ドッグフードは、大切な愛犬が毎日食べるもの。
「より良い商品を選びたい!」と思うのも当然ですが、ドッグフードはとにかく種類が多く、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
この記事では、ドッグフードを選ぶときのポイントや商品を絞り込めないときの対処法を解説。
よくある疑問もチェックして、愛犬にぴったりのドッグフードを見つけてみましょう。
この記事を書いた人
保有資格:小動物看護士/ペット販売士/トリマーB級/ハンドラーC級/訓練士補/二級愛玩動物飼育管理士/動物取扱責任者/犬の管理栄養士/ペットフードアドバイザー1級/少額短期保険募集人
第一種動物取扱業:第225818003号 保管 動物取扱責任者:山本星海
JKC公認トリマー養成機関卒業。Dog salon Star seaを経営しながらドッグフードベストわんを運営。トリマー歴10年目。愛犬:トイプードル2匹
ドッグフードの選び方8箇条
愛犬に合ったドッグフードを見つけるためには、以下8つのポイントを押さえておく必要があります。
ポイント | 概要 |
---|---|
目的 | 総合栄養食・療法食・間食・その他 |
年齢 | 子犬・成犬・老犬(ライフステージ) |
タイプ | ドライ・セミモイスト・ウェット |
原材料 | 原材料・添加物の質、アレルギー食材の有無 |
栄養価 | タンパク質・脂質・カロリーは適切か |
粒のサイズ | 愛犬が食べやすい粒サイズか |
食いつき | 口コミ評判は良いか |
価格 | 続けられる値段か |
それぞれ詳しく説明していきますね。
目的に合うものを選ぶ
まず知っておきたいこと、それはドッグフードは目的ごとに4つの種類があることです。
種類 | 概要 |
---|---|
総合栄養食 | そのフードと水だけで健康を維持できる、栄養バランスの取れたフード |
療法食 | 特定の疾病または健康状態に合わせ、栄養成分の量や原材料を調整したフード |
間食 | ジャーキーやガムなどのおやつ、スナックなど |
その他の目的食 | 上記に該当しないフード全般(おかず・副食などの一般食、サプリメント、飲料) |
健康な犬の主食には、「総合栄養食」のドッグフードを選びましょう。
そのフードが総合栄養食かどうかは、パッケージや商品サイトの記載で判断できます。
ちなみに、日本で「総合栄養食」と表示できるのは、ペットフード公正取引協議会が定める基準をクリアした商品のみ。
ペットフード公正取引協議会では、ペットフードの栄養やラベル表示の基準を制定するアメリカの団体「AAFCO」のデータに基づいて基準を作成しています。
ヨーロッパのペットフードは「FEDIAF」の基準をもとに作られているので、パッケージには「FEDIAFの基準を満たしています」という表記がみられます。
AAFCOの基準を採用している日本では、FEDIAFの基準をクリアしていても「総合栄養食」とは表記できませんが、FEDIAFとAAFCOの基準はほぼ同等。
そのため、FEDIAFの基準を満たしていれば、総合栄養食相当のフードとして与えても構いません。
年齢に合うものを選ぶ
ドッグフードにはそれぞれ対象年齢があり、年齢に合った栄養バランスになるよう作られています。
例えば子犬用のドッグフードは成長期に必要な栄養素が多く配合されており、少ない量でも効率的なエネルギー摂取が可能です。
一方、老犬用のフードは肥満防止や腎臓への負担軽減のためヘルシーなものが多いなど、年齢によってドッグフードの栄養組成は異なります。
犬の年齢 | 適切な商品 |
---|---|
1歳まで | 子犬用ドッグフード |
1~7歳 | 成犬用ドッグフード |
7歳以降 ※ | 老犬用ドッグフード |
なお、「オールステージ対応」のドッグフードは、子犬から老犬まで全年齢を対象とした商品ということです。
ただし、商品によっては「生後六か月以上から」など推奨年齢が書かれているものもあるので、詳しい対象年齢は必ず確認を。
