犬の避妊手術は安全?メリットやデメリットを現役動物看護師がまとめました!

女の子のワンちゃんにおススメされる【避妊手術】、一体どういった手術かご存知でしょうか?

一般的に男の子の去勢手術は睾丸に切り込みを入れ精巣を摘出しますが、女の子はお腹にメスを入れ子宮、卵巣を摘出します。
手術時間も女の子の方が長く、傷口も大きくなることがほとんどです。

ではそこまでしても避妊手術を受けるメリットとは一体何でしょうか?
今回は避妊手術の疑問についてまとめてみました!

この記事の監修者

監修者:渡邊星海
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/第一種動物取扱業登録/動物取扱責任者

JKC公認トリマー養成機関で2年犬に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営しながらドッグフードベストわんっ!を運営。
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避妊手術を行う意味とは

避妊手術を行う最大の意味は不要な繁殖を避け、将来的な病気を予防することにあります。

女の子のワンちゃんに定期的にやってくるヒート(生理)はワンちゃん自身にとってもストレスになり得るもの。

また出産はワンちゃんにとっても命がけで負担がかかるものですがヒート中は男の子を引き寄せるホルモンが出ているため周囲にいる男の子が興奮状態になって飛びかかってくるようなトラブルや、それによって妊娠してしまうような事故も起こっています。

避妊手術をしないことで発症する疾患は緊急で手術が必要になるもの、QOLを著しく低下させるものが多く命をかけて手術や治療を行う事も珍しくありません。
それらを未然に防ぐことができるのが避妊手術をする、という選択肢です。

動物病院によって子宮、卵巣を完全摘出する病院さんと子宮のみを摘出する病院さんとがありますので術前に確認するようになさってくださいね。

手術時間や費用相場

避妊手術にかかる時間

避妊手術にかかる時間は30分~45分前後、麻酔導入から覚醒までですと45分~1時間前後が平均的です。

体が大きく縫合範囲が広い、その他の処置があるといった場合にはもう少し時間を要するかもしれません。

避妊手術にかかる費用

ワンちゃんの避妊手術にかかる費用は3万円~5万円前後が平均的です。

術式が同じであっても子宮蓄膿症になっている場合は子宮摘出に時間がかかること、麻酔管理が難しい事などから倍以上の費用がかかることが一般的です。

また以下のような場合はプラスの料金がかかりますので注意しましょう。

  • 残存している乳歯の抜歯を行う(本数によって料金がかわります)
  • 体格が大きく体重がある(麻酔加算量がかかることがあります)
  • 短頭種である(麻酔導入前に酸素吸入を行うことがあります)

入院日数や術後の過ごし方

入院日数

避妊手術は日帰り、または1泊入院になることが多いでしょう。

傷口が大きい場合や本人が気にする、痛みを強く感じている場合は数日病院で様子観察することを勧められることもあります。

ご自宅で見ることに不安を感じる飼い主さんもいらっしゃるかと思いますが病院にいること自体が大きなストレスになる事も多く、術後は安心できる自宅の方がゆっくり休めるワンちゃんがほとんどかと思います。

術後の過ごし方

一時的に食欲や元気が落ちる事がありますが原則いつも通りの生活で構いません。

術衣やエリザベスカラーを装着している場合は抜糸までそのままにしますが飼い主さんが確実に見ていられる間だけは外してあげてもOK。
傷口を気にして舐めてしまうと細菌感染や傷口が開いてしまう可能性がありますので注意してあげてくださいね。

お散歩はいつもより軽めに、息が上がるほど走り回ったり傷口が汚れてしまうような天候の時はお散歩を控えましょう。

抜糸は手術から1週間後になりますが、それまでに食欲元気が改善しない、痛みが強い、嘔吐や下痢、血尿が見られる、といったときは1週間を待たずに受診することをおススメします。

手術を受けるタイミング

子犬期

生後半年前後、体重が2キロを超えたあたりが適したタイミングです。

初回ヒートが来る前に行うことが乳腺腫瘍の予防率が一番高く、二回、三回とヒートを迎えるほど予防率は下がると言われています。

またヒート中、その直後は止血がしにくい状態になるためこの期間は避妊手術を行わない動物病院さんもあります。

成犬期以降

成犬期以降は麻酔を使いますから早ければ早いほど低リスクで手術を受けられると考えましょう。

出産希望があり手術を受けていなかった場合には産後、または年齢的なタイムリミット以降に手術を行うといいかもしれませんね。

手術を行うメリット

病気の予防

避妊手術の一番大きなメリットは後述する多くのホルモン系疾患を予防できることにあります。

シニア期以降に発症することが多く麻酔をかけての緊急手術を必要とするものもあります。避妊手術の実施はそういった危険度の高い病気を未然に防ぎ健康寿命を延ばせることがメリットといえます。

