ドッグフードを正しく保存する方法!タイプ別の保存方法と保存グッズを紹介

普段愛犬に与えているドッグフードも、時間が経てば経つほど腐敗が進んでいきます。

とくに、保存料などを使用していない商品は、間違った方法で保存しているとあっという間に傷んでしまうため取り扱いには注意が必要です。

そこで今回は、愛犬に安心して美味しいフードを食べてもらうための正しい保存方法や便利グッズ、そして保管する際の注意点について解説していきます。

どうやって保存したらいいか分からず悩んでいる飼い主さんの助けになれるよう、できるだけ詳しく紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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ドッグフードをきちんと保存しないとどんな問題が起こる?

ドッグフードをしっかり保存できていないと、以下のようなことが引き起こされます。

  • 酸化して愛犬の健康に悪影響を及ぼす
  • カビが繁殖してアレルギーを引き起こす可能性も

詳しい内容をみていきましょう。

酸化して愛犬の健康に悪影響を及ぼす

酸化は食べ物の色が変わったり釘が錆びたりなど、食べ物以外の物にも変化を見せるため、様々な場面で目にしたことがあるのではないでしょうか。

酸素に触れ続けることで見られる酸化という現象は、ドッグフードでも起こります。

ドッグフードが酸化すると見られる変化
  • 香りや味が悪くなってしまう
  • 油分や脂質が過酸化脂質に変わる

犬は嗅覚で食べ物の美味しさを判断していると言われているので、香りが悪くなったり弱くなったりすると食い付き方にも影響が出てしまいます。

そのため、開封直後のフードはよく食べるのに日にちが経つと食いつきが悪くなる場合は、酸化して風味が悪くなっている可能性を疑ってみるといいでしょう。

また、油分や脂質が変化することで現れる過酸化脂質は、愛犬の健康に悪影響を及ぼす恐れがあるため注意が必要です。

過酸化脂質を摂取することで考えられる悪影響
  • アレルギー
  • 細胞を老化させる
  • 動脈硬化
  • ガン
  • 心筋梗塞

この他にも、犬によっては食べた後に吐く、下痢をすることもあります。

嘔吐や下痢は酸化したドッグフードを思うように消化できないために起こる症状で、食べ続けると被毛や皮膚にも悪い影響が出る恐れがあるため、気を付けないといけません。

カビが繁殖してアレルギーを引き起こす可能性も

水分を多く含むウェットフードやセミモイストフードといったものは傷みやすく、雑菌やカビも発生しやすいため注意が必要です。

一般的にカビは温度が20~30度、湿度は60%以上で繁殖しやすくなり、湿度が80%以上になると繁殖スピードが速まるとされています。

ただ、温度や湿度が低くてもカビは発生するので夏だから危険、冬だから安心と決めつけず、一年中カビの発生には気を付けるようにしましょう。

また、ドライフードは水分量が少ないですが、だからといってカビが発生しないわけではありません。

ドライフードも水分を吸収して湿気ってしまうと、カビが発生するようになります。

アレルギーの原因でもあるダニや虫が湧くこともあるため、フードのタイプに関係なくきちんと保管・保存をするようにしてください。

タイプ別ドッグフードの保存方法

ここでは、ドッグフードのタイプ別の保存方法とそれぞれの注意点について詳しく解説していきます!

