愛犬が痴呆になってしまったら?治療やケア方法まとめました

ペットの生活環境はこの数年でもめきめきと整っていき、食事、医療、予防、様々な面で一層充実したものになってきました。

その成果としてペット達は長寿化していき、最近では18歳を超えるハイシニアのワンちゃん達も見かけられるようになってきました。

大切な家族である愛犬が長生きしてくれるのはとても幸せな事ですよね!
ですがそれに伴いワンちゃん達の【痴呆】や【介護】は切っても懲り離せない問題となっています。

もし愛犬が痴呆になってしまったら?
今回はそのような時の治療や自宅でのケア方法などをまとめました!

犬の痴呆とは

痴呆、または認知症とも呼ばれるこの病気。

ワンちゃん達も人間同様加齢と共に筋肉や神経、そして脳の認知機能が徐々に低下していきます。そして認知機能に何らかのトラブルが生じたときに痴呆が見られるようになります。
治すことは難しく進行を遅らせる、対症療法を行うなどで対応していく必要があります。

最初は少し違和感を感じる程度の変化から始まりますが段々と進行し重度の症状が見られるようになっていきます。

痴呆はそれまでの生活環境やしつけは関係なく、どのような子も発症する可能性があります。

痴呆の初期症状

痴呆はできるだけ早くに気が付き対処していくことが重要になります。
以下のような症状が見られるようになったときは要注意です!

粗相が増える

どんなにしっかりトイレトレーニングが入っているワンちゃんでも痴呆が始まるとおトイレの失敗が増えるようになってきます。

トイレの場所はわかっていてもはみ出してしまう、お外でしかしなかったはずが自宅内でもしてしまう、トイレではない場所で粗相してしまうなど段々と失敗してしまう回数が増えてくることもあるかもしれません。

脳の認知機能の低下が原因ですから叱ったり怒鳴るようなことはNGです。

慣れている場所がわからなくなる

普段歩いているお散歩コースや生活している自宅内、加齢に伴って視力が落ちてきていてもワンちゃん達は鋭い嗅覚と感覚で物の位置や道順を識別することができています。

しかし痴呆が始まるとどんなに慣れている場所でもわからなくなってしまい迷ったりぶつかったりすることが増えてきます。

名前に反応しなくなる

名前を呼んでも反応しなくなることも痴呆の代表的な症状です。
お耳が遠くなっていることもありますのでまずは近くで優しく声をかけてみましょう。

生活リズムが乱れてくる

ワンちゃん達は時間がわからずとも各ご家庭で習慣化している生活リズムがしっかり身についており食事の時間や、お昼寝、お散歩、一日のスケジュールを規則正しく過ごしていくことができます。

ですが痴呆が始まると少しずつ生活リズムが乱れ始めます。

食事を食べたばかりなのに再び欲しがったり、日中に眠り続けていたり、そのような変化が見られたときは生活リズムが乱れ始めるサインです。

痴呆が進行した症状

痴呆が進むと以下のような症状が見られるようになります。

介護が必要になり飼い主さんに疲弊が出てしまうことも。
またワンちゃんが行方不明になることや近隣住民とのトラブルが起きてしまうこともあります。

徘徊

起きている間、常にウロウロと歩き続ける状態を【徘徊】と呼びます。

自宅内を歩き回り狭いところに入り込んでしまう事も。

認知機能が落ちてきた時の特徴として前進はできても後退ができなくなるという症状があります。隙間に入り込んでしまうと自力で出てくることができなくなってしまいますので注意が必要です。

また換気のために開けておいた隙間から脱走してしまう事も。
一度お外に出てしまうと自分で帰ってくることができなくなってしまいますので目を離す時は戸締りを徹底しましょう。

旋回

同じ場所をぐるぐると回り続ける症状は【旋回】と呼ばれます。
回っているうちに壁や段差にぶつかりケガをしてしまう事もあります。

曲がり角や危ない場所にはガードをつけておくと安心です。
赤ちゃん用のベビーガードがおススメ!

