子犬の飼い方って?注意や予防など育て方を動物取扱責任者が解説!

子犬期の可愛らしさは限定的で特別な時間かと思います。
つたない歩き方や覚えたてのおすわりなど悶絶してしまうほどの愛おしさですよね。

ワンちゃんの一生は人間の何倍も早く進んでいきます。
小型犬では生後1歳半までに人間齢で約20年に相当する成長が見られます。

この期間に飼い主さんが行うべきことは沢山あり、混乱してしまう方も。
そこで今回は子犬ちゃんをおうちに迎えた後、飼い主さんが行うべき事のポイントをまとめてみました!

迎え入れる前にしておきたいことは?

家族全員での話し合い

ワンちゃんを迎え入れるということは家族が一人増えるという事です。
子犬ちゃんは可愛くて癒しの存在ですが、粗相することもありますし無駄吠えや噛み癖、イタズラもします。トレーニングに苦労することも勿論あるでしょう。

思っていたのと違った。と言って簡単に手放すことは絶対にあってはいけないことです。
どのような楽しさ、大変さがあるのか、お金はどれくらいかかるものなのか、しっかり家族で話し合い納得した上でお迎えしましょう!

一人にお世話の負担がかかってしまわぬよう、お散歩やご飯などは皆さんで分担するルールを決めておくと円満です。

危険なものをどかしておこう

子犬期に多いトラブルは誤食や家庭内の事故です。
特にコンセントやコードは感電の可能性がありとっても危険。
危険なものが床にないか確認し、届かない場所に移動しましょう!

ワンちゃんスペースを作っておく

サークルやケージ、トイレの場所、食事をする場所などはワンちゃんがきてからではなく事前に用意しておきましょう。

最初から場所が決まっていた方がワンちゃんも混乱せずに済みますしトレーニングも速やかにスタートすることができます。
寝床にはフカフカのタオルやブランケットをいれておいてあげると安心して休んでくれますよ。

近隣の動物病院を把握しておく

子犬ちゃんはまだ体も弱く、気温や環境の変化で体調を壊してしまう事も多々あります。
おうちに迎えた翌日に具合が悪くなることも珍しいことではありません。

困った時に慌てずに済むよう事前に近隣の動物病院や、診療時間を調べておきましょう。
夜間対応をしている病院も見つけておくと安心です。

準備しておくと安心なもの

ケージ

移動時に必要になります。
開けやすくワンちゃんを出しやすい構造のものを選びましょう。

食器

お水とフードを入れる食器をそれぞれ用意しておきましょう。
ワンちゃんの大きさに合わせて選びましょう。
ホームセンターなどに可愛いデザインのものが沢山ありますので是非楽しんで選んでくださいね♪

トイレグッズ

子犬期はトイレの回数も頻繁ですし粗相することも多くあります。
ペットシーツは多めに用意しておくと安心。

シーツを破いてしまう子や咥えて動かしてしまう子もいますのでトイレトレーも合わせて購入するといいかもしれませんね。

フード

フードは子犬ちゃんが今まで食べていたものと同じものが安心です。

ペットショップやブリーダーさんなどにフードの種類を聞いてみましょう。
当日引き渡し時に用意してくれることもありますのでそちらも確認してみてくださいね。

リードやハーネス、お散歩グッズ

お散歩はワクチンなどの予防が終わってからになりますのでリードやハーネスの用意は慌てなくても大丈夫ですがお散歩デビューに向けて自宅で練習することもできますのであってもいいでしょう。

おもちゃ

お散歩に出られるようになるまではおうち遊びが運動のメインになります。
投げて遊ぶ、引っ張りっこができるようなおもちゃを用意しておきましょう。

また歯が生えてくる時期でむず痒いため家具や人の手を噛んでしまう事もあります。
噛んで遊べるおもちゃもあると甘噛みの防止にもつながります!