ドライフードの保存方法

ドライフードは開封しているかに限らず、基本的には日陰で風通しの良い場所を選んで保存しましょう。

開封後はチャック付きの袋で小分けにするか、専用の保存容器に入れて適切な場所に保管してください。

また、保管する時は脱酸素剤や乾燥剤といったものを一緒に入れる、チャック付きの袋ならできるだけ空気を抜いてから閉じるようにすると酸化を遅らせることができます。

大容量タイプの場合は保存期間が長くなることがあるため、開封した日にちを記載しておくといいでしょう。

ふやかしたフードは保存しない

ふやかして柔らかくなったドライフードは、ウェットタイプのように水分を多く吸収しているので傷みやすく、カビや雑菌も繁殖しやすくなっています。

そのため、ふやかしたものは基本的に保存はせず、すぐ処分してしまってください。

ふやかしていないドッグフードの食べ残しも同様です。

一度でも口を付けたものは、犬の唾液が付いていることが多いため、雑菌の繁殖や傷むスピードが速くなります。

例え電子レンジで温め直したとしても、繁殖が進んでさらに状態が悪くなるだけなので残しておいてもいいことはありません。

少しもったいないと感じるかもしれませんが、愛犬の安全を考えて水分を多く含んだフードや食べ残しは保存しないようにしましょう。

ドライフードを冷蔵保存する時の注意点

基本的に袋を開封しているかに限らず、ドライフードを冷蔵庫で保存する必要はありません。

むしろ、冷蔵庫で保存するとフードを出し入れする度に外気温との温度差で結露が発生し、カビが繁殖しやすくなってしまいます。

季節に関係なく起こることなので、とくにこだわりはないのでしたら風通しが良くて涼しい日陰で保存するようにしてください。

どうしても冷蔵庫に置いておきたい場合は、1食分ずつ別の袋で小分けにしましょう。

小分けにすれば必要な分だけを取り出すことができますし、空気に触れる機会も少なくなるので酸化するスピードも遅くなります。

1食分ずつ別の袋に分ける方法は、常温保存の際にも使える保管の仕方なので、面倒でなければぜひ試してみてください。

セミモイストフードの保存方法

25~35%ほどの水分が含まれているセミモイストは、ドライタイプとウェットタイプの中間に位置するドッグフードです。

ドライフードと比べると水分量が多いこともあり、カビや雑菌の繁殖、そして腐敗もしやすいため開封したものの長期保存はおすすめしません。

一度開封したものはチャック付きの袋やタッパーなどに移してしっかり空気を抜き、冷蔵庫で保存してください。

ただ、当日中に食べきれるのであれば、きちんと封をして涼しく日の当たらない場所で保存しても問題ありません。

保存期間は小分けの場合だと当日中~3日以内、ある程度まとめて保存する場合なら1~2週間以内を目安にしましょう。

未開封のセミモイストフードは、ドライタイプと同じように風通しが良く日の当たらない涼しい場所で保管してください。

ウェットフードの保存方法

75%以上の水分を含むウェットフードは、ドッグフードの中でも傷みやすく日持ちしないため、開封したら当日中に食べきれるようにするのが基本です。

一度に食べきれない場合は、チャック付きの袋やタッパーに移し替えて冷蔵庫で保存してください。

保存容器は真空状態にできるもの、チャック付きの袋は空気をしっかり抜いてから封をすると、空気との接触が少なくなるのでおすすめです。

他にも、1食分ずつラップで小分けにして、さらにチャック付きの袋に入れて冷凍保存するという方法もあります。

容量が多く何回かに分けないと食べきれない場合などに便利な保存方法なので、困った時は活用してみるといいでしょう。

ただし、冷凍保存をする際は注意が必要なポイントもあるので、検討している人は下記の注意点もきちんと確認してください。

未開封の状態でしばらく保管する時は、缶詰とパウチのどちらも日の当たらない涼しい場所に置いておくようにしましょう。

ウェットフードを冷凍保存する時の注意点

冷凍保存はすぐ食べきれない時に便利ではありますが、時間が経つと冷凍焼けを起こし食感や味、香りが悪くなっていきます。

フードの品質の悪さは犬の食い付きにも影響が出てくるため、よく考えながら冷凍するかを判断しましょう。

3週間以内に食べきれなかったものは、もったいなくても処分するようにしてください。

冷凍したフードを解凍する際は、必要な分だけを前日の夜に冷蔵庫へ移動し、時間をかけて解凍します。

電子レンジで温めるという方法もありますが、レンジだと熱の入り具合にムラができたり香りが変化したりすることもあるため、あまりおすすめはできません。

ドッグフードの保存に便利なグッズの紹介

ドッグフードは袋にジッパーがついていなければ、保存容器に移し替えることが必要となってきます。

ここでは、ドッグフードを保存する際のグッズについて紹介していきましょう!