昼夜逆転/夜鳴き

生活リズムが乱れ、しばらくすると昼夜が逆転し昼に眠り夜に動き回るようになっていきます。そして進行すると夜通し鳴き続ける【夜鳴き】が始まります。

不安感や孤独感から鳴いてしまうと言われていますが、明確な理由はわかっていません。
飼い主さんが眠れず疲弊してしまう事はもちろん、近隣との騒音トラブルになってしまうことも。

優しく声をかける他、日中眠ってしまわないよう運動する時間を作る、抱っこでもかまわないのでお外に連れ出し日光を浴びる時間を設けるなどがリズムを戻すことに有効とされています。

ただ睡眠時間の操作はとても難しく、動物病院で安定剤や睡眠導入剤を処方してもらいコントロールする方法もあります。

痴呆にはなりやすい犬種や年齢は?

犬種に関わらず痴呆は発症する可能性があります。

ただ発症した犬種の中でも特に柴犬や日本犬系MIXのワンちゃんが多く、その原因は未だに解明されていません。

中型のワンちゃんが痴呆を発症すると体も大きく声量もあるため様々な二次的トラブルが起きてしまう事もあります。

難しいことですが飼育開始時に痴呆になってしまう事も想定しワンちゃんがシニア期に入る時の飼い主さんの年齢や体力面を考慮しておくことが重要です。

発症年齢は11歳ごろから増え始め、13歳ごろからグッと数が増えてくると言われています。
ただし痴呆を発症しても20歳近くまで長生きするワンちゃんもおり、必ずしも発症が寿命を縮めてしまうというわけではありません。

痴呆は予防できる?

残念ながら痴呆の明確な予防方法はありません。

ただ脳の活性化が有効とも言われ、刺激的な遊びや頭を使う運動が推奨されています。
宝探しやコングなど時間をかけておやつを出すおもちゃなどがおススメです!

食事面では抗酸化作用がある食材やフードがいいでしょう。食事面での摂取が難しい時はサプリメントを活用してみてもOK。
シニア期に入り運動量が減ってきても外に出し外気に触れさせることも大切です。

痴呆の治療方法

動物病院で行うことができる治療は夜鳴きに対する薬物療法や、床ずれをケアする洗浄処置、また動物病院によっては脳を活発化させるようなお薬を出すことも。

夜鳴きは安定剤や睡眠導入剤を使用することが多くお薬の強度は様々です。
飼い主さんと相談の上使うお薬を決めますので、介護の疲れや近隣とのトラブルがある場合はぜひ獣医師に伝えておきましょう。

床ずれ部分は生理食塩水でよく洗浄し、抗生剤や褥瘡専用の粉薬を塗布してケアを行います。悪化を防ぐため保護テープを貼ることもあります。

体が大きいワンちゃんは消毒、洗浄のために頻回に通院することは難しいこともあるかと思いますので自宅で使用できるケア用品を処方してもらいましょう。

自宅でできるケア

粗相してしまう時

痴呆が出始めたらおトイレの失敗は当たり前のことと思っておきましょう。

どんなにしっかりトイレトレーニングができていた子でも関係なく失敗することが出てきます。これは脳の認知機能が衰えているためでワンちゃんがわざとやっているわけではありません。この時声を荒げて叱る事が一番NGな対応方法です。

痴呆が原因であるときは改めてトレーニングを行ってもあまり効果はありません。
ワンちゃんに変わってもらうのではなく、おうちの環境をワンちゃんに合わせて変えていく方が双方にストレスがないかと思います。

ペットシーツの場所を認識出来ていてもはみ出してしまう、という時はシーツを2サイズ程大きいものに。トイレではない場所に粗相してしまうようであれば自宅内に設置するトイレの場所を増やす。
見ていられないお留守番や夜間の間はオムツやマナーパッドを積極的に使いましょう。その際は皮膚が炎症を起こさないようこまめチェックしてあげてくださいね。