適切な栄養バランスの食事を摂れるよう、ドッグフードは犬の年齢に合ったものを選びましょう。
避妊・去勢後は基礎代謝量が減るので、これまでよりも太りやすくなります。
愛犬に肥満傾向がある場合は、生後1歳未満であっても「成犬用フード」や「ダイエット用フード」への切り替えを検討しましょう。
タイプで選ぶ
ドッグフードのタイプは、水分量や特徴によって以下3つに分類されます。
名称 | 水分量 | 特徴 | 短所 |
---|---|---|---|
ドライフード | 水分10%以下 | カリカリした硬い食感。開封後は3週間~1か月程度保存が可能。 | 硬いため、歯やあごが弱い犬には不向き。 |
セミモイストフード(ソフトドライフード) | 水分25~30% | しっとりした食感。開封後の保存期間は約2週間。 | 品質維持のため添加物が多い。 |
ウェットフード | 水分75%以上 | 水分が多く柔らかい。開封後の保存期間は約1~3日。 | 総合栄養食が少ない。給与量が多く、費用がかる。 |
開封後、約1ヶ月保存できるドライフードは、犬の主食としてもっとも一般的なタイプです。
また、ドライフードは総合栄養食の商品も多いので、愛犬の主食を見つけやすいといえるでしょう。
一方、セミモイストフードやウェットフードは、食にこだわりがある犬も食べてくれやすい嗜好性の高さが魅力です。
それぞれ長所・短所があり一概にどれが良いとは言い切れませんが、愛犬の好みや与えやすさを考慮して、より合ったものを選んでください。
原材料で選ぶ
ドッグフードに使用されている食材・添加物をチェックしましょう。
見るべきポイントは、「主原料が肉または魚か」「愛犬のアレルギー食材は含まれていないか」「好ましくない添加物は使われていないか」の3つ。
特にアレルギー食材の有無は犬の健康に大きくかかわるので、念入りに確認しましょう。
なお、ドッグフードの原材料名は、重量の割合が大きいものから記載するルールがあります。
重量には食材の水分量も影響するので、「前に表示されている=多く入っている」わけではありませんが、フード選びの参考にすると良いでしょう。
注意したい添加物一覧
以下の添加物は、犬の健康面において不安があります。
- BHA
- BHT
- エトキシキン
- 赤色○号、黄色○号
特にエトキシキンは毒性が強く、人の食品への使用は禁じられています。
法律で定められた範囲内であれば犬の健康上問題はないといわれていますが、なるべく避けるにこしたことはありません。
犬に合う栄養価のものを選ぶ
ドッグフードは、愛犬の体質や健康状態に合ったものを選びます。
カロリーやタンパク質、脂質などの栄養価は、ドッグフードによって異なります。
「とにかく栄養価の高いものを選べば安心!」と考えるのではなく、あくまで愛犬に合った栄養価のものを見つけることが大切です。
なお、ドライフードの平均カロリーは350kcal程度。タンパク質量は25%、脂質は15%前後が平均です。
この数値を基準として、愛犬の体型に合ったものを探してみてくださいね。
食べやすい粒サイズのものを選ぶ
ドライフードの場合、粒サイズは愛犬が食べやすいものを選びましょう。
ちょうど良いサイズ感のフードなら、粒がのどに詰まったり、食べ疲れて残してしまったりする心配もありません。
犬によって好みはそれぞれですが、小型犬・小さめの中型犬は小粒、大きめの中型犬・大型犬は普通~大粒サイズがおすすめです。
商品によってはパッケージに実寸大の写真が載っていたり、粒サイズが記載されているので、忘れずチェックしましょう。
食いつきの評判が良いものを選ぶ
どんなに良質なドッグフードでも、愛犬が食べてくれなければ意味はありません。
特に小型犬は食の好みが難しい傾向があるので、食いつき評判のチェックは必須。
良さそうなドッグフードが見つかったら、ツイッターやインスタグラムなどのSNS、Amazonや楽天などの通販サイトなどを確認し、口コミ評判の良さをチェックしましょう。