ヒートのストレスが無くなる

生後6か月以降に始まるヒート(生理)は半年前後に1回のサイクルで起こります。

ヒート中はホルモンバランスの変動により食欲や元気の低下、落ち着きが無くなる、性格が変わるといった変化が見られることも。
ワンちゃん自身がストレスに感じる事もありますし、付近にいる男の子のワンちゃん達が興奮状態になってしまうこともあります。

また経血で体やお家が汚れてしまう事も防ぐことができますね。

お出かけの幅が広がる

原則、ヒート中はドッグランやドッグカフェなどワンちゃんが多く集まる場所に行くことはNGとされています。
嗅覚が鋭いワンちゃん達は、必ずヒート中のワンちゃんがいることに気が付きますしパニックを起こしてしまうワンちゃんもいるためです。

特に規則がない場所であってもヒート中はオス犬が飛びかかってくる事や、その際ケガや妊娠をしてしまった、という事故も起きています。

安心してお出かけできる範囲が広がるという意味でも避妊手術は有効な手段と言えます。

手術を行うデメリット

麻酔リスク

術前の血液検査など麻酔前に万全の体制を整えても麻酔に関して絶対安全はありません。
健康で若い子であってもある程度の麻酔リスクはあるものだと考えておきましょう。

特に女の子の場合は男の子に比べ切開する範囲も広く手術時間も長めになりますから手術当日の体調の見極めも重要といえます。

必ず手術前に獣医師から詳しい説明がありますので疑問点はその場で確認しておきましょう。

太りやすくなる

ホルモンバランスが変わることで太りやすい体質へ変化するワンちゃんも多くいます。
代謝が落ちてしまうのが一番の原因と言われています。

避妊後専用のフードに切り替える、運動量を増やす、など工夫して体重管理を行う必要があります。

手術を受けないとどうなる?

出産を望まないワンちゃんにとって避妊手術は将来の病気を予防するためにとても有効な手段です。ただ病気でもないのに小さな体に麻酔をかけ、メスを入れることに抵抗を感じる方もいらっしゃいますよね。

もちろん避妊手術をしない、という選択が間違いというわけではありません。
ヒートがくることも元々持ち合わせているホルモンのサイクルですし、本人がヒート中辛くないようであれば問題ありません。

ヒート中のマナーや将来の病気の可能性も知った上であれば手術をしないという選択肢も一つの答えといえますね。

避妊手術で防げる病気

子宮蓄膿症

子宮内に膿が溜まってしまう病気です。

シニア期以降の未避妊のワンちゃんでは約5~6割が発症するというデータも出ているほど発症確率が高く危険な病気です。
放置すると毒素が体内に回り臓器不全など命に関わる重篤な状態へと進行していきます。

発症が確認できた場合は治療の第一選択として避妊手術が行われます。
ただし既に全身状態が悪化しているケースも多く麻酔リスクがグンと上がった状態で手術をすることとなります。

乳腺腫瘍

乳腺が腫瘍化してしまう病気で発症時の悪性、良性である確率は5割ずつとされています。

初回ヒート前に避妊手術を受けた場合は発症する確率を0.05%に抑えられますが初回後は8%、2回目のヒート以降は26%、そして2歳以降はほとんど予防効果がない、とされています。

発症時は麻酔下での腫瘍切除、及び再発防止のため避妊手術が行われますが既に成犬、シニア期に入っているためその後他の場所に再び乳腺腫瘍ができてしまう事もあります。

また切除する乳腺腫瘍の範囲が広い場合は手術時間が長くなるため避妊手術までできない事も。両側の乳腺が腫瘍化している時は日にちをわけ、片側ずつ切除を行う病院さんもあります。こちらも麻酔リスクは高くワンちゃんにかかる負担も大きな手術となってしまいます。

まとめ

いかがでしたか?

避妊手術はポピュラーな手術ではありますが、大切な愛犬のこととなると安全性や必要性について悩んでしまう方も多いかと思います。

将来もし病気になったときどういった選択をするか、そこまでご家族で話し合って決断できるといいですね。
メリット、デメリットを比較し今後の生活と照らし合わせて検討してみましょう!

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山本 星海hoshimi0505
この記事を書いた人(旧姓:渡邊) 保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士(※資格名を押すと証明書が見れます。) 第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海 JKC公認トリマー養成機関で2年犬に関する様々な知識や技術を学び、多数の資格をとる。トリミングサロンStar seaを経営しながらドッグフードベストわんっ!を運営。 詳しいライター情報はこちら
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