フードストッカー

容量の多いドライタイプのドッグフードを保存する際におすすめの保存容器です。

フードストッカーの他にも、必要な分だけを取り出せるフードディスペンサーといったものもあるので、用途に合わせて選ぶといいでしょう。

保存の仕方はフードだけを容器に移し替えるか、フードストッカーであれば袋ごと容器の中に入れておくだけで完了です。

湿気や空気との接触をできるだけ抑えたい場合は、パッキン付きのものや真空状態にできるタイプなどから選択することをおすすめします。

また、乾燥剤や脱酸素剤も湿気や酸化対策として使えるので、フードストッカーなどの活用を検討しているのであれば、一緒に用意してみてください。

タッパー

タッパーは、セミモイストタイプやウェットタイプのフードを保存する際に便利です。

フタの部分に日にちが確認できる日付ダイヤルが付いていると、いつから保存しているのか一目で分かるので、しっかり管理したい人は注目しながら探してみるといいでしょう。

他にも、サイズの小さなタッパーをいくつか用意すれば、1食分ずつ小分けにすることもできるのでおすすめです。

容器はフタの開け閉めで起こる結露や酸化を抑えるために、外からでも中身が確認しやすい透明、もしくは透明に近いものから選んでみてください。

また、タッパーもドライフードを保存する時は、フードストッカーと同じように乾燥剤や脱酸素剤といったものを入れておくと湿気や酸化からフードを守ってくれます。

チャック付きの袋

フリーザーパックとも呼ばれるチャック付きの袋は、ドライ・セミモイスト・ウェット全てのタイプのドッグフードを小分けにする際に便利なグッズです。

袋は透明のものをよく目にするかと思いますが、なかには光を遮ることができるアルミ製のフリーザーパックも販売されています。

遮光タイプなら光による劣化や湿気からもフードを守れるため、できるだけ品質のいい状態を保ちたいのであれば、この機会にチェックしてみるといいでしょう。

保存する時は中に何が入っているのか、保存した日にちといったものを袋の表面に書いておけば、確認のために開け閉めする回数も減らせます。

サイズはできるだけ1食分、または1日分のフード量に合う大き過ぎないものを選んでみてください。

空気を抜いてからチャックを閉めるとはいっても、袋が大きいとそれだけ空気との接触も増えてしまうため、ちょうどいいサイズを選んだ方が劣化スピードを遅くできます。

ドッグフードの保存をする際の注意点

上記ではドッグフードの保存方法や保存グッズを紹介していきましたが、ここではさらに細かな保存の際の注意点を紹介していきます。

室温・湿度の変化が大きい場所では保管しない

温度変化の激しい場所や高温多湿な場所は、結露ができたりカビや雑菌が繁殖しやすくなったりするため、フードのタイプに関係なく避けるようにしてください。

ドッグフードに含まれる脂質の酸化スピードは、温度の高さによって変化します。

温度が比較的低ければスピードはゆっくりになりますが、温度が高くなればなるほど酸化が進んでしまうため、熱がこもりやすい場所で保管するのはおすすめできません。

また、ドライフードを湿度の高い場所に置いておくと、水分を吸収しカビなどの繁殖を促してしまう恐れがあります。

高温多湿になりやすい梅雨や夏の時期はとくに気を付ける必要がありますが、その他の時期や季節でも手を抜かずにしっかり保管していくようにしましょう。

ドッグフードを保管する際に覚えておくといいポイントは以下の通りです。

ドッグフードを保管する際のポイント
  • 未開封のフードは常温で保存する
  • 高温多湿になる場所は避ける
  • 温度変化の激しい場所で保存・保管はしない
  • 1日中日の当たらないに置いておく
  • 風通しが良く涼しい場所を選ぶ

「悩んだら冷蔵庫で保存すればいい」と思うかもしれませんが、冷蔵庫はドアの開け閉めなどで温度変化が起こりやすく、湿度も高いため保存・保管に適した場所とは言えません。

食べ残しや短期間で食べきれる分のフードを保存しておくだけなら腐敗や劣化も少ないです。

しかし、長期間の保存となると、使用する度に温度が変化したり結露ができたりするため、フードの質が低下し安全に食べられる状態ではなくなってしまいます。

最後まで美味しく食べもらうためにも、一度保管に適した場所をじっくり探してみてください。

ドッグフードは早めに使い切るようにする

一度でも開封したドッグフードは、賞味期限に関係なく早めに使い切るようにすることを心がけてください。

ドッグフードのパッケージに記載されている賞味期限は、未開封の状態での場合です。

開封するとその瞬間から酸化や劣化スピードが速まるため、ウェットタイプなら当日中、ドライタイプなら大容量でも1ヶ月以内を目安に使い切れるようにしましょう。

もし目安の期間内に食べきれないのであれば、購入するフードの内容量を見直してみてください。

内容量を選べる商品なら、現在購入しているサイズより小さいものがおすすめです。

サイズが選べない商品の場合は、真空状態にできる保存容器を活用してできるだけ劣化を防げるようにしましょう。

また、未開封のフードについてですが、封を開けていなくても酸化は徐々に進んでいるため、味期限を過ぎたものは与えないようにしてください。

メーカーが保存方法を紹介している場合は従うようにする

ドッグフードを販売しているメーカーによっては、パッケージに保存の仕方を記載している場合があります。

なかにはペットフードメーカーの公式サイトで保存方法や専用の保存グッズを紹介していることもあるため、正しい保存の仕方があるか気になるのであれば調べてみるといいでしょう。

きちんとした方法で保存・保管ができれば、その分だけ長くフードの質を良い状態で保つことができます。

参考になることも多いので「どうやって保存したらいいか分からず悩んでいる」という飼い主さんも、この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ドッグフードは保存の仕方ひとつで腐敗や劣化スピードが変わるため、間違った方法で保管しているとどんどん質が悪くなっていきます。

しかし、正しく保存・保管することができれば、最後まで質の良い状態を保ったまま食べきることができるので、今回解説したことを参考にしながら適切な保存場所を探してみてください。

愛犬の健康は、フードの品質によっても良い面・悪い面の両方で影響が現れます。

今回紹介した方法の中に自分でもできる保存の仕方を見つけたのであれば、可能な範囲で試してみてください。

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2件のコメント

食べ物が健康と体を作る一番重要なものだと認識新たにしました。
うまかを半年食べさせていますが、涙やけ少しと一袋食べきるのに1ヶ月かかりますので気になり貴記事を拝読しました。
信頼性が高い記事をありがとうございます。

渡邊 星海 へ返信する コメントをキャンセル

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ABOUT US
山本 星海Dog salon Star sea オーナー
この記事を書いた人 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