毛も取り除けるため、一石二鳥のお手入れといえます。

月に1~2回は毛穴の汚れをしっかり洗い流して、健康な皮膚・被毛をサポートしましょう。

なお、シャンプー後は水気が残らないよう確実に乾かすこと。

水気が残っていると湿気で皮膚炎を起こす可能性があり、かえって皮膚に良くありません。

柴犬のようなダブルコートの犬種は乾くまでかなり時間がかかりますが、きちんとドライヤーを当てて根元まで乾かしてくださいね。

洋服

部屋に散らばる抜け毛を防止するなら、洋服を着せるのもひとつの手。

日頃から洋服を着せておけば抜け毛が出ても服の中にたまるため、掃除がしやすくなります。

暑い時期は冷感タイプの服を着せることで、熱中症による体調不良を防ぐ効果も期待できるでしょう。

なお、柴犬に洋服を着せるときは毎日新しいものに取り換えましょう。

同じ服を何日も着せたままにしておくと、皮膚が蒸れてしまい皮膚炎になる可能性があります。

1日中着せっぱなしにするのも良くないため、寝るときは脱がすなど脱がせるタイミングを作るのも大切です。

家の中も!柴犬の抜け毛掃除におすすめのグッズ6選

柴犬が暮らす室内の掃除も欠かせません。

特に換毛期は毎日大量の毛が抜け落ちるため、普段よりまめな掃除が必要です。

ここでは、柴犬の抜け毛をきれいに処理できる掃除グッズを紹介します。

掃除機・ほうき

掃除といえば、掃除機やほうきが定番です。

掃除機やほうきはフローリングや畳など、さまざまな場所に使用できます。

フケやほこりといった細かいゴミも取り除けるため、ハウスダスト対策には必須といえるでしょう。

ただし、犬の抜け毛はふわふわと軽いため、掃除機の排気やほうきを掃いたときの風圧で舞い上がりやすいのが難点。

掃除機やほうきを使う際は、あらかじめフローリングワイパーで目立つ抜け毛を無くしておくのがおすすめです。

コロコロ(粘着ローラー)