おうちに迎えたらまずは役所に登録へ

ワンちゃんをおうちに迎えたらお住いの居住地区役所にて【畜犬登録】を行います。
畜犬登録とはいわばワンちゃんの住民登録のようなもの。
住所など飼い主さんの情報とワンちゃんの情報を紐付けて登録し【鑑札】をもらいます。

鑑札に記載されている番号を調べるとワンちゃんの情報が確認できるシステムになっていますので迷子札の代わりに首輪などにつけておくといいでしょう。

この畜犬登録はワンちゃんを飼う上で義務として決められた手続きです。

手続きを取ることで毎年狂犬病のお手紙が届くようになりますので忘れないうちに行いましょう。

タイミングを見て予防を開始しよう

ワンちゃんには予防しなくてはいけないものが沢山あります。
混乱してしまわぬよう整理しながら進めていってくださいね!

混合ワクチン

子犬期は一年に2回~3回の混合ワクチンを接種します。
パルボウイルス感染症など命を脅かす重篤な感染症から身を守るための予防注射です。

初回接種はおうちに来る前に済ませている子も多いかもしれませんね。

ワクチン接種はスケジュール通り進めていく必要があるため引き取りに時に必ず次回ワクチンの予定日を確認しましょう。

もしまだ一度も接種していないようであれば生後60日頃を目処に初回接種に行かれてくださいね。

狂犬病予防接種

狂犬病単体の予防を行うのが1年に1回の狂犬病予防接種です。
狂犬病は発症した場合致死率100%と言われる恐ろしい病気で、人間にも感染します。

日本では昭和32年を最後に国内での感染犬は見られていませんが、発展途上国では今なお狂犬病での死者が後を絶ちません。

こちらもワンちゃんを飼う方の義務として制定されています。

子犬ちゃんの場合は狂犬病予防シーズンである4~6月以外の接種となることもあります。
混合ワクチン最終接種後に行うか、混合ワクチンスケジュールの中に狂犬病予防接種も組み込んでスケジュールを立て直すか選ぶことができますので獣医師に相談してみましょう。

持病やアレルギーがあって接種できない場合も猶予証明書といった書類を窓口に提出し、接種免除の手続きを踏む必要があります。

なお接種方法は二つで、一つは役所が開催する集合注射会場にて接種。
二つ目はかかりつけの動物病院で接種する方法です。
後者の場合は接種証明書を役所窓口に持参し、今年度の接種完了の手続きを取る必要がありますので注意しましょう。

ノミ・マダニ予防

寒暖差がある地域では4月~10月前後、年間を通して暖かい地域では通年でノミ、マダニの予防を行う必要があります。(推奨時期は病院さんによっても異なります)

原則月に一回のお薬の投与で予防を行っていきます。

飲むタイプや垂らすタイプなど様々なバリエーションがありますので愛犬に合わせてチョイスしましょう。
子犬期は体重変動が大きいため体重が安定するまでは各月ごとに購入するスタイルがベストです。

なおホームセンターやドラッグストアで販売されているものは効果があまりなく、ワンちゃんの皮膚に負担がかかるものが多いので動物病院で処方してもらうようにしてくださいね。

ついてから駆虫することもできますがワンちゃんが強い痒みを感じてしまうことや人間にうつってしまう事もありますので定期的に予防しておく方が安心です。

寒い時期は不要とする地域もありますがアウトドアや自然の多い場所に出かける機会が多い方は通年での予防をお勧めします。

フィラリア予防

忘れてはいけないのがフィラリア予防。
蚊を媒体として感染を広げるフィラリア症は全国どこでも感染リスクのある病気です。

体内に大量のフィラリアが寄生し、最終的には心臓まで到達します。
手術もハイリスクなため予防がとても大切です。

こちらも月に一回の投薬で予防を行います。
寒暖差のある地域では4月~12月、温かい地域では通年での予防が推奨されています。
(推奨時期は病院さんによっても異なります)

都内でもフィラリア症の感染症例は毎年報告されておりお薬の飲み忘れや吐き戻しなどにも注意が必要です。近年ではノミ、マダニ予防とフィラリア予防が合体したお薬が普及してきていますので混乱してしまう方は是非活用されてくださいね。

おやつタイプや錠剤タイプなどバリエーションも豊富です。

低血糖に要注意!

体が小さいうちは血糖値を維持する力が弱く、こまめに食事を取らせ血糖値が下がりすぎないようにしてあげる必要があります。
特に生後三か月未満、体重が1キロ前後のワンちゃんは要注意!
対策として以下の知識を身に着けておきましょう!