あまりに辛辣・ほめ過ぎている口コミは業者の可能性も考えられるので、判断は全体の意見から総合的に行うことをおすすめします。
続けやすい価格のものを選ぶ
「ずっと購入できる価格か?」というのも、ドッグフード選びの大切なポイントです。
すべてではありませんが、安価なドッグフードは原材料の質が低いものも多く、愛犬の食事として与えるには不安があります。
反面、質の高いドッグフードは魅力的ですが、あまりに高いものは家計を圧迫し、続けることができません。
これから先、無理なく与え続けることができるよう、愛犬のドッグフードは価格と質のバランスが良いものを選びましょう。
なお、ドッグフードの容量は愛犬が1ヶ月程度で食べきれるものを選ぶこと。
大容量サイズは割安になりますが、開封後1ヶ月以上経ったものは劣化が気になります。
ドッグフードの選び方で迷ったときの対処法3選
「候補のドッグフードが多くて、ひとつに絞れない…」そんなときは、以下3つのポイントに注目すると、より愛犬に合うドッグフード選びができます。
- 機能性成分
- 原材料の表記の細かさ
- 原材料・製造方法のこだわり
配合されている機能性成分を確認する
乳酸菌やコンドロイチンなど、健康面のサポートが期待できる成分を「機能性成分」といいます。
もちろん、療法食以外のドッグフードは病気を治療するための食事ではありませんが、毎日の食事で自然に健康をサポートできるのは嬉しいポイント。
愛犬の体質や犬種特有のお悩みに合ったドッグフードなら、起こりやすいトラブルを未然に防ぐことにつながります。
原材料の表記の細かさを確認する
原材料の表記が詳しいドッグフードは、それだけ内容がイメージしやすく安心です。
「肉類」とひとまとめにされているものよりは、「鶏むね肉」「骨抜きチキン」など詳細に記載されているドッグフードのほうが、消費者にとってより親切といえるでしょう。
なかには原材料のパーセンテージが書かれたフードもあり、商品への自信と誠意が感じられます。
原材料・製造方法のこだわりを確認する
原材料や製造方法には、メーカーの熱意やこだわりが表れています。
たとえば「食材はすべて人間用のものを使用」といった表記や「栄養を壊さない独自の低温加熱調理」などの記載がある商品は、食材の安全面や犬の健康によく配慮されています。
情報にウソがないことが前提ではありますが、いま一度ドッグフードの情報を改めてチェックしてみましょう。
ドッグフードの選び方【Q&A】
ここでは、ドッグフードを選ぶうえで気になる疑問について回答します。
新しいドッグフードの与え方・切り替え方
ドッグフードを切り替えるときは、新しいフードをこれまでのフードに混ぜて与えましょう。
私たち人間に比べると、犬の胃腸はとてもデリケート。
突然ドッグフードを変えてしまうと、消化不良による下痢・嘔吐を起こしやすくなります。
個体差があるので、「うちの子は全然大丈夫!」という場合もありますが、念のため完全切り替えまでは1週間ほどかけて行うのが安心です。
フードの食いつきが悪いときの対処法
まずは、ドッグフードの正しい給餌量を確認しましょう。
ドッグフードは商品によって適切な給餌量が違うので、今までのフードと同じ量与えるのはNGです。
給餌量があっているのに食べない場合は、トッピング・フードを温める・食器を変えることで食欲アップが見込めます。
なお、あげてすぐに食べない場合は新しいフードを警戒している可能性があるので、無理に与えないこと。
しばらくたっても食べないときは、いつも食べている好物のおやつをトッピングしてあげたり、飼い主さんの手であげたりすると、その後はバクバク食べてくれることが多いですよ。
ドッグフードの選び方まとめ
スーパーやネット通販、ペットショップなど、いまやいたるところで購入できるドッグフード。
どれも良いことが書いてあり迷ってしまいますが、ドッグフードにはそれぞれ特徴があり、一目見ただけで「愛犬にぴったりの商品」を見つけることはできません。
今回紹介したドッグフードの選び方を参考に、ぜひ満足のいくドッグフードを見つけてみてくださいね。