狭い範囲の抜け毛掃除には、コロコロがおすすめ。

気になったときにコロコロかけるだけでいいので、気軽に使えるのが魅力です。

コロコロはカーペットやベッド、ソファなど布製家具をはじめ、洋服にも使えます。

繊維を傷つける心配がないので、おしゃれ着に使っても問題ありません。

持ち手が長いものや幅が広いもの、置き場所に困らないケース付きのものなど、さまざまな商品が出ているので、使い勝手の良さそうなものを選びましょう。

ペット専用お掃除スポンジ

ペットの抜け毛を掃除するために作られた、専用のスポンジも活用しましょう。

専用のお掃除スポンジを気になる箇所にスリスリと当てれば、抜け毛が面白いように取れていきます。

本体に抜け毛が付着せず集められるため、使用後のお手入れも簡単です。

繊維の種類や場所によって使い分けられたり、手のひらサイズでかさばらなかったりと、商品によってさまざまな特徴があるのもおすすめの理由です。

フローリングワイパー

フローリングや畳の掃除には、フローリングワイパーが役に立ちます。

掃除機やほうきだと抜け毛が宙に舞ってしまいがちですが、フローリングワイパーならきれいに抜け毛を集められます。

ドライシートで抜け毛を集めて、仕上げにウェットシートで細かいゴミや皮脂などを取りのぞけば、常に清潔な状態を維持できるでしょう。

シートは1回使うごとに取り換える必要があるためコスパはいまいちですが、犬の抜け毛掃除には必須です。

抜け毛取りクリーナー

ソファやカーペット、布団などに付いてなかなか取れない抜け毛は、電気不要の抜け毛取りクリーナーで取り除きましょう。

気になる箇所に抜け毛取りクリーナーを当てて動かすだけで、かなりの量の抜け毛が取れます。

コロコロと違ってスペアテープが不要なので、テープをはがす手間や買い置きしておく必要がなく、経済的です。

掃除機では取り切れない細かいゴミもよく取れるので、柴犬と暮らすなら1つは持っておくと良いでしょう。

すべり止め付きの軍手

手のひらにすべり止めがついた軍手も、抜け毛掃除にはおすすめです。

軍手は抜け毛掃除のために作られたわけではありませんが、数ある掃除グッズのなかでもかなり優秀なアイテム。

ポツポツの突起が抜け毛をしっかり絡めとってくれるので、布の中に入り込んだ抜け毛もよくかき出せますよ。

思ったよりも抜け毛が取れるので、お掃除グッズを買うのが面倒だったり、すぐに抜け毛掃除が必要な場面では、ぜひ試してみてくださいね。

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柴犬の抜け毛についてよくある質問

ここでは、柴犬の抜け毛についてよくある質問に回答します。

柴犬の皮膚を傷つけないためにも、正しい抜け毛対策を知っておきましょう。

掃除機で直接吸ってもいい?

犬のストレスや皮膚の負担を考えると、掃除機を直接皮膚に当てるのはおすすめできません。

特に柴犬はデリケートな性格の個体が多く、音が大きい掃除機を怖がったり嫌がったりすることも少なくないでしょう。

また、犬の皮膚の厚さは人間の3分の1程度しかなく、吸引力の強い掃除機で吸ってしまうと皮膚が引っ張られ、皮膚炎を起こす可能性もあります。

そのため、ブラッシング時に毛が舞うのを避けたい場合には、掃除機に取り付けるタイプのブラシや掃除機付きのブラシを使うのがおすすめです。

ファーミネーターは使わないほうがいい?

驚くほど抜け毛が取れるファーミネーターですが、同じ場所を何度もとかしたり、頻繁に使ったりするするのは、皮膚・被毛に良くありません。

ファーミネーターは「スクラッチャーブラシ」という種類のブラシで、ブラシの先が刃になっているのが特徴です。

ダブルコートの犬に使うと大量の抜け毛が取れて気持ち良いぶん、やりすぎると皮膚や被毛が傷ついたり、まだ抜けていない毛まで取ってしまったりする可能性も。

ファーミネーターを使うのは週に1~2回程度にし、スリッカーや他のブラシと併用するのがおすすめです。

コロコロやガムテープはブラシの代わりになる?

粘着力が強いコロコロやガムテープを直接犬の皮膚に当てるのは、皮膚の健康上良くありません。

まだ生えている毛まで取ってしまうと皮膚に負担がかかるうえ、粘着成分で皮膚が荒れる可能性もあります。

粘着力が低ければ使っても構いませんが、ブラシと違って遊び毛しか取れないため、ブラッシングの代わりにするのは止めましょう。

バリカンで毛を短くするのはOK?

抜け毛や暑さ対策で柴犬の毛を短くするのはおすすめできません。

そもそも抜け毛は皮膚に密生した下毛ですが、バリカンで刈れるのは上毛のみ。

表面の毛を切ったところで抜け毛はほとんど減らないため、カットする必要はないといえます。

また、毛を短くすると紫外線が皮膚に当たりやすくなり、かえって暑くなったり、皮膚炎を起こしたりするリスクもあります。

一度毛を短くしてしまうと生え揃わなくなる可能性もあるため、柴犬の毛を安易にカットするのは避けてください。

外飼いなら抜け毛対策は必要ない?

室内飼い・外飼い問わず、柴犬の抜け毛対策は必須です。

外飼いの場合、室内飼いの犬にくらべて四季の変化を感じやすいため、換毛期が正確に訪れます。

そのため「そのうち抜けるだろう」と放っておくと抜け毛が体表上に残ってしまい、皮膚の通気性が悪くなるかもしれません。

特に外飼いは雨や土などで体が汚れやすく、室内飼いの犬にくらべて皮膚病のリスクが高い傾向があります。

抜けた毛が近所に散って迷惑になることも考え、室内飼いと同じようにブラッシングやシャンプーなど、こまめな抜け毛対策を行いましょう。

まとめ

柴犬は抜け毛が多いダブルコートの犬種であり、一年中毛が抜けます。

特に春と秋の換毛期はごっそり抜け毛が出るため、普段よりこまめな掃除が必要です。

大量の抜け毛を掃除するのは大変ですが、ほうっておくと犬も人間も体調を崩してしまう可能性があるため、要注意。

今回紹介した掃除グッズを活用しつつ、お互いが快適に過ごせる環境を作ってくださいね。

ABOUT US
山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