低血糖の症状

低血糖の主な症状は以下になります

  • 震え
  • 元気食欲の低下
  • ふらつき
  • 嘔吐
  • 痙攣発作

血糖値が下がってしまったことで動く、食べる気力がなくなり、ますます血糖値が下がる、という負の連鎖が起きてしまいます。
子犬期はこのような症状が出た時点ですぐに対応してあげましょう。

食事は4回~5回に分ける

前述した通り体が小さいうちは食事から糖分をとり低血糖を予防するほかありません。
一度に沢山食べたからといって血糖値が長時間安定する、といったものではなく重要なのは食事の回数となります。

一日の給餌量を細かくわけ4回~5回程度の回数を目安に食事を与えましょう。

人間同様、朝昼晩の感覚で食事を与えているとどうしても夜間の空腹時間が長くなってしまいます。事実夜間に低血糖症状でご来院される子犬ちゃんは沢山いらっしゃいます。

飼い主さんは大変ですが一日の食事間隔が均等になるように調節してあげましょう。

緊急用の砂糖水とスポイトをストック

万が一低血糖の症状が見られたときはブドウ糖液を飲ませることで症状が改善することもあります。ブドウ糖が手に入らないようであれば普通のお砂糖やガムシロップを薄めたものでも構いません。

濃さは人間がほんのり甘く感じる程度と覚えておきましょう。

スポイトで少しずつ飲ませ症状が改善するか確認します。
早ければ飲ませてすぐに元気を取り戻すことも。

沢山お口に入れてしまうと誤嚥してしまうこともありますので慌てずにゆっくり行います。
判断に迷った時は動物病院に電話し指示を仰ぎましょう。

自宅での処置で症状が改善した場合にも念のため翌日に受診し血糖値の確認などを行ってもらってくださいね。

夜間診療を行う動物病院を見つけておく

当たり前ですがワンちゃん達が体調を壊してしまう時間帯が日中とは限りません。
特に低血糖などは速やかな処置が必要で半日でも様子を見るのは危険です。

どのような時でも診察、問い合わせを受け入れている動物病院を事前に見つけておくと安心です。

避妊、去勢手術を考える

生後半年前後になったら避妊や去勢の手術を考えましょう。
体重が2キロを超えていれば麻酔も問題なくかけることができるようになります。

将来的な病気の予防、ワンちゃんのストレス面のケアなどメリットが多い避妊去勢ですが、勿論飼い主さんの気持ちも大切です。
病気でもないのに手術なんて可哀想、本来あるべき姿のままでいさせてあげたい、いつか子供を取りたい、など様々な考え方があって当然です。

手術を行うことで麻酔のリスクや太りやすくなる、など少なからずデメリットもあります。
疑問に思う点や不安な点は獣医師に確認し、ご家族で相談の上、手術を行うかを判断しましょう。

トレーニングはスタートが肝心

お座りやお手、色々なことを覚えてもらうには子犬期のトレーニングが重要です。
歯磨きなども子犬期から慣れさせておくことで成犬期以降もスムーズにやらせてくれるようになることも…!

一昔前は飼い主さんをリーダーとして認識させるため仰向けにして抑える、など厳しいトレーニング方法が推奨されていましたが現在は沢山褒め本人の負担なく進めていく方が理想的と言われています。

失敗してしまったときやイタズラしてしまった時も強く叱ることはせず、静かに片付け、しばらく構うのをやめてみましょう。
こうすることでワンちゃんが〇〇をしたら褒めてもらえる!△△をすると遊んでもらえなくなる。といい事、悪いことを覚えやすくなります。

また他のワンちゃんと触れ合うことも社会性を身に着けるこの時期はとても大切なポイントです。
予防を済ませたらドッグランやワンちゃん保育園に行かせてみましょう。とてもいい刺激になりますよ!

まとめ

いかがでしたか?
沢山の事柄があり混乱してしまいますが焦らず一つずつ進めていきましょう!

ワンちゃん達はあっという間に成長し飼い主さんの年齢を超えてしまいます。
一日一日を大切に素敵な思い出で満たしてあげられるといいですよね。

ワンちゃんも大切な家族の一員となります。
もしご家族でワンちゃんを迎えられる場合には情報共有を意識して、些細なことも全員で相談して決定してあげてくださいね!

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山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