徘徊や旋回が出ている時

徘徊や旋回が出ている時に注意したいのは

  • ぶつかってケガをする
  • 脱走してしまう
  • 隙間にはまり込んでしまう

というような状態です。

自宅内の壁や曲がり角、段差や家具の角などぶつかりケガをしてしまいそうな場所には安全のためゲートやクッションを取り付けておきましょう。
赤ちゃん用のベビーガードが使いやすくおすすめです。

また換気や来客のためにあけていた隙間やドアから脱走してしまう事があります。目を離す時はしっかり戸締りを確認し、万が一に備えマイクロチップやネームプレート、鑑札など迷子対策をしておくと安心です。

痴呆が出てきたワンちゃんの特徴として前進はできても後退ができないという症状があります。隙間に入り込んでしまうと自力で出てくることができなくなってしまうこともあるため自宅内に危険な場所がないか見直しておいてくださいね。

寝たきりになっているとき

寝たきりになっているときは

  • 床ずれ(褥瘡)のケア
  • シャンプーなどのデイリーケア

が問題になってくるかと思います。

床ずれは前述した通り病院で処方してもらえるケア用品を活用しつつ、悪化を防ぐために体勢を数時間おきに変えてあげましょう。
同じ部分がずっと床に面していることで床ずれは発生、悪化していきますので体勢を変える体位変換は動物病院でも行われているケア方法です。
右下、左下とわかるようにチェック表を作っておくとスムーズです。

クッションなどを頭の下に入れてあげてもOK。
寝床には低反発の介護用マットを使用すると快適に過ごせます。

シャンプーや爪切りなどのデイリーケアはとても難しい問題です。

飼い主さんが自宅で行えるようであればもちろん行って頂いてもかまいませんがワンちゃんの体力的にはかなり消耗してしまう事だと知っておきましょう。
一度に全て行うのではなく数日にわけて行うほうが安心です。

サロンや動物病院でお願いすることもできますがどの程度、どの範囲まで行ってもらうのかリスクも含めよく相談なさってくださいね。

要介護期になると排泄で体も汚れてしまい、こまめにシャンプーをしてあげたくなりますが、翌日に大きく体調を壊してしまう子もいるほど負担が大きいものです。
シャンプーする間隔を伸ばし普段からドライシャンプーやブラッシングでケアしてあげると汚れや臭いを軽減できます。

ブラッシングはマッサージ効果もありますし、毛玉の防止、飼い主さんとの触れ合える時間にもなりワンちゃんのメンタルケアにもなります。

実際にシャンプーを行う時は本人の体調をよく観察し、獣医師のゴーサインをもらってからにしてくださいね。

まとめ

痴呆が出てくると今まで過ごしてきた愛犬が変わってしまうようで寂しくなることもあるかもしれません。

実際に愛犬の介護生活に疲れてしまう飼い主さんは少なくありません。
ですがそれは愛犬を愛し、大切にしてきたからこそ存在している感情です。

決して後ろめたく思う必要はありません。

夜間眠れない、近隣とのトラブル、こういった問題は特に飼い主さんの心を疲れさせてしまいます。ワンちゃんとの生活が幸せであるためには飼い主さんの心の健康も大切です。

多くの動物病院では事情があれば要介護のワンちゃんでも数日間お預かりすることができます。辛い時は無理をせず頼ってくださいね。

お薬やお預かりシステムを使う事に抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんがワンちゃんとの過ごし方や介護、ケアの方法は飼い主さんとワンちゃんの数だけ答えがあります。どのような方法を選んでも穏やかに生活していける事が一番重要です。

頼れる場所には頼り、活用できるものは何でも使い、できるだけ肩の力を抜いて寄り添っていきましょう。

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ABOUT US
山本 星海hoshimi0505
この記事を書いた人(旧姓:渡邊) 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士(※資格名を押すと証明書が見れます。) 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関で2年犬に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営しながらドッグフードベストわんっ!を運営。 詳しいライター情報はこちら
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